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「女性の活躍」のために必要なこととは。

  • 2021年03月22日更新

安倍政権はアベノミクスの柱の一つとして、「女性の活用」を掲げています。欧米諸国と比べて女性の幹部起用が遅れていると言われる日本ですが、女性の幹部・管理職を増やす上で課題となるのが、仕事と家庭の両立です。実際のところ、女性たちは、仕事と結婚・出産についてどのように考えているのでしょうか。
今回、オウチーノ総研(株式会社オウチーノ/本社:東京都港区/代表:井端純一)は、20~39歳の未婚女性443名と、子どもがいる40~65歳の既婚女性663名を対象に「『仕事と結婚・出産』に関するアンケート調査」を行いました。まず、「仕事で『管理職』になりたいと思っていますか?」と聞いたところ、未婚・既婚子持ち女性ともに「なりたい」と回答したのは10%未満でした。次に、20~39歳未婚女性に、「あなたは、仕事と結婚・出産についてどう考えますか?」という質問をしたところ、46.1%は、「出産後も仕事をしたい」と回答し、「結婚・出産後は仕事をやめたい」と回答したのは19.2%だった。一方で、40~65歳既婚子持ち女性の51.4%が「結婚・出産を機に仕事をやめた」と回答しました。

「『管理職』になりたい」と考える女性は、10%未満。

「『管理職』になりたい」と考える女性は、10%未満。

まず、仕事で「管理職」になりたいと思っているか聞いてみました。
20~39歳未婚女性は、「なりたい」と答えた人が8.6%、「なりたくない」が26.6%、「どちらでも」が61.0%、「現在管理職である」が3.8%でした。一方、40~65歳既婚子持ち女性は、「なりたい」と答えたのが2.6%、「なりたくない」が15.4%、「どちらでも」が28.8%、「現在管理職である」が2.7%、「働く予定なし」が50.5%でした。「働く予定なし」を除くと、「なりたい」が5.2%、「なりたくない」が31.1%、「どちらでも」が58.2%、「現在管理職である」が5.5%でした。未婚・既婚に関わらず、管理職願望を持っている人は10%未満とごくわずかだでした。
「なりたい」と思っている人の理由としては、20~39歳未婚女性では「給料が上がるから」(34歳)が最も多く、他には「会社に勤めている以上は目標だから」(37歳)、「レベルアップしたいから」(26歳)などが挙がりました。40~65歳既婚子持ち女性では、「責任のある立場で業務を行い、給与面でも満足したいから」(43歳)や「仕事をするうえで、やりがいがあるから」(58歳)などが挙がりました。一方、「なりたくない」と思っている人の理由としては、20~39歳未婚女性、40~65歳既婚子持ち女性の両グループとも、「責任のある立場につきたくない」(29歳)という回答が最も多く、「管理職になる器ではないから」(54歳)という回答が2番目に多く、40~65歳既婚子持ち女性で3番目に多く挙がったのは、「家庭との両立ができないから」(41歳)という回答でした。

20~39歳未婚女性の46.1%は、「子どもを産んだ後も仕事をしたい」と回答。

20~39歳未婚女性の46.1%は、「子どもを産んだ後も仕事をしたい」と回答。次に、20~39歳未婚女性に、「あなたは、仕事と結婚・出産についてどう考えますか?」という質問をしました。「結婚したら仕事はやめたい」と回答した人は11.3%、「出産したら仕事をやめ、専業主婦になりたい」が7.9%、「出産したら一旦仕事をやめ、子育てが落ち着いたら再び働きたい」が25.6%、「産休・育休などを活用して、結婚・出産しても仕事は続けたい」が20.5%、そして「結婚したくない」が20.3%、「結婚はしたいが、出産はしたくない」が14.4%でした。46.1%は「子どもを産んだ後も仕事をしたい」と回答しました。結婚・出産願望がある人のみに限ると、「結婚したら仕事はやめたい」が17.3%、「出産したら仕事をやめ、専業主婦になりたい」が12.1%、「出産したら一旦仕事をやめ、子育てが落ち着いたら再び働きたい」が39.1%、「産休・育休などを活用して、結婚・出産しても仕事は続けたい」が31.5%でした。割合としてもっとも大きかったのは「出産したら一旦仕事をやめ、子育てが落ち着いたら再び働きたい」でした。
「出産したら一旦仕事をやめ、子育てが落ち着いたら再び働きたい」と「産休・育休などを活用して、結婚・出産しても仕事は続けたい」を選んだ理由は、ともに「お金が必要だから」(23歳)が最多でした。2番目に多かったのは、「産休・育休などを活用して、結婚・出産しても仕事は続けたい」の場合は「子どもが小さいうちは育児に専念したいから」(28歳)でした。「産休・育休などを活用して、結婚・出産しても仕事は続けたい」の場合は、「好きな仕事を続けたいから」(35歳)や「今の仕事にやりがいを感じるから」(39歳)など、今の仕事を辞めたくない、という回答でした。

