住宅バブルはいつ終焉するのか?

  • 2021年03月22日更新

2015年の首都圏新築市場は「住宅バブル」と言われていました。「億ション」の取引が活況を呈し、都心に近いマンションの分譲価格が軒並み上昇し、20年前のバブル期を超えるかとも噂されました。そして迎えた2016年。首都圏の住宅バブルはこのまま続くという見方もあれば、早くも終焉を迎えるという見方もあります。2015年の新築住宅バブルについて振り返り、今後の動きについて考察してみます。

2015年の首都圏は「東京五輪特需」の住宅バブル期

2020年に東京でオリンピックが開催されることが決まりました。主な会場が新国立競技場のほかに、有明やお台場などのベイエリアが中心になるため、特に江東区の湾岸沿いでは、マンションの住宅建築ラッシュが始まっています。この「五輪特需」とも言える世相も関わって、2015年の首都圏新築住宅市場は「住宅バブル」と評される活況を呈しました。タワーマンションが売れ、「収益物件」と言われる、投資目的の物件が億単位または1棟単位で取引されていました。不動産・住宅市場の動向を研究・分析する「不動産経済研究所」が2015年末に出したデータでは、首都圏新築マンションの平均販売価格は1戸あたり6,328万円で、90年代の「バブル」期を超えたとのこと。これは、1戸あたりの平均価格が2億円というような高級物件が売り出されたために平均価格を引き上げたことが理由として挙げられます。これらの高級物件も最高倍率10倍で即日完売となる状況が続いていました。この、高級物件をはじめとする住宅の購入層は、主に富裕層と外国人です。2015年1月から、相続税の課税基準が変わり、相続税の税率が上がったため、富裕層は税金対策として都心のタワーマンション、それも高値の高層階をこぞって購入しました。マンションは相続税評価額を大幅に減らせると言われたためです。また、東京でオリンピックが開催されることが決まり、外国人が、高い投資利回りを期待して購入したために、更に人気が高まりました。法改正や世界的なイベントの開催決定など、様々な要因が重なって生まれた「住宅バブル」、それが2015年の首都圏新築市場でした。

2016年以降は、バブルがはじける?

その「住宅バブル」が、そろそろ弾けるのではないかという見方が、不動産に関わる業界の中から出始めています。東京オリンピックの開催が危うくなってきたこと、アメリカの金利が上がってきていて、外国人にとっては日本で不動産による投資にメリットが感じられなくなってきつつあること、富裕層のタワーマンション購入による節税対策に国税庁が課税を強化する見込みであることなどが、その理由として挙げられます。外国人から見れば、日本の不動産は所有権を取得できるうえに、今は円安で安く購入できる、魅力的な市場ですが、その外国人の懐そのものが怪しくなってきていることも、先行きの不透明感に拍車をかけています。中国の経済低迷の動きや、ユーロ圏の情勢など、懸念材料は尽きません。不動産市場も悪化する、。一方で、2020年の五輪や前年2019年のラグビーW杯など、東京にはビッグイベントが多々あり、それを目当てにして建設ラッシュも不動産投資もしばらくは続くという見方もあります。同じ不動産業界でも、見方が分かれるところでしょう。世界情勢や日本の法律なども絡み合う難しい予測ではあります。

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