「マンションは管理を買え!」という言葉が示すように、マンションの重要な要素となっている「管理」。一般の方にとっては「管理」の重要性は分かりにくいこともあり、購入時に見落としてしまうことがあります。またマンションに関わるトラブルの多くに「管理」が関わっていることからも、安心して住めるマンション選びには「マンションの管理」が行き届いているか、しっかりと見極める必要があります。
2010年9月 ホームアドバイザー編集部
マンション購入の決め手となる「マンションの管理」ですが、一般の方からすれば「マンション管理って何?そもそも管理費ってなんで必要なの?」と疑問を持つ方も多いはず。
「マンション管理」の目的は、いうなれば「マンションに住む人みんなが、快適で安全に暮らせるようにする」こと。マンションの管理というと、主に共用部分の清掃作業がメインになるとお考えの方も多いようですが、他にも設備の保守・点検、住民間のトラブルの仲裁、修繕計画のプランニング・実行、管理費・修繕費の管理など、多彩な内容が含まれています。
マンション管理の良し悪しはソフト・ハードの両面でマンションの質を決めるもの。管理がしっかりと行われているかどうかは、将来の資産価値にも大きな影響を与えますので、購入段階から注意しておきましょう。
マンション管理の主体となるのは、住民(区分所有者)によって構成される「管理組合」と、管理組合から委託される形で業務を代行する「管理会社」です。
築年数が経つにつれて、外壁の汚れや給配水管の痛みなど、多くの劣化が発生するマンション。劣化を放置しておくと、資産価値の低減につながるばかりか、生活面でも不便さを強いられます。
快適な生活と資産価値を守るために必要なのが、設備の保守や修繕。それを長期的な視点で計画的に行うために必要なのが「修繕積立金」と「長期修繕計画」です。
「修繕積立金」とは、今後予想される修繕の費用を前もって蓄えるため、毎月管理組合に対して支払うものです。また「長期修繕計画」は、分譲時から20~30年後に渡って想定される修繕内容と工事費がまとめられたもの。修繕積立金算出の裏付けは、長期修繕計画から出ているのが一般的です。
マンション購入時に注意したいのが、「修繕積立金」が「長期修繕計画」に対して妥当な値段かどうかを見極めること。安すぎる場合、大規模修繕が発生した時に追加で修繕金を徴収されることになります。最悪の場合、追加修繕費用は住民一人ひとりが払えないほど莫大なものとなり、修繕が行われないまま「スラム化」する可能性も秘めています。
毎月結構な負担となる「修繕積立金」ですが、資産価値を守るためには必須なものです。だからこそマンションの管理を通じてしっかりとその計画をチェックする必要があるのです。
ここ数年の間、大規模マンションの供給が相次ぎましたが、大規模マンションのメリットといえば「共用施設の充実」が挙げられます。しかし、これは管理の面から言えばデメリットとなることもあります。
なかには、ホテルのラウンジのようなエントランスに、豊かに木々を繁らせる緑地ゾーン、リゾート気分を楽しめるプールやスポーツジム、さらには温泉まで備えた超大規模マンションもありますが、これらの豪華施設も分譲後は「管理」の対象となります。当然、その分だけ管理費・修繕積立金は高くなります。
管理面での大規模マンションのメリットには、常駐している管理人・警備員のいる場合が多く安心感があることや住民が多いため管理費・修繕金の不足が生じにくい、などが挙げられます。
総戸数の少ない小規模なマンションでは、住民の数が少ないため管理組合の運営がスムーズにいきやすい反面、ひとりあたりの負担額が大きくなることもあります。
このように、物件の規模によって、管理の質・量ともに変わってくることを知っておきましょう。
それでは、管理の行き届いたマンションのチェックポイントを見てみましょう。
1.まずは清掃・整理がしっかりと行き届いているかをチェック
物件を訪問したら、まずは共用施設が清潔に保たれているかを確認すること。
清掃はマンション管理の基本です。エントランスやエレベーター内はもちろんのこと、ゴミ捨て場や自転車置場・郵便ボックスなどをチェックしましょう。
例えば、ゴミ捨て場の使い方が汚い・自転車の置き方がグチャグチャ、などの問題がある場合は、管理会社・管理人がしっかりと仕事をしていないことはもちろんのこと、住民コミュニティが形成されていない、つまり管理組合がまともに機能していない、と考えられます。
2.管理組合がちゃんと機能しているかチェック
外部からはチェックしにくい「管理組合」の実態ですが、マンション管理の中心となる存在ですので、出来るだけ多くの情報を集めましょう。
管理組合がちゃんと機能しているかどうかを確認するには、過去の管理組合総会の資料や長期修繕計画表を売主さんに見せてもらい、しっかりと修繕金が積み立てられているか、また総会が定期的に行われているか、などをチェックしましょう。稀にではありますが、修繕積立金制度を設けていないマンションもありますので、ここはしっかりと確認したいところです。
また管理費・修繕積立金の預金口座名義が誰なのかも確認しましょう。これが管理会社名義になっている場合は、管理組合が機能せず丸投げ状態になっている可能性もあります。
3.管理会社のサポート能力もしっかりとチェック
ほとんどのマンションでは管理業務の全て、もしくは一部を管理会社に委託しています。管理会社のサポート能力もしっかりと確認しましょう。
ここでは、管理体制をチェックしましょう。管理内容に応じて、管理人常駐タイプ・管理会社スタッフが巡回するタイプ・掃除だけ行うタイプなど、様々な管理体制があります。
一番優れているのは、管理人やスタッフ・警備員がマンション内に常駐していること。トラブル発生時にも速やかに対応してくれるので安心できます。
マンション管理の最終的な責任者は「区分所有者」、つまりはマンションを購入したみなさんになるのですが、当事者意識に欠けている方が多いのも事実。責任の所在が分かりにくい上に、お金が絡む話ですので、トラブルも絶えません。
マンション管理でのトラブルで一番多いのは、管理費・修繕積立金に関するもの。滞納者が多いため積み立てが上手くいっていない、修繕計画の見立てが甘かったので積立金だけでは工事できない、など様々です。ヒドイ場合では、管理組合理事による着服・私的流用なども発生してます。
購入後の生活が快適になるかどうかは管理次第。それくらいの気持ちで、物件を買うときはマンションの管理を意識してチェックしましょう。