2023/11/15よりくふうLIVE!はヨムーノに名称変更しました。

「終の棲家」に関する実態調査[東京都版]

  • 2021年03月22日更新

高齢化社会の進行にともない、特に東京のような都心では一人暮らしの高齢者や、高齢者夫婦のみの世帯が多くの割合を占め、介護施設や介護サービスのニーズも高まりを見せています。一方、これから老後を向かえる人たちの本音として、自宅以外で老後を過ごすことや、子どもと離れて老後を過ごすことを、どう考えているのでしょうか。
今回、オウチーノ総研(株式会社オウチーノ/本社:東京都港区/代表:井端純一)は、東京都に暮らす50~69歳の男女556名に「『終の棲家』に関するアンケート調査」を行いました。まず、「あなたは、どこを『終の棲家』としたいと考えていますか?」という質問をしたところ、65.9%が「自宅」と回答しました。また、「あなたは老後、子どもと同居したいと思いますか?」と聞くと、66.3%は子どもとの同居を望んでいないことが、続いて「あなたがもし介護が必要になったら、子どもに介護して欲しいと思いますか?」と聞くと、81.1%は子どもに介護されることを望んでいないことが分かりました。

65.9%が「自宅を『終の棲家』としたい」と回答。

65.9%が「自宅を『終の棲家』としたい」と回答はじめに、50~69歳の男女に「あなたは、どこを『終の棲家』としたいと考えていますか?」という質問をしました。結果、「自宅」と回答したのが65.9%、「老人福祉施設・老人ホーム」が9.9%、「サービス付き高齢者向け住宅」(※)が13.8%、「その他」が10.4%でした。高齢化が進む現代、高齢者向けの施設やサービスは多様化を見せています。その一方で、「自分の家で最期を迎えたい」という思いを持つ高齢者が多いことも、また事実のようです。
「自宅」を選んだ人に理由を聞いてみると、最も多かったのが、「一番落ち着けるから」(59歳/男性)でした。やはり一番心安らげる場所で余生を過ごしたいと考える人が多いようです。次に多かったのが「住み慣れた場所だから」(64歳/男性)、そして「自宅で一生を終えたいから」(60歳/女性)、「気兼ねなく住めるから」(51歳/男性)、「一番思い入れがあるから」(52歳/女性)が続きました。
「老人福祉施設・老人ホーム」を選んだ理由は、「家族に迷惑をかけたくないから」(62歳/女性)という回答が最も多く、次に「安心できるから」(60歳/男性)が続きました。
「サービス付き高齢者向け住宅」を選んだ理由で最も多かったのは、「安心感があるから」(60歳/女性)で、次に「ある程度自立した環境で、必要なサービスを受けられるのが理想的だから」(52歳/男性)という回答が続きました。

66.3%は、老後の子どもとの同居を望んでいない。

66.3%は、老後の子どもとの同居を望んでいない次に、子どもがいる人(350名)に、「あなたは老後、子どもと同居したいと思いますか?」という質問をしました。「同居したい」と回答したのが10.8%、「どちらかというと同居したい」が22.9%、「どちらかというと同居したくない」が28.6%、「同居したくない」が37.7%となり、「どちらかというと同居したくない」と「同居したくない」を合わせると66.3%と、半数以上が子どもとの同居を望んでいないことが分かりました。
「どちらかというと同居したくない」、「同居したくない」を選んだ理由として最も多かったのは「気楽に暮らしたいから」(67歳/男性)や「自由に暮らしたいから」(53歳/男性)といった、子どもやその家族に気を遣わず自分たちの自由に暮らしたいという理由でした。次に多かったのが、「子どもに迷惑をかけたくないから」(64歳/女性)で、次に「生活リズムが合わないから」(55歳/男性)、「面倒だから」(50歳/女性)が続きました。また実体験として、「自分が同居で苦労したので、同じようになりたくないから」(55歳/女性)といった声も挙がりました。一方で、「子どもとはスープの冷めない距離で暮らしたい」(64歳/女性)、「適度な距離の所に住んで欲しいとは思う」(61歳/男性)など、同居はしたくないけれど、子どもには何かあった時に頼れる距離にいて欲しい、という意見もありました。
一方、「同居したい」、「どちらかというと同居したい」と回答した理由として最も多かったのは、「身近にいてくれる方が安心だから」(65歳/女性)という意見で、次に「賑やかに暮らしたいから」(62歳/男性)が続きました。

