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都市ガスVSプロパンガス、どっちがお得!?現役大家が教える【ガス代節約術】

  • 2023年06月27日更新

こんにちは、現役大家ライターの長嶋シゲルです。

転勤などによって住んでいた地を離れると、同じ日本なのに改めて違いを実感することがあります。テレビ番組の数が違う、同じように使用しているのに公共料金の金額が大きく変わったなどですが、毎月支払う料金が高くなる場合は何とかしたいと思いますよね。地域によって異なるものの中にガス料金があります。

ガスには2種類ある

日本で利用されているガスには、大きく分けて2種類、都市ガスとプロパンガスがあり、地域によって使用されているガスが異なります。

供給方法も都市ガスは地中に埋設された配管から、プロパンガスは業者が定期的に入れ替えるガスボンベから供給されます。

公共料金の都市ガス、プロパンガスは幅が広い

この2種類のガスは料金体系も異なり、初期の導入費用は都市ガスが高額ですが使用料金は抑えられています。

一方のプロパンガスは導入費用として負担しない分、毎月の使用料金に上乗せされています。更に料金の設定は個々のガス会社が自由に行えることから、使用量が同じなのに会社によって料金が変わることがあります。

電力自由化後に競争激化

近年電力自由化が行われた際、ガス会社やエネルギー産業から電気事業への参入も複数ありました。さまざまなプランが提供された中で電気とガス料金のセット販売により、プロパンガス料金にも市場競争の風が吹くことになったのです。

電気料金もさることながら、ガス料金は下がるものなのだと初めて認識した人も多かったのではないでしょうか。

プロパンガスが多いエリアはどこか

それではプロパンガスを使用している地域はどのエリアに多いのか見てみましょう。以下のランキングは2013年度の都市ガスの普及率を表すものですが、この数字が低い都道府県ほどプロパンガスが使用されているということになります。

都市ガス供給区域内普及率ランキング

順位 都道府県 都市ガス供給区域内普及率
普及率ワースト1位 沖縄県 35.7%
普及率ワースト2位 青森県 36.5%
普及率ワースト3位 大分県 41.4%
普及率ワースト3位 栃木県 41.5%
普及率ワースト5位 鳥取県 41.5%
普及率ワースト6位 島根県 41.8%
普及率ワースト7位 岡山県 44.2%
普及率ワースト8位 石川県 44.3%
普及率ワースト9位 岐阜県 44.4%
普及率ワースト10位 愛媛県 44.6%

参照:都道府県格付研究所

大都市圏に住んでいる人は都市が当たり前かもしれませんが、普及率ワースト10を見ていくと、すべての都道府県で都市ガスの普及率は5割未満です。先に述べた通り、これは都市ガスは配管を設備する必要があるということと無関係ではないでしょう。

プロパンガスのガス代を抑えるコツ

さて、そんな都市ガスが普及していないエリアに引っ越すことになったらどのようにしたらよいのでしょうか。

転勤先や引越先などで賃貸住宅に住む場合に悩ましいのが、借り主にはガスを選ぶ選択権がないということ。ガスの契約はオーナーである貸し主が行うものですから、たとえそのエリアで都市ガス、プロパンガス共に利用可能だったとしても、オーナーの選択が全てということになります。そしてランニングコストだけを見れば都市ガスの優位は圧倒的ですから、選択肢のない借り主ができることはガス料金の節約しかありません。

入浴の仕方をひと工夫

ガスの使用で最も比率が高いのが、入浴による使用です。日本人のお風呂好きは有名ですが、バスタブから溢れるくらいお湯を溜めて入浴するのを控える。暖かい時期はシャワーのみの回数を増やすなどの工夫で節約することができます。また湯温を低く調節することも、ガス料金の節約につながります。

節水や節電タイプの設備にシフトする

また近年増えている節水タイプの設備に取り替えるという手もあります。水栓の交換が難しい場合はシャワーヘッドのみ取り替える、キッチンの蛇口に節水ツールを取り付ける。調理に使用する熱源を極力電子レンジや電気にシフトしてみる。チリも積もれば山です、試してみる価値は大いにあります。

ガス会社の変更を打診してみる

これは最後の直接的な方法になりますが、オーナーにガス会社の変更を打診してみる手があります。ただし事前に料金をチェックし、周辺相場や平均的な料金と比較した上でどれだけ高いかを明確に数字で提示できるようにしておく必要があります。具体的な数字で示さない限り、オーナーとしても動きにくいものです。

しかしプロパンガスの使用には年数の縛りがある場合が多く、すぐに動けない可能性もあります。それでもガス料金の値下げはオーナーにとっても望ましいイシューであり、賃貸経営を続けていく上で重要な問題です。ガス会社の変更は無理でも、料金の見直しに結びつく可能性はあります。

プロパンガスのメリット

料金にばかり目がいきがちなプロパンガスですが、もちろんメリットもあります。先に述べた通り初期費用がかからないこと、使用や停止が簡単にできること。同様の理由で災害からの復旧が早いこと。日本全国で使用されているため、使用器具の買い替えが必要ないこと。更に忘れてならないのがプロパンガスの熱量です。プロパンガスの熱量は都市ガスのおよそ2倍程度、同じ量のお湯を沸かすのに、都市ガスの半分の使用量で済むのです。

まとめ

このように料金を単純に比較するだけでは断定できないメリットを把握し、上手に節約しながらプロパンガスを使用していく必要があります。資源の無駄使いを止めようという流れは世界的なものですから、あれこれ楽しみながら工夫していくのも一考です。ただし料金の不透明性については多く指摘されている通りであり、可能な範囲で自己防衛していくことも必要です。

この記事を書いた人
現役大家 長嶋シゲル

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