オンリー1の家をみんなで育てる?「家と家族をつなぐ、3世代リフォーム」セミナーに行ってきた

  • 2021年03月22日更新

近年、核家族化や少子高齢化、空き家増加などの問題を耳にすることが多いですが、その解決策のひとつとして、「持ち家一戸建ての二世帯化リフォーム」が挙げられます。これは、高齢者福祉、児童福祉、相続問題などを一挙に解決できるソリューションのひとつ、なんだそう。

今回は、多くのリノベーションを手掛ける株式会社ブルースタジオと、小田急不動産株式会社、株式会社小田急ハウジングが東京都町田市薬師台にて開催した「家と家族をつなぐ、3世代リフォーム」セミナーに参加してきました。

郊外の団地で叶う、オンリー1の自分らしい暮らしとは?

「作る時代から、使いこなす時代へ」

ブルースタジオ専務取締役・大島芳彦さん

セミナーが始まり、まずお話を聞かせてくださったのは、ブルースタジオ専務取締役・大島芳彦さん。
日本の人口はピークを迎え、減少に転じています。この避けることのできない現実に対し、かつての常識は成り立たちません。経済活動や日々の暮らし、今後の在り方を考え直し、新しいことを考えなくてはいけない時代だという思いから、今回のセミナーを開催されたそうです。

大島さんは言いました。
「かつては人口増加に対応するために、郊外に団地が作られました。
これは、『作る時代』の考え方。

今後も同じように作り続けるのは現実的ではありません。より『使いこなして』いきましょう」

リフォームとリノベーション

リノベーションという言葉もだいぶ一般的になりました。しかし、リフォームとリノベーションの違いをハッキリ認識している人は少ないのではないでしょうか?

大島さん曰く、リフォームは「エアコンが壊れたから取り替えよう」「畳が汚れたからフローリングに変えよう」など、「姿・形をどうにかしよう」という物質的な考え方。対してリノベーションは「もう一度使い方を考え直そう」「イノベーションを起こそう」という意味を持っているそう。

一般的に「大規模なリフォーム=リノベーション」、「リフォームよりオシャレなのがリノベーション」といった使われ方をされてしまいがちですが、それは違うようです。

大島芳彦さん

大島さん
「部分部分をどう取り換えていくかということではなく、住環境そのものを見直し、根本的に暮らしをデザインし直そう、という考え方がリノベーションです」

新しい価値観「自分らしい暮らし」とは

新しい価値観「自分らしい暮らし」とは

かつて、大量供給の時代は「どれだけ大きいか」「どれだけ高機能・多機能か」など、相対的な価値が基準になっていました。
しかし、「実際に住んで『ああ、良い家だな』と思うのは、決して大きかったり高機能で多機能な家ばかりではないですよね」と、大島さん。

大島芳彦さん

「今、世代を超え多くの人に『いかに自分らしいか』という価値観が根付いてきています。
1度、今住んでいる家について整理してみませんか?そうすることによって、より『自分らしい豊かさ』が見えてきます」

家はオンリー1

ブルースタジオは、「あなた(私)でなければ」「ココでなければ」「このタイミングでなければ」を大切にしているそう。

家には今に至るまで、家族が一緒に積み上げてきたオンリー1の価値が必ずあります。例えば、隣と全く同じ形をしていても、そこでの暮らしは「あなたでなければ」営まれなかったものです。
「ココでなければ」、これまで過ごした時間、これから過ごす時間はまったく別物になるでしょう。

「人の価値」「場所の価値」「時間の価値」

あなたや私がキャストであり、ココは舞台装置、思い出はシナリオ……

大島芳彦さん

「暮らしの価値は『物語』にあるはずです。これは『愛着』とも言える。自分の生活環境に対する『愛着』をはぐくめる家とその使いこなし方を提案したいと思っています」

2世代・3世代リフォームでは、ただ形を変えるだけでなく、より家族との暮らしを総合的に楽しむために、どうするべきかを考えていくそう。
都心の暮らしは、実に多様化しています。そんななか、「ベッドタウン」として形成された郊外はかつての状況からどれだけ逸脱することができているのでしょうか。
郊外には、まだまだ余剰と可能性に満ち溢れています。

