北海道新幹線はなぜイマイチ盛り上がらないのか?

  • 2021年03月22日更新

3月26日、北海道新幹線が開業しました。しかし、昨年開業した北陸新幹線のときとは違い、イマイチ盛り上がっていないような感があります。国土交通省の発表する公示地価でも、北陸新幹線の影響で地価が上がった金沢駅周辺と違い、函館市は変化なし。鉄道による本州~北海道間の所要時間を短縮し、日本縦断を可能にした存在の北海道新幹線は、なぜそんなに地味な開業になったのでしょうか?

いよいよ開業!北海道新幹線…のわりには

2016年3月26日、新青森駅と新函館北斗駅間で、北海道新幹線が開業。東京駅と新青森駅間をつなぐ東北新幹線に直通運転で接続することで、本州と北海道がひとつながりになりました。これで、九州から北海道まで、日本が縦につながる鉄道ルートが出来たことになり、大いに盛り上がることが予想されていたのですが、蓋を開けてみれば今一つ。北海道に設置された新駅「新函館北斗駅」では、開業当日は盛大にイベントが開催され、15万人以上が来場して大いに盛り上がったものの、新幹線そのものの乗車率は開業から3日間で平均43%。開業日から1週間ほど経った時点では3割以下と、予想よりも随分低い数値にとどまっています。前年に、やはり鳴物入りで開業した北陸新幹線が、1年以上経った現在も乗車率47%を維持している状況と比べると、随分な差があります。青函トンネルをくぐって、一大観光地でもある北海道へ本州から乗り換えなしで行くことの出来る新幹線なのに、これほど地味な発車になっているのは、なぜなのでしょう。

公示地価の上昇にも貢献できていない

北海道新幹線の乗車率が低迷している最大の理由には、現時点では新函館北斗駅が始発駅になっていることが挙げられます。北海道最大の都市である札幌市まで延伸されなければ、観光地にとどまる函館では需要が少ないということです。観光目的であれば、本州の最大都市圏である首都圏から来る場合は、飛行機のほうが所要時間の面では圧倒的に優位で、料金も新幹線より安価であるため、敢えて新幹線を利用する必要性がなくなってしまうのです。その点で、直通で結ぶ路線が今までなく、飛行機も不便であった東京~金沢間を、約2時間半で結ぶ北陸新幹線は高い需要があり、石川県の価値上昇にも貢献しています。現在、金沢駅周辺は、北陸新幹線の開業で商業地が大幅に上昇しました。北陸3県で市場開拓を目論む首都圏の企業が拠点を設けたり、施設を拡張したりといったビジネス需要が高まっているため、金沢駅周辺では1割を超える上昇率を出すところもあるそうです。翻って、東京と函館を、飛行機の倍以上である4時間以上かけて結ぶ北海道新幹線は、函館市内の商業地の地価変動率がマイナス0.6%と、貢献したとはとても言いにくい状況。北海道最大の都市である札幌市へ延伸されれば、ビジネス需要も高まり、乗車率の向上にも地価の上昇にも貢献できるのではないかと見られていますが、札幌への延伸は、現在の予定では10年以上後。高速鉄道は共通の傾向として、4時間を切らなければ飛行機に対抗できないと言われます。「4時間の壁」を打開できる日が来るときが、北海道新幹線の盛り上がるとき、なのかもしれません。

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