【値引き交渉も可能】賃貸契約で見かける「礼金」の由来【不動産用語集】

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不動産会社は横領していた!?『礼金』の行方に迫る

礼金・敷金とは

賃貸住宅の契約を行うとき、不動産広告などに賃料とはまた別に「敷金」「礼金」といった項目を目にすると思います。

敷金とは
「敷金」とは、部屋を借りるための保証金といった性質があり、そのため退去時には返金されるのが特徴的です。

「敷金」には2つの目的があります。

  1. 家賃滞納分の担保
  2. 大家さんは、借主が家賃を滞納したら困ります。仮に家賃を滞納したとしても、一時的に敷金から補填することで収支計画の帳尻を合わせます。

  3. 原状回復などの修繕費用
  4. また大家さんは、借主が不注意で建具や設備を破損した場合にその修繕費用として、敷金から差し引くようにしています。

    仮にそのような事態が起きなかったとしても、退去時のクリーニング代として引かれます(多くの場合、タイルが傷ついていたりするので差し引かれる)。

    敷金が返還されないといったトラブルが相次ぎ、業界がこの改善に取り組んでいます。

礼金とは
「敷金」の特徴や目的は分かりました。
では、不動産広告でセットのように表記される「礼金」とはどのようなものなのでしょうか。

「礼金」とは、部屋を貸してくれる大家さんに対しての『お礼を示すお金』のことをいいます。ここで疑問に思われた方も多いかと思います。

「なぜ客側であるコチラがお礼を渡さないといけないの?」と・・・・。
ごもっともです。私もそう思いました。

実は、これには古い慣習が関係していたのです。

礼金の慣習とは

礼金の慣習が始まったのは、高度成長期頃のことです。上京する若者が身寄りの無い都会で生活するにあたって、困った際に頼りになったのが、やはり下宿やアパートの大家さんだったのです。

そこで親御さんが「息子(娘)を頼みます」といった意味で、大家さんに対して前もってのお礼として渡したのが始まりであるといわれています。

またこんな話もあります。戦後はとにかく住宅不足で、「貴重な生活処を提供してくれたお礼」といった意味で、借主が大家にお金を包んだのが由来なんて説もあります。

現在になっては借り手市場ではありますが、当時は供給側が少なかった影響があってか、次第に地域でこの慣習が定着したということですね。

礼金ありの物件が多い理由

礼金は大家さんへの謝礼金なので、大家さんが礼金の「あり・なし」を決めます。しかし最近では大家さんと借主をつなぐ不動産仲介会社がこの礼金を手数料として扱っているケースも増えているようです。

仕組みはこうです。
礼金は「取引物件の家賃1か月分までしかとれない」と定められています
(宅地建物取引業法、以下、宅建業法)。

そしてこれは、仲介会社が何社いても「1か月分までが上限」です。

つまり、自分のところ以外にも他に大家さんと仲介する会社がいれば、取り分が減るということです。

実際に仲介会社は、賃貸契約1つ取るだけでもかなりの労力と時間をかけており、割に合わないのです。
(実際に私も現場を体験したことがあるので分かるのですが、割に合いません・・・・。)

そこで仲介会社はこう考えたのです。
「大家さん、広告を出せば早くに入居者が決まりますよ!しかし広告費を出すのもなんでしょうから、礼金から出されてはいかがでしょう?」

上手い話ですね。
広告費は上記同様(宅建業法上)、依頼主の依頼によってその報酬を受け取ってはならないとされています。

しかも場合によっては、広告費より家賃1か月分の礼金の方がウマイかもしれません。

こうすることで、仲介会社が別にいたとしても、契約を取れば家賃1か月分は確実に入ってくる仕組みが成り立ちます。

下手したら大家さんですら「礼金は大家さんの取り分」であることを知らず、「礼金は仲介会社へのお礼金」と勘違いされている方も・・・・

しかも現在では不動産広告の料金が上がっているので、仲介会社はなるべく広告にお金をかけたくないのです。

そのためか「礼金あり」としている業者が、平成26年度では43.0%、平成27年度では47.5%とその数約半数となっています(国土交通省(平成27年度)「住宅市場動向調査報告書」より)。

礼金は交渉できる?

ここまで読まれた方は、もしかするとこの制度にうんざりしているのではないでしょうか。

ともすれば、「礼金あり」の物件を「礼金なし」に交渉したいという方もいらっしゃるはず。

礼金の交渉は可能で、大家さんにしましょう
しかし大家さんと直接話せることは少ないので、不動産会社に間を取り持ってもらいましょう。

そこで大家さんに、上記で挙げた「礼金の仕組み」について知っているか確認を取ることをお勧めします。

礼金を不動産会社に渡すぐらいなら、礼金をもらわなくても信用できる借主なら安心だ」と思う大家さんもいるはずです。

太っ腹な大家さんもいる中、最近では敷金・礼金がゼロの『ゼロゼロ物件』も存在しますね。 これについてはまた別の記事でご紹介したいと思います。

ライター/西田 一輝
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