街のゲーテくん

名古屋駅周辺の再開発で不動産バブル到来!? 2017年、東海地方のマンション・一戸建て不動産市況はどう動く?

名古屋駅

2027年のリニア中央新幹線開通に向けて、東海地区の玄関口・名古屋駅(通称・名駅)エリアの再開発が活気を帯びている。

2016年はJR名古屋駅前に「大名古屋ビルヂング」「JPタワー」「JRゲートタワー」の3つの高層ビル群が立て続けに開業。また、隣接する名鉄・近鉄名古屋駅周辺でも総事業費2000億円の大型複合ビル建設計画が発表されるなど、“変わりゆく名古屋”への期待感から不動産市況にも大きな変化が起こっている。

2017年、東海地方のマンション・一戸建て価格はどのように推移するのか?どのような物件に注目すべきなのか?在名専門家の意見を聞いた。

PROFILE

株式会社東京カンテイ名古屋支店 ゼネラルマネージャー 有馬 義之さん
大手マンションデベロッパーにて販売企画に従事した後、1999年より現職。現在は名古屋支店における法人営業の責任者を務める傍ら、不動産市況の調査分析も担当。データに基づく的確な市況分析に定評があり、不動産セミナー講師としても活躍中。
有馬義之さん

マンション価格高騰の影響で、郊外の一戸建て需要が急伸中

Q.名古屋駅西側「駅西地区」の地価がここ2年で倍増するなど、都心部ではバブル期を想わせる地価の高騰が注目を集めていますが、現在の東海地方のマンション・一戸建て市況はどのような状況でしょうか?

新築マンション市場は失速気味と言えます。これは地価高騰だけでなく、建築資材の価格や現場人件費の上昇が大きく影響しているのですが、現状としては“分譲価格が高すぎる”または“平均床面積を縮小させて何とか値段を抑えている”ような物件が多く、エンドユーザーが求めるニーズに適したマンションがなかなか出てこないという状況です。

愛知県全体の建築着工統計を見ても、昨年のペースには追いついておらず、2016年上半期の新築分譲マンションの着工件数は前年比89.1%と急激な減少傾向にあります。
その一方で、新築一戸建て住宅は前年比119.9%と好調な伸びを見せているのですが、これは「マンションよりも一戸建てのほうが買いやすくなった」ことを意味しています。

私自身も名古屋の出身ですが、もともと東海地方というのは他の都市圏と比べても一戸建て志向が非常に強いエリアでした。
そのため、私がデベロッパーでマンションの営業をしていた20年ほど前は、「マンションはまだお金を持っていない若い人が住むところ」というイメージがあり、結婚したらまずはマンションに住んで、その後一戸建てを建てるという「住宅すごろく」の通過点という位置づけでした。
しかし、近年は格安住宅を販売するパワービルダーの台頭によって都心に近い名古屋市内でも2000万円台で家が購入できるようになりましたから、マンション価格が一戸建ての価格に太刀打ちできなくなってきたのです。

もともと、一戸建ての潜在需要が高い東海地方で安い一戸建てが出てくれば、当然、都心や駅から離れたマンションには価値が見出せなくなりますから、分譲マンションの商圏は自然と狭まってしまいます。
「マンションは一部の富裕層のもの、一戸建ては一般の人たちのもの」という逆転現象が起こった点は、2016年の市況の大きな変化のひとつと言えるでしょう。

建築費高騰のあおりを受け新築分譲マンションの価格が上昇。特に郊外エリアでは、戸建てとの価格の逆転現象が起こっているため、従来はマンション購入を検討していた若い世代が郊外の一戸建てを検討するようになった。特に名古屋市内のマンション価格の高騰は今後2027年のリニア中央新幹線開通まで継続することが予想されるため、「もう少し価格が値下がりするのを待つ」ことは期待できない。現状、分譲中の在庫物件は今後発売される新築物件と比べて相対的に分譲価格が割安になっている物件が多く、早めの決断をするのならば選択肢のひとつと言えそうだ。

有馬さん

Q.中古物件については流通市場に顕著な変化はありましたか?

一般的に、物件購入価格は年収の5倍以内に納めるのが望ましいと言われていますが、東海地方の新築分譲マンションの年収倍率を見てみると7.12倍となっており、一次取得者層には手が出しにくい状態になっています。
一方、中古マンションの年収倍率は4.51倍とまだ健全な状態にあるため、中古マンションを購入しリフォームして住みたいと希望する人が増えています。
そうした需要に支えられて、東海地方では中古マンションの価格が上昇傾向にあり、2017年以降もその傾向は継続すると見られます。

ただし、一点気をつけたいのは中古マンションの築年数について。
2008年のリーマンショック以降、東海地方で流通している中古物件は築25年を超えるような“築深物件”が多くなっています。安いからといってそこに手を出すと、大規模修繕などで思わぬ出費が発生する可能性があるので、分譲価格だけに捉われないよう注意したいですね。

