• 2016/07/04
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階段の幅、標準仕様は何センチ?

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昔の建物にある階段を昇ると、段が急で、幅が狭く感じませんか?昔の建物と今では、階段の幅にも違いがあります。階段の幅および角度は、建築基準法によって定められており、古い家で見るような幅が狭い急角度の階段は、現在の建物には付けることが許されていません。現代の建物において、(法律で許可される範囲で)利用しやすい階段の標準的な幅と高さはどれくらいなのでしょう。

古民家の階段の幅は、お城に由来?

古民家に入ると、階段の勾配が急で、幅が狭いことに驚かされることがあります。そもそも、日本家屋は歴史的にはほとんどが「平屋(ひらや)」造りで階段は存在しませんでした。階段のあった日本古来の建物と言えば…、お城です。姫路城や彦根城など、日本のお城に入ると、あれほどに広い床でありながら、階段の幅の狭さと急な勾配に驚いた経験はありませんか。お城のように階層を重ねる場合は、部屋に柱を、天井に梁(はり)を何本も取り付けて天井を支える工法を採用しています。そのため、階段の位置を自由に決めることができず、その幅や勾配にも制限があったと思われます。また、防衛上の理由から、特に天守閣には、敵に攻め込まれたときに敵の兵が駆け上がりやすいゆったりした階段を造ることは好まれませんでした。歴史が下るにつれて、そうしたお城の構造が一般の民家にも広まり、階段を小さく造れば居住スペースを広く取れるという事情も重なって、急勾配にして幅も狭い階段が普及しました。古民家の階段はその当時の構造で作られた民家の名残といえるでしょう。
現代の建築物では、階段の幅は建築基準法で建物の用途と面積規模により定められており、古民家にあるような階段を取り付けることはできません。一般の住宅であれば、階段の幅は有効幅75㎝以上、踏み面(足を載せられるスペースの奥行)15㎝以上、蹴上(1段ごとの高さ)23㎝以下と定められています。

昇りやすい階段の幅は

ただ、法律で定められた最低限の階段の幅や高さが実生活においても使い勝手がよいものとは限りません。法律の数値とは別に、住みやすい・利用しやすい階段の幅と高さがあります。一般的には、昇りやすい階段の幅は、踏み面が20cm~22cm、蹴上は1段あたり18cm~20cmとされています。また、階段は足の悪い高齢者が踏み外すなど事故の起こりやすい場所です。そのため、平成12年に建築基準法が改正された際に、施行令第25条で、階段およびその踊場の両側に側壁又はこれに代わるものがない場合は手すりを設けなければならないことが定められています。片方に壁のないタイプの階段には、おしゃれ度が損なわれようとも必ず手すりを設ける必要があるということです。階段で足を滑らせる心配がある家族がいれば、手すりのほかに、段のふちに滑り止めのゴムを貼るなどの対策も有効です。階段の幅は、広すぎても事故を起こしやすくなりますので、適度な幅に収めて、事故対策を取りたいものです。22cm前後の踏み面が確保できる幅で、脇には手すり、ふちにはゴムの滑り止め。これが、現代家屋における階段の「標準仕様」と言えるのではないでしょうか。

ライター/井上

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