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日常生活を送るのがやっと…。若手社会人の約7割は「プチ貧困」!

  • 2021年03月22日更新

今の若手社会人は、バブル崩壊後に社会に出た世代。会社の上司から羽振りの良かったバブル期の話を聞いて、一度はそんな生活を送ってみたいとは思うものの、現実は日常生活を送るのがやっと。そんな人も、多いのではないでしょうか。
今回、オウチーノ総研(株式会社オウチーノ/本社:東京都港区/代表:井端純一)は、20~39歳の未婚男女(学生を除く)553名を対象に、「『生活とお金』に関するアンケート調査」を行いました。まず、「あなたの今の生活に、経済的ゆとりはありますか?」という質問をしたところ、「かなりある」と回答した人が3.3%、「まぁまぁある」が28.6%、「あまりない」が42.1%、「全くない」が26.0%でした。また、経済的ゆとりが「あまりない」、「全くない」と回答した人に、「経済的ゆとりがない、最も大きな原因は何ですか?」という質問をしたところ、58.4%が「収入が低い」と回答しました。さらに、経済的ゆとりが「ある」と回答した人と「ない」と回答した人の年収を見てみると、「ある」と回答した人は71.0%が年収300万円以上であるのに対し、「ない」と回答した人は55.0%が年収300万円未満だでした。「年収300万円」が、若手社会人が経済的ゆとりを持てるかどうかの、一つのボーダーラインとなるようです。

68.1%が、経済的ゆとりが「ない」と回答。

始めに、「あなたの今の生活に、経済的ゆとりはありますか?」という質問をしました。結果、「かなりある」と回答したのは3.3%、「まぁまぁある」が28.6%、「あまりない」が42.1%、「全くない」が26.0%でした。「あまりない」と「全くない」を合わせると68.1%と、7割近い若手社会人が今の生活に経済的ゆとりが「ない」と回答しました。
この結果を実家暮らし、一人暮らしに分けて見てみます。実家暮らしで経済的にゆとりが「ある」と回答したのは32.5%、「ない」と回答したのは67.5%、一人暮らしで「ある」と回答したのは30.7%、「ない」と回答したのは69.3%でした。一人暮らしは家賃や光熱費などで出費がかさむため、実家暮らしと比べると経済的ゆとりが「ない」と回答する人が多いのでは、と思っていましたが、実際はさほど違いがありませんでした。その原因の一つとして、実家暮らしの年収が、一人暮らしと比べて低いことが挙げられるでしょう。今回の調査では、一人暮らしのうち年収200万円未満は14.5%、年収300万円未満は34.4%だったのに対し、実家暮らしのうち年収200万円未満は32.3%、年収300万円未満は53.5%でした。年収300万円未満が実家暮らしの過半数を占め、一人暮らしと比べると20%近い開きが生じました。収入が少ない分、出費が多くなくても経済的にゆとりが「ない」と感じる人が多いのでしょう。
また、それぞれの選択肢を選んだ理由を聞いてみると、「かなりある」、「まぁまぁある」を選択した人が最も多く挙げたのは、「貯金できているから」(28歳/男性)でした。2番目に多かったのは、同率で「実家暮らしだから」(23歳/女性)と「特にお金に困っていないから」(35歳/女性)でした。一方、「あまりない」、「全くない」を選んだ理由は、「収入が低いから」(27歳/男性)が最も多く、次に「ギリギリの生活で苦しいから」(39歳/女性)が続きました。3番目に多かったのは、同率で「正社員でないから」(23歳/女性)と「貯金ができないから」(27歳/男性)でした。

経済的ゆとりがない原因は、「収入が低い」から。一人暮らしの女性は、「出費」が痛手!

次に、経済的ゆとりが「あまりない」、「全くない」と回答した人に、「経済的ゆとりがない、最も大きな原因は何ですか?」という質問をしました。最も多かったのは、「収入が低い」で58.4%、次に「必要経費が多い」が9.3%、そして「浪費が多い」が7.4%、「借金の返済」が4.5%、「働けない」が1.3%、「職がない」が1.1%でした。
これを男女別に見ると、男性は「必要経費が多い」と回答した人が4.4%だったのに対し、女性は13.9%と3倍以上の開きが生じました。さらに、一人暮らしの女性に限ると、「収入が低い」と回答したのは49.4%と半数を割り、「必要経費が多い」が18.8%、「浪費が多い」が11.6%となりました。経済的ゆとりがない原因が出費にあると回答した人が30.4%にのぼりました。一人暮らしは家賃、食費、光熱費など生活費の負担が実家暮らしより大きいうえに、女性は男性と比べて美容代や洋服代などにコストがかかります。そのため、特に一人暮らしの女性は、出費が家計を圧迫している人も多いようです。

経済的ゆとりを持てるかどうかは、「年収300万円」が一つのボーダーライン。

最後に、経済的ゆとりが「ある」と回答した人と「ない」と回答した人の年収と貯蓄を見てみます。経済的ゆとりが「ある」と回答した人は、年収300万円未満が22.7%、300万円以上500万円未満が51.1%、500万円以上が19.9%でした。一方、「ない」と回答した人は年収300万円未満が55.0%、300万円以上500万円未満が29.8%、500万円以上が6.4%でした。経済的ゆとりが「ある」と回答した人は71.0%が年収300万円以上であるのに対し、「ない」と回答した人は55.0%が年収300万円未満でした。「年収300万円」が、若手社会人が経済的ゆとりを持てるかどうかの、一つのボーダーラインとなるようです。
貯蓄に関しては、経済的ゆとりが「ある」と回答した人は、100万円未満が15.5%、100万円以上300万円未満が18.7%、300万円以上500万円未満が16.9%、500万円以上が38.1%。「ない」と回答した人は、100万円未満が53.1%、100万円以上300万円未満が19.3%、300万円以上500万円未満が5.5%、500万円以上が7.8%でした。経済的ゆとりが「ない」という人は過半数が貯蓄100万円未満で、300万円以上の人はわずか13.3%だったのに対し、「ある」という人は貯蓄300万円以上が55.0%と過半数を占めており、貯蓄額に大きな差が生じる結果となりました。

また有効回答者全員に、「経済的ゆとりのある生活を送るためには、最低限いくらの年収が必要だと思いますか?」という質問もしました。すると、300万円未満と回答した人が15.7%、300万円以上500万円未満が38.5%、500万円以上が38.2%でした。特に選択者が多かったのが、300万円以上400万円未満(19.7%)、400万円以上500万円未満(18.8%)、500万円以上600万円未満(18.4%)でした。経済的ゆとりのある生活を送るために必要な年収は人それぞれですが、一般的に、少ない人で300万円以上、多い人だと500万円以上の年収が必要だと感じている人が多いことが分かりました。

厚生労働省によると、2014年の給与が増加に転じたそうです(※1)。バブル期のような羽振りの良い生活を、とは言いませんが、若手社会人が、少しでもお金が自由に使える生活が送れるようになることを、期待したいです。

※1:「賃金4年ぶり増 14年0.8%、物価上昇で実質は2.5%減」(日本経済新聞/2015年2月4日)http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS04H05_U5A200C1MM0000/

※調査概要
有効回答 20~39歳の未婚男女(学生を除く) 553名
調査方法 インターネットによるアンケート調査
調査期間 2015年2月5日(木)~2月6日(金)

この記事を書いた人
オウチーノ総研 清水

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