保育所向け賃貸とは?全国各地で進む子育て支援

  • 2015/05/05

全国的に問題になっている保育所の待機児童解消対策。子供の数に対して、保育所の数が依然不足しています。そんな中で子育て支援が進む、各自治体の取り組みを紹介します。

保育所向け賃貸とは?

核家族化や共働き家庭の増加、雇用形態の多様化など、社会経済情勢の変化に伴って保育園のニーズは増加しています。そこで国や県、市町村などの各自治体が一体となって待機児童対策に取り組んでいます。しかし、保育所の増設など児童の受け入れを図っても待機児童が存在する背景には、市町村の窓口でカウントされた待機児童以外にも、保育所による保育を希望する潜在的なニーズ(潜在的待機児童)が存在するためです。
そんな中、都市部などの立地にある優れた公共賃貸住宅団地に、保育所を合築、併設する事例が増えてきています。これが保育所向け賃貸として、全国に広がっています。平成14年3月現在、保育所を併設した公共賃貸住宅は、全国で約300カ所あまりが整備されています。国土交通省では、一定の公営住宅の建替えにおいて、保育所などの社会福祉施設を原則として併設することとしています。

各自治体の取り組み

東京都では、「若い世代が安心して子どもを生み育てられる居住の実現に向けて、子育て支援施設を併設した民間の共同住宅の供給や公共住宅等の整備」を目標として掲げており、平成13年に第一期の入居が始まった都営港南四丁目第3団地では、昭和30年代の住宅団地の建替えにあわせて、高齢者向けやファミリー向けなど多様な住宅が入った5棟237戸の都営住宅を建設するとともに、地元区との連携のもとに区立保育所が併設されました。さらに、第二期事業においては、児童館や地域開放広場の設置も予定されており、より充実した子育てを支援する環境づくりが進められています。このほか名古屋市や京都市、札幌市などでは、賃貸物件による保育所整備事業に関する補助金交付や不動産業者等と保育所整備希望者とのマッチングを行うなど、各自治体で積極的に子育て支援に取り組んでいます。このほか横浜市は、かつて待機児童数が2年連続で全国ワースト1位だった横浜市は、土地所有者と保育運営事業者のマッチングや、保育室の賃料補助制度、保育士確保のための就職説明会・就労支援講座の実施など、さまざまなサポートを行うことによって、約3年で一気に保育園の整備などを進め、待機児童数ゼロを達成しました。
また、日本郵政グループの日本郵便は、集配機能の統廃合などによって空いた大型郵便局の余剰施設や土地を活用して保育所向け賃貸事業に乗り出すことを発表。さいたま中央郵便局(さいたま市南区)の敷地にある建物を改装し、日本保育サービス(名古屋市)が運営する認可保育所向けに貸し出します。日本郵便は、政府が推進する待機児童解消と地域支援に有効と判断し、空きスペース活用の一環として保育所向け賃貸事業を推進したい考えでもあるようです。さらに東急電鉄では、東急田園都市線沿線の元社員寮を、認可保育所と賃貸住宅にコンバージョン(用途変更)した複合施設を完成させるなど、子育て支援の一環としての保育所向け賃貸物件の取り扱いは、自治体はもとより、民家企業へも広がりつつあります。

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