学園祭の“アイドル”と同居生活!? 京都大学クジャク同好会を直撃!

  • 2021年03月22日更新

2013年、京都大学で1人の学生がオークションでクジャクの卵を手に入れた。生き物が好きで、鳥を卵の状態から育てることに興味があったそうだ。
そして孵化したクジャクを“アイドル”にするため、「京都大学クジャク同好会」を立ちあげた。

それから3年、すくすくと成長したクジャクは、学園祭などのイベントで美しい姿を見せ、たくさんの人々から愛される存在に。

現在、クジャク3羽、人間約200人が所属するまでになったクジャク同好会。
今回は人間会員3人に、日常生活ではめったに関わることのないクジャクについて聞いてみた。

クジャクは意外とペット向き? アイドル向き?

スカイレインボーハリケーンゴットフェニックスとサカタニ

▲左:スカイレインボーハリケーンゴットフェニックス(メス)右:サカタニ(オス)
ともに3歳 ママチャリに佇むクジャクたち、そのミスマッチに筆者も驚きを隠せなかった。

冠のようなトサカ、エメラルド色の羽、長い尾……ゴージャスな外見のクジャクだが、3人の会員の話の全てに共通するのは「思っていたより飼育は難しくなかった」ということ。寒さにも強く、成鳥は屋外でも冬を越すことができるそうだ(寒冷地は例外)。

また何でも食べ、同好会のクジャクたちはニワトリ用の飼料のほか、モヤシやカイワレなどの野菜や、時にはミルワームやペット用の乾燥パパイヤなどを食べるという。
しかし、「パパイヤの味を覚えてしまうと、他のエサを拒否してしまうので食べさせ過ぎには気をつけています」とのこと。人間もクジャクも贅沢のしすぎは禁物だ。

そして、クジャクは走りまわったりすることもないので、特別に広いケージも必要ないそうだ。この活動的ではない性質が「握手会」などの人間とふれ合うイベントで功を奏したようで、「クジャクは決められた場所からあまり動かないのでアイドル向きだと思った」と会員は語る。

ノブエ

▲手前:5時に夢中!ノブエ(メス)1歳

弱点は、○○!?

もちろん、成鳥になる前までは苦労や心配が絶えなかったそうだ。
卵は孵卵器で孵化させたそうだが、6時間ごとに温める向きを変える必要があり、卵から孵ってばかりのヒナは寒さに弱く、人間が温めてやらなければいけなかった。震えるヒナを会員が手で温めていたら、つぶれてしまったこともあったという。

また何でも食べる性質からか、輪ゴムなどエサでないものまで飲みこみそうになったことも。体が成長しきってないとノドに詰まらせる心配があり、床に何か落ちていないか常に神経質になっていた時期もあったそうだ。

さらに成長してからもクジャクには大きな弱点がある。それは便秘が命取りになることだ。鳥類は体の構造上、フンを長期間、体のなかに留めておくことができない動物なので便秘が死につながるという。

では、クジャクが体調を崩した時はどうしているのだろう。さすがに動物病院だって、クジャクを診たことのあるところは少ないのではないだろうか。
華やかなクジャクだか、実はニワトリと同じキジ科の動物。大学から少し離れた、ニワトリを診たことのある動物病院のお世話になっているそうだ。

悠々と歩く2羽

▲取材現場の田中神社で悠々と歩くサカタニ(奥)と、スカイレインボーハリケーンゴッドフェニックス(手前)

美しい羽はいつ見られる?

クジャクと言えばオスの美しい羽。
繁殖期の春にオスがメスに求愛するために広げるものとして知られている。しかし、実際に飼育した会員によると、クジャクが羽を広げるのはメスにアピールする時だけではないのでは、と考えられるそう。

「子どものクジャクは性別や季節問わず興奮したときに羽根を広げるように思う」とのこと。

クジャクの尾羽は夏に抜け始め、次の春に向けて新しく生えるそうだが、取材した季節は11月の末。抜けきった羽が伸び始めている頃だ。

▲秋・冬の尾羽は「ショート」から「ロング」への移行期間

クジャクとの学生生活

普段は大学構内にある、同好会創立者のおじいさんにあたる方(大工さん)が作ってくれたケージで生活するクジャクたち。

同好会の会員の講義が入っている時間帯がバラバラなので、空いている人が交代で世話をするようだ。

200人程度いる会員のなかで直接飼育に関わっているのは20~30人程度。
京都大学以外の大学、比較的京都大学に近い同志社や立命館大学の学生も飼育に参加しているという。
また、近隣の社会人の愛鳥家の方も学園祭の時にクジャクの移動などを手伝ってくれることもあり、大学の域を超えて沢山の人がクジャクの世話をしているようだ。

▲「スカイレインボーハリケーンゴッドフェニックス ウォレットフォンケース」の前で、すましたポーズをとるスカイレインボーハリケーンゴッドフェニックス

クジャク同好会グッズは学園祭で売り出され、通販販売もされている。一つあたりの利益は500円で、クジャクの生活改善に使われるそうだ。

もちろん、学園際でも人気者

お散歩サカタニ

▲お散歩サカタニ

京都大学の学園祭「11月祭」では、クジャクを撫でたり腕に乗せたりしてふれあえる「握手会」を開催したクジャク同好会。
握手会にはたくさんの人が参加し、ツイッターには「かわいかった」「意外と大人しかった」「クジャクと写真を撮った」など好意的な感想が多数寄せられたそうだ。
クジャクとのふれあいに満足し、クジャクたちのエサ代を寄付してくれる人もたくさんいたという。

今後も春の新入生歓迎イベントや秋の学園祭で、動物が好きな人の心に響くようなイベントをして同好会の会員を募ったり、活動資金を集めたりしていきたいと熱く語っていた。

「手乗りクジャク」を目指して……

クジャク同好会ではクジャクを完全な「手乗りクジャク」にするため、なるべく人とふれあわせるようにしている。警戒心をあらわにしないクジャクたちは、初対面の私でも触ることができた。さすが、学園祭のアイドル。

しかし、抱きかかえる際には少しコツが必要となる。
まず、触る時は必ず前から。重心が左右どちらかに傾くのを嫌うので、持ち上げるには体の下から手を入れ、羽と脚の付け根をしっかり押さえなければならないそうだ。自分の体に引き寄せてグラつかずに持ち上げれば、ふわふわとした柔らかな抱き心地が楽しめる。

他大学や近所の人も巻き込んでのクジャク飼育。
もし、京都市左京区に滞在する機会があったら、コツを意識しながら楽しくふれあってみてはいかがだろうか。

サカタニを抱き上げる筆者

▲ヘッピリ腰でビビりながらサカタニを抱き上げる筆者

取材先
京都大学クジャク同好会~Kyoto University Peacock Club
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