中古住宅市場が活況!2016年は買い時か!?

  • FaceBook
  • Twitter
  • Google+
  • はてなブログ
  • pocket

不動産市況2016 中古編

新築住宅の価格動向に呼応するように、中古住宅にも価格上昇トレンドが波及した2015年。ひと昔前までの新築偏重の志向にも変化が見られ始めるなか、中古住宅市場の活況は本物なのか。現状や今後の見通し、買うべき物件について、4名の専門家に意見を伺った。

2015年の中古住宅市場の振り返り

首都圏中古マンション新規登録㎡単価2015年は主に都市部で中古住宅の成約価格が上昇傾向へ。首都圏における中古マンション新規登録の1㎡単価を見ても右肩上がりの軌道を描き、特に東京都区部で大きく上昇した。新築の価格上昇や供給減少の影響もあるが、中古購入でも新築同様の税制優遇などが受けられるようになり、選択肢が多い中古に価値を見出すユーザーも増えているようだ。

2016年はどうなる!? みんなの不安に専門家が答える。

PROFILE

スタイルアクト代表取締役/不動産コンサルタント 沖 有人さん
1998年、現スタイルアクト(株)を設立。会員数17万人超のマンション価格情報サイト「住まいサーフィン」を運営。『マンションは10年で買い替えなさい』等の著書多数。→「住まいサーフィン」へはこちら
明治学院大学教授 大平 浩二さん
1951年生まれ。明治学院大学経済学部教授。経営学説専攻。著書に「住宅はこれからが買いだ」(小学館)がある。
不動産コンサルタント/株式会社さくら事務所 会長 長嶋 修さん
業界初の個人向け不動産コンサルティング会社『株式会社さくら事務所』を設立、現会長。著書・メディア出演多数。 →「さくら事務所」へはこちら
東京カンテイ上席主任研究員 井出 武さん
全国のマンションや土地価格をデータベース化した不動産専門の情報サービス会社。不動産市況レポートなども提供。不動産鑑定や土壌汚染調査なども手掛けている。

Q.2015年は一部エリアで中古物件の坪単価が新築に迫るなど価格高騰が見られましたが、現在の中古市場はどのような状況にあるのでしょうか?

沖さん:2015年初めから2015年秋にかけて中古マンションの売れ行きは好調で、価格が高騰しました。しかし、中古マンション価格の上げ相場は2015年秋時点で終焉の兆しが出ています。価格高騰により、売りたい人が増え、その分、中古マンション在庫が増えつつある状況でしょう。結果、中古価格は上昇トレンドが鈍化し、横ばいに近づいていると言えます。

大平さん:建築費高騰や都心部での地価上昇で販売価格は全体に高止まり。一方で価格は二極化し、港区・目黒などの都心や武蔵小杉など街に付加価値があるエリアは高いのに対して、駅から近くない郊外は安くなる傾向も見られました。

長嶋さん:2015年が価格の天井と思われます。ただし価格が上がっているのは、主に千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区の一等地。富裕層の不動産購入は一段落し、現在の購入層は一般ユーザー。優遇税制の活用で1%を切る低金利もあり、手元に現金があるのにわざわざ住宅ローンを組んで買う人も少なくありません。

井出さん:価格の上昇が顕著だったのはやはり都心。東京23区でも違いがあり、千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区では中古マンションの成約価格が急上昇しているのに対し、城南・城東・城北では上昇の仕方が比較的緩やかです。一方、開発が進んでいない地域や駅から遠いエリアでは価格の上昇はほぼ見られません。

人気のエリアはどこか、見極めるのが大事

    新築同様に中古住宅の価格上昇の傾向は間違いないが、場所によって新築並みの価格に迫るなど過熱ぎみなのは利便性に優れた人気立地に限られる。すでに頭打ちという見方もあるほか、立地的な優位性が劣るエリアではそもそも上がっていないところも多い。これらを理解したうえで物件の本当の価値を見定めることが大切だ。

Q.2016年の中古住宅を取り巻く環境は、2015年と比べてどのように変化していくと予想しますか。

沖さん:2016年の2~3月の繁忙期に価格のピークとなり、その後は踊り場を迎えると予測しています。ただし、上げ相場が終わるだけで、下げ相場にもならない微妙な均衡が続くと見込んでいます。そんななか資産価値が落ちにくいのは「単価の高いエリア」「駅からのアクセスがいい立地」。端的には山手線の内側でかつ中央線の南側が該当するでしょう。

