屋根の形状と雨漏りの関係性

  • 2021年03月22日更新

「雨仕舞(あまじまい)」という言葉を聞いたことはありますか? これは屋根の形状に関係する言葉で、大切な家に長く住むためにはとても重要な要素です。屋根のリフォームを計画されている方も、ぜひ見積もりを依頼する前に知っておきましょう。こちらでは、屋根の形状と雨漏りの関係性をご説明していきます。

屋根の形に左右される雨仕舞

雨仕舞とは、雨が降った時に雨水が建物内部に浸入しないよう防ぐ仕組みのことです。雨漏りが起こって雨水が構造内に入り込むと、木造建築の場合は柱や壁などに使われている木材が腐食し、強度が低下します。鉄筋コンクリート造や鉄骨造の場合も、コンクリートの中性化や鉄筋・鉄骨のサビを引き起こし、強度低下や爆裂(錆びた金属の体積増加で、コンクリート片が剥がれ落ちる現象)につながるため、水の浸入を防がなくてはなりません。窓や扉、換気扇周りといった開口部でも雨仕舞は重要ですが、もっとも大きく雨仕舞に影響をおよぼす要因は屋根の形状です。

代表的な屋根の形状

屋根の形状には実にさまざまなものがありますが、代表的なものは「切妻屋根」「寄棟屋根」「片流れ屋根」「陸屋根」の4種類にわけられます。日本の戸建て住宅は木造建築が中心で、以前は上部が切妻、下部が寄棟となった「入母屋(いりもや)」と呼ばれる形状が一般的でした。入母屋は工事に手間がかかることもあって減少傾向にありますが、雨仕舞がよく和の雰囲気が出るため、あえて和モダン建築に取り入れるケースもあります。切妻屋根は形状が単純なので工事費が比較的安く、雨漏りのリスクも低いといわれています。4方向から中央に屋根を集めたような形状の寄棟屋根は、切妻屋根に比べると工事費がやや上がり、これも基本的に雨仕舞は問題ありません。近年増えてきた片流れ屋根はシャープなデザインが魅力。単純な形状なので、屋根自体の防水性は高いものの、雨水が一気に流れ込むために雨どいがあふれやすいのが難点です。壁面を雨水が伝いやすいので、壁面の防水処理にも注意しなければなりません。もっとも雨漏りのリスクが高い屋根の形状は平らな陸屋根です。鉄骨造や鉄筋コンクリート造の建物で採用されるケースが多く、定期的に塗装するなど、防水処理のメンテナンスが必要です。屋根の形状を変えるような大規模な屋根のリフォームをする場合は、それぞれの特徴を知って選びましょう。

その他の雨漏りに影響を与える要因

近年ではデザイン面から、極端に軒の短い住宅や軒がない住宅も増えてきました。この場合、切妻や寄棟であっても外壁を雨水が伝うので、壁面の防水処理が重要です。また、寄棟と片流れを組み合わせたものなど、複雑な形状の屋根では雨仕舞が悪くなりがち。施工不良も起こりやすいので、雨漏りのリスクが高くなります。とくに谷となる部分があると雨漏りが非常に起こりやすくなるので、注意が必要です。一般的に屋根の勾配があるほど雨が流れやすくなり、雨漏りのリスクは低いといえますが、勾配がきつすぎると施工費やメンテナンス費用が高くなるのでバランスを考えて選びましょう。雨漏りのリスクは屋根の形状を中心に、雨どいや軒など、屋根の総合的な機能を整えることで防げます。決してデザイン面だけで選ばないことが成功のポイントです。

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