ブルースタジオの郊外団地リノベーションの例として、小田急線座間駅前の「ホシノタニ団地」が挙げられます。

ホシノタニ団地は「郊外」と「団地」両方の問題を抱えている場所でした。もともと社宅であり、4棟のうち半分が使われていない昔ながらの団地。
これを建て替えるのでなく活用することで、過去の物語をポジティブな物語へとつないでいこうというプロジェクトでした。

大島芳彦さん

「殺伐としていた団地が、住人と地域の人とが交流できる場所に変貌を遂げました。『愛着』を持ってもらえる場所へと変わってきたと思います。
これはただ単に建物が綺麗に、便利になっただけでは実現できなかったことです。座間駅前に団地があるという、個別の魅力を引き出して成し得たこと。これこそリノベーションではないでしょうか。事業者にとっても、ローコストで理想的な環境を実現できています」

みんなで育てた大きな家とは?

ゼネラルマネージャー・吉川英之さん

ここで、ブルースタジオで設計を担当されている、ゼネラルマネージャー・吉川英之さんにバトンタッチ。

吉川さんは「例えば30年前に購入した家は、家族の成長とともにたくさんの記憶を刻み、今の『みんなで育てた大きな家』になりました。これから子どもが独立して、『みんなで育てた大きな家』には夫婦2人が残ります。それからどう使いこなしていくか、考えてみてください。家はまだまだ成長していくはずです」と、語りだしました。

夫婦2人になった大きな家は手放され、小さな家に住みかえるのでしょうか?

吉川英之さん

吉川さん
「家を購入し、育てていったときは核家族だった人が多いでしょう。しかしこれからは、出産して戻ってきた子どもと3世代で住んでいきませんか?」

3世代で住むメリットとして、親世代は「老後の安心」や「育児参加で日常にハリが出る」などが挙げられます。子世代は「育児協力が得られる」ことや「介護予防になる」ことがメリットでしょう。
また、3世代リフォームは、それぞれの生活や距離感に合わせて自由に計画でき、なんと言ってもコストが大幅に削減できる点が魅力です。

さらに2015年から、3世代リフォームで補助金や減税が受けられる制度が創設されました。

住宅ローン減税制度/多世帯同居リフォーム減税制度
例えば、住宅ローンを利用して新たに家を購入したり、増改築する場合など減税を受けられる制度があります。適用するためには、床面積や築年数、耐震性能の有無の他、借入機関や収入などの要件があるので要注意です。また、バリアフリー改修工事や多世帯での同居に対応するための改修工事についても、一定の場合は減税を受けられるので、リノベーションを行う前にチェックしておきましょう。

また、耐震についても考えなければならないと吉川さんは言います。
耐震技術は大まかにみて、1981年、1995年、2000年に変化が訪れています。
例えばそのまま住み続ける場合、耐震補強だけでは多量の資金が必要です。しかし、リノベーションのタイミングであれば、耐震補強は大幅にコストダウンすることができるそうです。

吉川英之さん

「国も3世代リフォームを応援しているんですね」

2世代、3世代同居を望む声は多い!

公園

オウチーノの過去の調査でも、36.5%が3世代同居を望んでいることが明らかになっています。
詳しくは「子ども夫婦の36.5%が、3世代同居を希望!

意外と多いと思いますか?それとも少ないと思いますか?
しかし、実際に同居している世帯は5%~10%程度。望んでいながら同居に至っていない家族がたくさんいます。
その理由の多くが、広さや予算の問題です。

吉川英之さん

「それを解決できる方法のひとつが『みんなで育てた大きな家』の活用です。
3世代で住むことは、国も応援しているし、メリットもたくさんです。この機会にぜひ子どもさんと話し合ってみてください。2世代、3世代居住が可能になり、大家族で暮らす家が増えて行けば、今まで核家族が多かった郊外の団地が、賑やかな街に生まれ変わるでしょう。これから20年、30年と、家と一緒に街もより良くなっていくと思っています」

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