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多世代交流型住宅という新しい住まい方

  • 2023年06月27日更新

現在の日本では、急激な勢いで少子高齢化が進んでおり、2030年の総人口は約一億一千人と推定されるものの2048年には一億人を割り込み、2060年には総人口が九千万人以下になるとされています。生産年齢人口も減少を続け、2060年には40%を下回って65歳以上が2.5人に1人という社会が現実になると予測されるのです。このような状況では継続した経済成長が難しくなりますが、それ以外にもさまざまな問題が発生すると見込まれます。

多世代交流型住宅とは

少子高齢化社会が現実のものとなると、高齢者だけの家庭や親子だけの家庭が増加して、世代間の交流がなくなって行くとされています。その結果、限定された人間関係しか築くことが出来ず、何か問題が発生した時に解決するのが難しくなってしまうでしょう。また、高齢者の知識や能力が次の世代に受け継がれにくくなり、過去の貴重な財産が失われてしまうことになります。そのため、世代間の交流を促進するべく、幅広い年代の人たちが交流しやすいコミュニティの構築が検討されることになったのです。特に高齢者と若い世代が一緒に暮らす多世代交流型住宅は日常的な交流が行われやすいので、お互いの世代にとって大きなメリットがあります。幅広い年齢層の人と付き合うことで考え方や知識などが広まりますし、伝統的なものや過去の貴重な体験を継承するのに役立つでしょう。また、社会的な繋がりを失いやすい高齢者を多くの人が見守ることで、生活しやすい快適な環境を作るのに役立ちます。そのため、官民一体となって積極的に多世代交流型住宅を実現するために活動が行われていますが、その代表的な事例として注目を集めているのが横浜市のよこはま多世代・地域交流型住宅です。

多世代交流型住宅の具体的な事例

よこはま多世代・地域交流型住宅は、子供を育てる世代が住む賃貸住宅とサービス付きの高齢者向け住宅を一つの建物にまとめたものです。6階立ての建物には、一般向けの賃貸住宅29戸と高齢者向け住宅70戸が用意されていて、違う世代が同じフロアで生活するように配慮されています。単に世代の異なる住宅を一緒にしただけではなく、交流スペースも設けられていますし、コンビニエンスストア・薬局・クリニックといった施設も併設されることから近隣の住民とも交流しやすい環境です。よこはま多世代・地域交流型住宅は駅に近い位置にありますので、多世代のコミュニティとしてだけではなく、町全体の活性化にも役立つものと期待されています。横浜市以外にも、次々と多世代が生活出来る住宅が造られていますので、今後さらに多世代交流型住宅が増えることでしょう。
このような多世代交流型住宅が注目されることによって、自分の親と同居することを検討したり、スマートフォンやパソコンなどを使って高齢となった親と緊密なコミュニケーションを図る動きも加速しています。確実に少子高齢化社会へと進んでいますので、多世代交流型住宅を含めた新しい取り組みを行うことが不可欠となって行くでしょう。

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