エネファーム、新築マンションへの設置進むか?

  • 2021年03月22日更新

家庭用燃料電池「エネファーム」の導入事例が増えています。今までは設備の大きさなどから、一戸建て用の商品だけしかありませんでしたが、近年は小型化が進み、マンションにも設置するケースが増えてきました。そんなエネファームの概要とその利点に迫ります。

電源を確保してお湯も沸かす「エネファーム」

住宅で使用する電気と給湯を行う「エネファーム」。奇妙な犬が登場するユニークなTVCMなどで御存知の方も多いことでしょう。「エネファーム」とは、「家庭用燃料電池コージェネレーションシステム」の愛称で、「エネルギー」と「ファーム(農場)」を組み合わせた造語です。家庭用燃料電池の認知向上を推進する取り組みとして決定された愛称で、燃料電池の実用化と普及に関する活動を行う「燃料電池実用化推進協議会 (FCCJ) 」によって付けられました。同じようにひとつの装置で発電も給湯も賄う「オール電化」と違う点は、ガスを燃料にしているところ。国内最大手の都市ガス会社である「東京ガス」を先頭に、ガス供給会社はエネファームの普及に力を入れています。2009年に一般発売された当時は、価格が約340~400万円と高く、設備が大掛かりになることもあって、導入はあまり進まず、一戸建てを新築する時に組み込まれる程度でした。しかし、近年は設備の改良とコストダウンが進み、2015年に発売された装置は160万円台と当初の約半額になっています。同時に、庭のある一戸建てにしか設置できない程の大きさであったものが、改良により小型化の他に耐震化が進められ、2014年4月にはマンションなどの集合住宅に設置できるタイプのエネファームが登場。大手デベロッパー各社では新築マンションへエネファームを採用する動きが相次いでいます。

エネファームの利点

エネファームはもともと、発電ではなく節電を目的としたシステムとして発売されました。そのため、発電時に二酸化炭素を排出しない、発電で発生した排熱を直接利用できるのでエネルギー利用効率が高いなどの利点を多く持っています。いわゆる自家発電装置であり、家庭で使用する電力量の約半分をこの「エネファーム」で賄えるので、送電による電気料金が安くなるという費用面でのメリットもあります。最新のエネファーム設備であれば、年間約4万円の光熱費削減効果があるという結果も出ています。「その分、設置費用が高いのでは」という声がありそうですが、エネファームの設置には国による公的補助金制度があり、購入費用の一部に補助金を充てることで割安になります。「平成26年度民生用燃料電池導入支援事業 補助金制度」では、補助対象エネファームを導入し、6年以上継続して使用できることを条件に、新築で最大35万円/台、既存住宅への導入で最大40万円/台の補助が受けられます。大手デベロッパーは、これらの利点を踏まえ、1戸ごとのメーターボックス内にエネファームを配置して省エネ化を図ったマンションの建設に力を入れ始めています。東日本大震災以降、エネルギーと「省エネ」について考える機会が多くなりました。そんな中で、エネファームは次世代の環境活動に貢献する存在として注目を集めており、世間の認知度も高まっています。設備の改良とコストダウンがより進めば、エネファームは今後の新築マンションでは標準設備になることもありそうです。

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