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お金のプロが「選ばない医療保険」とは?覆面座談会で赤裸々に激白

  • 2023年06月27日更新

こんにちは、くふうLive!編集部です。

保険の代名詞といえば「医療保険」というくらい今や多くの保険会社が販売しており、生命保険と同様に自分に合った保険を探すのに苦労しますよね。

今回は、キッズ・マネー・ステーションに所属する現役ファイナンシャルプランナーのママたち4名が集まって座談会を開催し、「おすすめする医療保険(含むがん保険)としない保険」について赤裸々に語っていただきました。

座談会メンバープロフィール

アイさん(司会進行)

資産運用が得意のファイナンシャルプランナー。40代。2児の母。多数の保険の見直しを手伝う中、結局自分自身は20代で加入した医療保険が付帯された終身保険に加入したまま。

ユリさん

ファイナンシャルプランナー歴2年。30代。FP会社勤務。子どもと夫と3人暮らし。 FP取得を機に、今まで掛けてきた貯蓄保険は全て払い済みにし、資産運用メインにチェンジ。医療保険、がん保険も自家保険で賄うスタンスに。

クミコさん

投資信託を販売する会社勤務経験あり、現在は子どもの金銭教育の活動をしているファイナンシャルプランナー。40代。夫婦ともに生活習慣病(特にがん)に不安を感じ、ともに手厚く備えている。

エリカさん

保険代理店業、ファイナンシャルプランナー、30代。1児の母でもある。保険現場で様々なケースを見てきたことから医療保険提案の難しさや奥深さを痛感。必要最低限の保障を保険料が無駄にならないように備えている。

今回は医療保険(含むがん保険)についてまたしても赤裸々に語ってみました!

医療保険もがん保険も入っていない!?お金のプロFPたちの医療保険加入状況とは

アイさん
今日は医療保険やがん保険についてざっくばらんに語りましょう。
医療保険とは病気またはケガで入院や手術の際に保険会社から給付金が支払われるといったものですが、まずは皆さんはどんな備え方をされているかを教えてください。

ユリさん
FP取得前は保険相談で勧められるがままに入っていました。でも、FP取得後はもし病気やケガになっても、基本、健康保険の高額療養費(※1)があることと入院が短期化しているので医療保険がなくても貯蓄で賄えるのではないかと思うようになりました。

結果、今は夫婦ともに医療保険に入っていません。夫は自宅勤務で危険にさらされる機会もかなり少ないですし。

また私の母は以前にがんになったのですが、がん保険に入ってなかったんです。でも、高額療養費のおかげで治療費用が家計を大きく圧迫することはなかったので、がん保険も大丈夫かなと思い入っていません。

アイさん
健康保険があれば医療保険に保険料を払う分を貯蓄に回して、自家保険(※2)で事足ると踏んだわけですね。

それ専用に別枠で貯金はしてるんですか?

ユリさん
いいえ、特に分けてなくて日常的に貯めている貯金から捻出する考えです。

クミコさん
なるほど。私は身内にがんが多い理由から結婚を機に生活習慣病とがん保険が付いている医療保険に入りました。

もしもの時に治療に専念できるよう、(個室にもお世話になれるよう)手厚く備えています!

アイさん
医療保険に関しては、ユリさんと概ね同じ考え方なんですが、ただ、がんについては、なる確率ともらえる確率を考えて、主人は、がん保険に入っています。ただ自分はというと……食品など健康維持するお金に毎月多めに支出して入っていません。

エリカさん
ユリさんの考え方はある意味、的を射てると思います。

現在の医療保険は、保険の中で最も保障効果(※3)が悪い、つまり「支払い保険料累計>給付金」という奇妙なこと起こってしまっているんですよ。

ただ、貯蓄の少ない方やシングルマザーの方は毎月の掛け金負担のない方が継続しやすく、そういう方こそ医療保険が必要。困ったときにまとまったお金が出るとありがたいと思うんですよね。

私はがん保険は入ってます!

職業柄がんになった方の様々なケースを見聞きもするので、自分はならないという自信が持てないんです。ちなみに小児がんの話を聞いて家族が大変なんだと知り、他人事ではないかもとこどもが6歳の時に終身がん保険をかけてるくらいです(笑)

アイさん
確かにがんに患った方と接する機会が多いと不安になりますよね。それにがんは二人に一人はなると言われてますからね。

エリカさん
がんは見つかる部位や進行具合によって治療費の負担もピンからキリまでありますし、就労に影響が出る方が少なくないんです。

つまり治療が身体に負担を来たす場合、仕事をセーブせざるを得ず収入ダウンが避けられない。治療費は健康保険(高額療養費)から出ても、生活費までは賄ってくれませんから。