81.1%は、子どもに介護されることを望んでいない!

81.1%は、子どもに介護されることを望んでいない最後に、子どもがいる人(350名)に、「あなたがもし介護が必要になったら、子どもに介護して欲しいと思いますか?」という質問をしました。「して欲しい」と回答したのが2.9%、「どちらかというとして欲しい」が16.0%、「どちらかというとして欲しくない」が39.4%、「して欲しくない」が41.7%でした。「どちらかというとして欲しくない」と「して欲しくない」を合わせると、81.1%もの人が子どもに介護されることを望んでいないことが分かりました。
「どちらかというとして欲しくない」、「して欲しくない」を選んだ理由として突出して多かったのが、「迷惑をかけたくないから」(61歳/女性)や「面倒をかけたくないから」(65歳/女性)、「負担をかけたくないから」(62歳/男性)という意見でした。親子の関係とはいえ、自分の介護が彼らの負担になることを心苦しく感じる人が多いようです。
次に多かったのが「介護のプロにお願いしたいから」(59歳/男性)、「施設に入れるなら、そちらに世話になりたいから」(63歳/女性)という意見でした。その理由としては様々だが、「気を遣わせたくないから」(54歳/女性)、「介護は大変だから」(64歳/女性)といった子どもを気遣う声や、「介護の負担が親子関係をいびつなものにしてしまうこともあるから」(61歳/男性)、「介護はお金を出して人に頼んだ方が、皆にとって上手くいくから」(65歳/女性)といった親子関係に配慮する声などが挙がりました。また、「自分が親の介護をして色々経験したが、自分の子どもたちにだけはあんな苦労はさせたくない」(62歳/女性)など、自分の実体験を挙げた人もいました。一方、「娘の住まいの近くで完全看護のところに住むのが理想」(58歳/男性)、「介護施設に入ってお見舞いに来てもらいたい」(63歳/女性)など、介護は専門の施設・サービスに依頼しつつ、子どもとの関係を持ち続けるのが理想だという声もありました。
「して欲しい」、「どちらかというとして欲しい」と回答した人の理由は、やはり「子どもに看てもらえた方が安心できるから」(55歳/女性)という意見が最も多く、その一方で、「迷惑をかけるつもりはないので、無理のない範囲で看てほしい」(55歳/女性)、「すべてではないが、できる範囲で世話をして欲しい」(63歳/男性)といった声も挙がり、子どもに介護をしてもらいたいと思う反面、子どもへの負担を懸念する人も多いようです。

一人暮らしの高齢者や高齢者夫婦が人知れず孤独死をするケースが増加し、問題になっている一方、多くの人が子どもに頼らないで老後を過ごしたいと望んでいます。今後高齢化がさらに進む日本において、高齢者にとっての「幸せな暮らし」や、高齢者と家族、高齢者と介護の「理想的な関わり」について、より深く考えていく必要があるでしょう。

※サービス付き高齢者向け住宅:高齢者向けの介護・医療サービスが提供される、バリアフリー構造の住宅

※調査概要
東京都に暮らす50~69歳の男女 556名
調査方法 インターネットによるアンケート調査
調査期間 2014年5月15日(木)

この記事を書いた人
オウチーノ総研 清水

こちらもどうぞ

人気記事ランキング 24時間PV集計

特集記事

連載記事

こちらもどうぞ