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文化と暮らしが共存する街・下北沢の路上園芸

  • 2023年06月27日更新

こんにちは。まちかどのゲリラ的園芸活動をひそかに愛で見守る「路上園芸学会」会長の村田です。

ライター

路上園芸学会 会長 村田
街角で営まれる路上園芸に魅了され「路上園芸学会」名義でSNS等で細々と魅力を発信。植物への興味が尽きず園芸装飾技能士の資格も取得。人の手を離れオバケ化してしまった植物を見るとつい興奮。『街角図鑑』(三土たつお編著・実業之日本社)に路上園芸のコラムを寄稿。図画工作作家の木村りべか、写真家の中島由佳とともに、庭先系エンターテイメントユニット「庭先PT」として活動。
村田

演劇や音楽の街として知られる下北沢。
街を縫うように走る路地には、劇場やライブハウス、古着屋、雑貨屋、飲食店など、個性豊かなお店がひしめき、昼夜を問わず人で賑わっています。
道行く人の年齢層や身にまとう雰囲気は様々で、自由で活気のある一方、駅周辺の賑やかなエリアをちょっと外れると、静かな住宅街が広がっています。

このように文化と暮らしが共存する街の雰囲気が魅力的な下北沢。
暮らしのあるところには園芸あり、というわけで、下北沢の路上園芸を探索してみました。

商店街を彩る路上園芸

下北沢駅

渋谷や新宿から電車1本、10分程度でアクセスできる下北沢駅。
駅には南口・北口・西口と3つの出口があり、出口によって雰囲気が少しずつ異なっています。

一番街商店街

駅周辺には複数の商店街があり、それぞれに魅力がありますが、路上園芸散策で特におすすめなのは、北口から徒歩5分ほどの、一番街商店街。

路上園芸

賑やかな駅周辺の雰囲気と比べると、落ち着いてのんびりとした雰囲気。
昔ながらの趣のあるお店と、新しいお店とが入り混じり軒を連ねる足元に、ところどころで植木鉢が肩を並べています。

路上園芸

長い年月この地に佇んでいそうな、迫力ある植物もそこかしこに潜んでおり、目が離せません。

ザ・スズナリ

一番街商店街を抜けると、下北沢を象徴する劇場のひとつ「ザ・スズナリ」のある建物が見えてきます。

池ノ上駅周辺

「ザ・スズナリ」から少し足を伸ばした井の頭線池ノ上駅の周辺も、密かな路上園芸スポット。

線路沿い

商店街の店舗の前に、思い思いに並べられた植木鉢も魅力的ですが、特にオススメなのは線路沿いです。
もりもりと育ったアロエや、アスファルトをせり上げる切り株など、たくましくサバイブする植物が。

たくましくサバイブする植物

一方、一番街商店街を「ザ・スズナリ」と逆方向へ進んだ鎌倉通り界隈も、道沿いのあちこちに植木鉢が並べられ、みずみずしい緑の風景を作り出しています。

鎌倉通り界隈

暮らしにひそむ緑の風景

駅周辺の商店街を少し外れると、閑静な住宅地が広がっています。
東北沢駅、世田谷代田駅、新代田駅、笹塚駅、代々木上原駅、代田橋駅など、駅どうしの距離が比較的近い下北沢界隈。
住宅街に点在する緑の景色を楽しみながら、一駅分ゆっくり歩くのもオススメです。

実際に歩きながら目に止まった路上園芸をダイジェストでお届けします。

落ち葉と枯れ木

ミルフィーユ状の落ち葉と枯れ木。

パイプから吹き出すヒメツルソバ

パイプから吹き出すヒメツルソバ。

植物画伯

植物画伯。この時期は線描を中心とした作品です。

アロエ

もじゃもじゃと育つアロエ。ガードレール代わりになりそうです。

黄色がアクセント

黄色がアクセントになっています。

シェフレラの壁

シェフレラの壁。

庇の上のプチ庭園

庇の上のプチ庭園。

坪庭

集合住宅のちょっとしたスペースに設けられた坪庭。

下町のような、もりもりと植木鉢が路地にはみ出す光景とはまた違いますが、ここ下北沢でも、いたるところで、植木鉢や植物によって生み出された小さな「庭」が、街の光景に彩りを添えています。

まとめ

下北沢の路上園芸

古くからのお店にまじり、新しいお店もどんどんとオープンし、暮らす人、訪れる人、営む人とが行き交う中で、日々新陳代謝が起こる下北沢。
路上園芸は、そんな変化の多い街の中で静かに佇み、みずみずしさを添えています。
物や人が入れ替わる街であっても、路上園芸があることで、人の暮らしの気配が感じられ、街がぐっと馴染み深く、身近になるのです。

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