大平さん:2016年の中古住宅市場も全体的に堅調で、価格が目立って下がることはないでしょう。ただし、少子高齢化や空き家問題が深刻化する現状を考えると、中長期的に見れば楽観はできません。また、建築現場で人手不足といわれますが、工場でのプレカットシステムが多い新築よりも、中古リフォームの職人不足のほうが問題かもしれません。リフォームの際はしっかりとした会社を選ぶことが大切です。

長嶋さん:中古の新規登録が増え、物件の数は増えていくでしょう。また、物件の価格が大幅に下がるとは考えにくいです。購入を判断するとなると難しい年になりそうです。都心での成約価格のトレンドは日経平均株価と同じ曲線をたどる傾向にあるため、株価が現在の水準を超えて上昇し、サラリーマンの給与所得が上がれば、中古価格もさらに上昇すると思います。しかし今の状況を見る限り、その可能性は少なそうです。

井出さん:首都圏では物件が高価格帯へ徐々にシフトしており、それに押し出される形で低価格帯が少なくなりつつあります。お手ごろ物件がなかなか流通せず、初めて家を買う人や若い世代には買いにくい状況が続くかもしれません。2006年~2008年頃のミニバブル期に分譲されたグレードの高い物件がリーズナブルな価格で出てくればいい買い物が出来るかも。

リーズナブルな物件探しを!

    新築住宅の供給数が抑えられている影響もあり、中古住宅市場の活況は2016年も続く見通し。短期的に見るとお値頃感のある物件は減少傾向にあり、予算や立地を限定すると競争率は高くなりそう。あまりエリアを絞り込みすぎず、思い描く仕様と異なる場合は自分好みにリフォームすることも想定し、リーズナブルな物件探しを心掛けたい。

Q.2016年に中古住宅の購入を考えるにあたり、注目すべき物件選びのポイントはありますか。

沖さん:将来の売却を前提にするなら、自分の好みだけで選ぶのではなく「美人投票」で決めることをおすすめします。つまり、売却する時に買いたいと手を挙げる人が複数出てくるような物件を選ぶべきでしょう。具体的な要件としては、「人気のあるエリア」、「駅からのアクセスのいい立地」、「総戸数が多い」、「タワーマンションなどの地域のランドマーク性を持ち合わせた物件」、「ファミリータイプ」が該当します。エリアの相場観を把握して、高値掴みしないことも重要です。

大平さん:大規模開発がなされている地域でも、しっかりとした思想がなければ長い目で見ると価値は下がってしまいます。例えば武蔵小杉のように、街に付加価値がついたエリアを選ぶのがお勧めでしょう。金利は当面下がりも上がりもしないと思いますが、4,000万円以上の物件を検討するなら、贈与税非課税特例などで親からの援助も活用を。

長嶋さん:資産価値を考えるならバス圏内の郊外の一戸建ては厳しいでしょう。資産価値が高い物件は、マンションなら駅近が多いですが、あえて郊外を選ぶなら購入金額から年平均2~3%ずつ価値が下がることも覚悟しておくこと。現在のおすすめは、再開発が完了してインフラが整う見込みの京急沿線の泉岳寺や、複数路線が使えるとともに大学5つを誘致して賑わう北千住などです。

井出さん:物件価格の上昇は2016年に入ると鈍り、しだいに価格がこなれてくる時期が訪れるはず。ただ消費増税の駆け込み需要やオリンピックが控えているために、大きく下がるとも考えられません。中古市場は新築と違ってさまざまな物件の選択肢もあるので、条件に合う物件を見つけたら、低金利の今のうちに購入を決断するのが得策でしょう。安さだけに惹かれて郊外のバス便物件を選ぶのは、かえってリスクが高くおすすめできません。

こまめな情報収集を

    中古住宅の価格が全体に高まっている状況を考えても、物件選びの際には資産価値を意識することが欠かせない。キーワードは、再開発などで付加価値がついたエリアや、売買・賃貸ともに確かなニーズを見込める駅近。2016年にはお手ごろな価格の物件が出てくる可能性も高いので、見逃さないようにこまめな情報収集を続けよう。

2016年、中古住宅市場はどうなる?

新築住宅の価格が上昇するなか、比較的お手ごろ感のある中古住宅。政府も中古市場活性化へ向けて本腰を入れ、リノベーションの浸透とも相まって脚光を浴びている。人気立地では価格の上昇が見られるものの、選択肢が幅広いのも中古市場の強み。低金利や税制優遇など恩恵が多い今のうちに、好条件の物件を探すのが賢明といえるだろう。

ライター/オウチーノ 編集部
  • FaceBook
  • Twitter
  • Google+
  • はてなブログ
  • pocket
ページトップへ