中古一戸建てについては大きな変化はなく、ニーズは低調のままです。
これは日本人全体の気質でもあるのですが、特に東海地区では“新築信仰”が厚いため、中古住宅の流通は低く空き家も増え続けているのに、新築住宅の着工件数は伸び続けています。近年は都心エリアの一戸建てのニーズが高まっており、駅から遠い郊外の一戸建てについては資産価値を維持しにくい状況になっています。

もともと他の地域に比べても特に新築信仰の強い東海地方だが、新築分譲マンションの価格高騰の影響を受けて中古マンションも価格が上昇中。ただし、東京・大阪のマンション市況と比較してみると、まだ東海地方は中古物件に対して「価格の手ごろさ・広さ・利便性」を追求できる恵まれた環境にあるため、築10年以内の築浅物件を狙うのがオススメだ。一方、戸建ては新築物件のエリア・価格帯が選びやすい状況にあるため、郊外の中古一戸建ての人気は引続き低迷中。地価についても名古屋圏の住宅地は失速気味となっており、人々の関心が都心部へと集中していることがうかがえる。

名古屋駅周辺

Q.東海地方における2017年の住まい選びのコツは?
注目のエリアや注目の物件についても教えてください。

これまで東海地方では「実家に近い」「子育てがしやすい」「学区が良い」などの「環境」を重視するエンドユーザーが多かったのですが、近年は核家族化による単身世帯の増加や女性の社会進出が進んだことなどから、東海地方でも「働きやすさ」を求めて人が都心周辺に集まるようになってきました。
そのため従来通り「広さ」や「環境」だけで物件選びをしてしまうと、せっかく購入した大切な住まいの資産価値が将来維持できなくなる可能性があります。
“自分の住まいを次に買う人”のことを考えながら、駅への近さ・都心アクセスの良さなど「利便性」を最優先にすることが、住まい選びのコツとなります。

注目したいのは、やはり名駅から栄までの都心エリアです。
名古屋市では、現在名駅周辺で進められている再開発の他にも、柳橋・納屋橋・伏見から栄まで、都心エリア全体の回遊性を高めようという街づくり事業計画が同時多発的に進行しています。ここ数年名駅一極集中となって、従来の繁華街・栄が地盤沈下していると言われていましたが、今後は「名駅にリニアが通るから、名駅に注目!」というだけではなく、その他周辺の都心エリアにまで名駅効果が伝播していくことが考えられます。
2027年のリニア中央新幹線開通以降は、名古屋~東京が最短40分で結ばれますから、「働くのは東京、住むのは名古屋」という生活も実現するのです。名古屋の都心エリアは今後2027年に向けて、全国的にも注目を集めるエリアになるでしょう。

私個人的には、2016年6月に計画が発表された「錦二丁目7番街区市街地再開発準備組合」の41階建て高層マンションプロジェクト(野村不動産他)や現在分譲中の「グランアルト栄」(大京・住友不動産/平成30年竣工予定)など、従来はビジネスタウンだった伏見エリアのマンション開発に注目しています。

また郊外物件については、今後の人口減少に伴って「交通利便性の悪さ」は完全にネックになるためマンション・戸建て共に“駅近”は基本条件ですが、特に駅前で都市型再開発が行われているエリアが狙い目となります。
具体的には愛知県日進市の赤池駅前「日進赤池箕ノ手土地区画整理事業」(矢作地所他)、愛知県知立市の知立駅前「知立駅北地区第一種市街地再開発事業」(名鉄不動産他)、岐阜県多治見市の多治見駅前「多治見駅南地区第一種市街地再開発事業」(フージャースコーポレーション他)といった再開発地区に属する物件が注目ですね。
こうした駅前開発が行われているエリアでは、今後地価の上昇が予想されますから、資産性のバリューアップも期待できます。

マイナス金利政策の影響を受けて、住宅業界全体としては比較的好調なので、金利の低さだけに惑われず、冷静に将来の「資産性」と「収益性」を考えて物件を選ぶよう心がけてみてください。

2016年は1920年の国勢調査開始以来、初めて日本の人口が減少に転じた年。人口は5年前と比較しても94万7000人減少しており、2020年以降は世帯数の減少も予測されている。逆に単身世帯については増加が見込まれているため、これからの住まい選びのマスト条件は「駅近」と「職住近接」。名古屋都心エリアや駅前再開発が行われている郊外駅周辺など、“人が集まる場所=資産性を維持しやすい場所”に注目しながら住まい選びを行うようにしよう。

2017年は「様子見」の1年に
2018年からの「大きな変化」に向けて情報のキャッチを!

有馬さんの分析によると、2019年10月からの消費税増税予定に合わせ、2017年後半~2018年にかけては増税前の駆け込み需要を意識した大型物件の登場が予想されるため、東海地区のマンション・一戸建て市況にも大きな変化が起こりそうな気配。

2017年半ばまでは「様子見」の時期としてとらえ、最新情報の収集を心がけながら2018年の「大きな変化」に備えよう。

ただし、今後登場する新築分譲マンションについては引続き坪単価の上昇が考えられる。
物件価格だけを注視するのではなく、結婚・出産・入園・進学など自分や家族のライフプランニングとマッチした“買い時タイミング”を見極めることも大切だ。

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