40~65歳既婚子持ち女性の51.6%が「結婚・出産を機に仕事をやめた」と回答。

40~65歳既婚子持ち女性の51.6%が「結婚・出産を機に仕事をやめた」と回答。

今度は、40~65歳の既婚子持ち女性に、仕事と結婚・出産についての理想と現実を聞きました。まず、結婚する前に「結婚したら仕事はやめたい」と考えていた人は25.0%、「出産したら仕事をやめ、専業主婦になりたい」が15.5%、「出産したら一旦仕事をやめ、子育てが落ち着いたら再び働きたい」が26.5%、「産休・育休などを活用して、結婚・出産しても仕事は続けたい」が20.5%でした。それに対し実際のところは、「結婚したら仕事はやめた」という人が33.7%、「出産したら仕事をやめ、専業主婦になった」が17.9%、「出産したら一旦仕事をやめ、子育てが落ち着いたら再び働いた」が21.7%、そして「産休・育休などを活用して、結婚・出産しても仕事は続けた」が12.5%でした。
47.0%が結婚前に「出産した後も仕事をしたい」と考えていたのに対し、実際に出産後も仕事をしている人は34.2%でした。一方、「結婚・出産したら仕事をやめたい」と考えていた人は40.5%だったのに対し、実際には51.6%と過半数が結婚・出産を機に仕事をやめたことが分かりました。

女性が考える「女性の活躍」のために必要なこと―産休・育休・短時間勤務等の充実と、職場復帰しやすい仕組み作り。

女性が考える「女性の活躍」のために必要なこと―産休・育休・短時間勤務等の充実と、職場復帰しやすい仕組み作り。

最後に、女性が社会で活躍するために必要なことは何だと思うか、聞いてみました。回答は、15個の選択肢のなかから当てはまるものを最大3個選んでもらいました。
20~39歳未婚女性のなかで最も支持率が高かったのが「職場の産休・育休・短時間勤務等の充実」で42.4%、2番目が、「子育て後に元の会社に復帰できる仕組み」で37.0%、3番目が「出産・子育てに対する職場の理解」で29.6%でした。一方、40~65歳既婚子持ち女性のなかで最も多かったのが「子育て後に元の会社に復帰できる仕組み」で40.1%、2番目が「職場の産休・育休・短時間勤務等の充実」で36.8%、そして3番目が「出産・子育てに対する職場の理解」で36.7%でした。「待機児童の解消」は、両グループとも第4位でした。以降は、「在宅勤務ができる仕組み」や「出産・子育てに対する旦那の理解・育児参加」、「女性の給与・待遇の向上」などが挙がりました。「女性役員・管理職の増加」「女性政治家の増加」という選択肢もありましたが、どれも支持率は3%に満たない結果となりました。女性が考える「女性が社会で活躍するために必要なこと」とは、妊娠・子育て中も融通を利かせながら働ける仕組みや、一度職場を離れても復帰しやすい仕組みを作ること、そしてそれに対して職場が理解を示すことであることが分かりました。
子どもを産んだ後も仕事をしたい、という女性の半数以上は、「出産したら一旦仕事をやめ、子育てが落ち着いたら再び働きたい」、つまり子どもが小さいうちは育児に専念したい、という人たちです。そのような人たちにとって、最長でも子どもが1歳半になるまでしか取得できない育児休業では不十分でしょう。女性の活躍を推していく上では、子どもを育てながら働けるよう支援するだけでなく、一度職場を離れた後再度復帰しやすい仕組みを作ることが、必要不可欠なのでしょう。

※調査概要
有効回答 20~39歳の未婚女性443名、子どもがいる40~65歳の既婚女性663名
調査方法 インターネットによるアンケート調査
調査期間 2014年9月26日(金)~9月29日(月)

この記事を書いた人
オウチーノ総研 清水

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