建築家・柳沢伸也+柳沢陽子さんのブログ「時を経ても価値ある賃貸空間を」

時を経ても価値ある賃貸空間を

2019/09/01 更新

どこを見ても、空間が貧相で質の低いワンルームマンションであふれています。
不動産サイトに掲載されたワンルームは、どれも間取りは同一で、
しかも専有面積10㎡~20㎡の小さなものばかり。
違いは、築年数と駅近かどうかで、せいぜいトイレが別か、近くにコンビニがあるかどうかです。
戦後復興ならいざ知らず、ここまで技術が進歩したにもかかわらず、
居住空間の質はあまり向上していないというのが事実です。

需要があるために、次から次へと建設され、古い住宅から空き家になって行きます。
ディベロッパーの経済最優先の原理によって作られているため、いつまでたっても
貧相で質の悪いワンルームの再生産は止まりません。
そろそろ、もう少し豊かなワンルームを作って行く社会にならないでしょうか。

写真は、当事務所が設計した賃貸併用2世帯住宅のワンルーム空間。
壁はコンクリート化粧打放しで、天井は通常要理も高く設定しています。
穴には可動のフックで時計をかけたり、写真をかけたり、時には自転車をかけることも可能です。
トイレや洗面所には窓があり、光や風が気持ちよく入ってきます。
屋外には自転車やバイクなどが停められる駐輪場も設置され、各室には広いバルコニーも標準装備。

「時間が経っても価値が無くならない賃貸空間」

こんなことを考えながら、設計しています。
ある程度の狭さはやむを得ないとしても、その分、空間が豊かであるとか、わくわくするような景色が望めるとか機能性が高いなど、より付加価値の高い空間を設計していきたいと考えています。

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