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どうして駅前には薬局がいくつもあるの?

  • 2023年06月06日更新

薬局といっても調剤薬局、ドラッグストアなどさまざまな形態があります。特にドラッグストアでは、薬品以外にもサプリメントや化粧品、日用雑貨から介護用品までなんでも揃っている量販店的な業態として機能しています。今、こうした大型店が繁盛している中で、小規模な薬局が駅前につぎつぎとできているのはご存じですか?その理由について考えてみます。

薬局には3つの形態があるのを知っていましたか?

薬局は「門前薬局」、「マンツーマン薬局」、「面分業薬局」と大きく3つの形態に分けることができます。これらの形態にはそれぞれ特徴があり、職員の勤務条件や考え方(お客様に対しての考え方なども含めて)が全く異なります。まずは「門前薬局」について。病院の前にいくつも同じような規模の薬局は並んでいる風景をよく見ますが、その立ち並ぶ薬局を「門前薬局」と呼びます。すぐ近くの病院で出される処方せんを相手にする薬局なので、大きい総合病院からの処方箋を主に取り扱っていて、その分だけ多くの薬を持っていて、多くの人と接することになります。また、「マンツーマン薬局」とは、規模のあまり大きくない診療所の近くに店を構えていて、その診療所からの処方せん割合が80%を超えるような薬局のことを言います。そして、駅前に並び、遠方から近所まで、さまざまな医療機関からの処方せんに対応してくれる薬局を「面分業薬局」と呼びます。駅前になんだかたくさん薬局があるなあと思って見ているのは、この「面分業薬局」です。これが並ぶ駅はベッドタウンであることは多いかもしれません。職場や学校の近くや指定された医療機関に通院していても、待ち時間の関係で地元の駅前薬局で薬を処方してもらうという使い方が一般的です。

駅前にあるのは地元密着型の「面分業薬局」

このように、薬局には「門前薬局」、「マンツーマン薬局」、「面分業薬局」と種類があり、それぞれ特徴も異なりますが、ここに大手薬局チェーン店や中小個人薬局などが加わるため、実際はもっと複雑です。また、医薬分業が当たり前になった現在、調剤薬局のあり方として「マンツーマン薬局」と「面分業薬局」のどちらが利用者のために適切かというのは難しいところです。「マンツーマン薬局」とは主にひとつの診療所からの処方せんを受けるところを言いますが、「面分業薬局」とは診療所や病院を限定せずに、広範囲の医療機関からの処方せんを受ける薬局です。要するに、「地域密着のかかりつけ薬局」という感じですね。現在、厚生労働省は、「地域住民が身近で気軽に専門的な支援・相談が受けられる民間団体の活動拠点」としてこの「面分業薬局」を増やす施策をとっています。そのため、駅前にたくさん薬局ができているということなのです。

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