がん保険は医療保険に比べ、かなりまとまった給付金が支払われるので収入の補填などの経済的負担を軽減してくれます。病院を離れたとしてもウィッグやサプリメントでお金がかかるという話も多々耳にします。

もし加入するなら……おすすめの医療保険の特徴とは

アイさん
検討する年齢や支払い期間で保険料が大きく異なると思うのですが、保険料面でのおすすめはやはり毎月負担にならない掛け金ですよね。

その点でいえば、生まれてすぐに親が加入してあげるのは有効かもしれません。若ければ若いほど短期払いにしても保険料が安いし、乳幼児の入院ってたまにありますからね。

エリカさん
そうなんですよ。わが子も3歳になってすぐの頃、肺炎で10日間入院しました。その時は某こども共済に入っていたんです。

乳児医療のおかげで負担は大きくなかったものの雑費で色々かかったので、給付金が出てありがたかったです。本来はケガ通院がありうるかなと思っていたので、まさか病気入院で使うとは思ってなかったですよ。

ユリさん
保険料が安いのは確かに魅力的ですけど、掛け捨てにならない医療保険を求める方もいるんじゃないかな。

クミコさん
さっきユリさんが言ってたみたいに安い保険料でも長期間払い続けてたら、それなりの金額になって、それを貯金してたらもしもの入院に対応できちゃうんじゃないかって。保険使わず元気でいれたらそんな風に思っちゃいますよね(笑)。

エリカさん
そう考えると掛け捨てって損だなって思いますよね。実は、掛け捨てにならず効率かつ効果的に備える方法はあるんですよ。ただ最大のデメリットは保険料が高い。

いくら効率的な掛け方をお伝えしても毎月の保険料が家計の負担になって、途中で解約してしまうと本末転倒ですからね。ですから富裕層向けの備え方と言えます。

アイさん
それぞれのお財布事情でおすすめも変わってくるという事ですね。
プラン面ではどうでしょうか?

クミコさん
私は日額1万円、手術給付金最高40万まで出て特約でがん一時金が10年更新型でついてます。

エリカさん
手厚い分、保険料が高そうですね……。

保険料ベースで提案が多いプランは主婦やサラリーマンなら日額5000円プラン(手術、先進医療特約付き)、自営業の方は日額10000円プランです。自営業の方はサラリーマンの様に傷病手当がないので、給付金が収入の補填の役割をしてくれるので手厚くしておく方がベターです。

がん保険は一時金が最低でも50万円~150万円、保障は一生涯のもので保険料支払い免除特約付き(※4)がおすすめです。

がんは保障効果が大きく、収入減の影響を受けやすいので、がんのみしか出ないとは言え保険で備えておく選択肢は有効かと思いますよ。

ぶっちゃけ、おすすめできない医療保険とは?

アイさん
これはおすすめできないなという医療保険はどうでしょうか?

ユリさん    貯蓄型保険を選ぶときは、お金が貯まるのでどれだけお金を払って解約するときにどれだけ戻ってくるかを必ずチェックしますよね。  

だけど医療保険は掛け捨てで、解約返戻金がないものがほとんどなので支払い保険料総額がどれくらいになるかにフォーカスしない、ひょっとしたら加入者に気づかせたくなくて、提案時に見せたがらないのでは!?  

エリカさん
ギクッ!!鋭い視点ですね!

医療保険を検討する場合は、払い続けた際の保険料累計を必ず提案書で出してもらいチェックすること、その結果、医療保険だけで支払い総額が100万以上になる場合は費用対効果が悪いので注意が必要です。

もはや4~5回入院しても元は取り戻せません。私は当然お客様にお見せしてますよ!

クミコさん
医療保険に関しては「安かろう良かろう」とは限らないってことですね。
もちろん「高かろう良かろう」とも限らないでしょうけど(笑)。

医療保険は意外と奥深く、商品選びやプラン検討が難しいんでしょうね。

アイさん
そうですね。医療保険に限らずインターネットランキングの情報に惑わされず、自分の価値観や支払い能力を考慮して2~3社を比較して検討した方が良さそうですね。

※1 高額療養費
同一月にかかった医療費の自己負担額が高額になった差際に、負担を軽くするため一定額(自己負担限度額)を超えた額があとで払い戻される制度のこと。所定の書類を出せば事前申請も可能。

※2 自家保険
保険に加入せず、自分で資金準備をすること。

※3 保障効果
少ない掛け金で大きな保障を得ること。

※4 保険料支払い免除特約
保険会社が定める所定の状態になった場合、その後の保険料の支払いがなくなり保障は一生涯続く特約。

この記事を書いた人
キッズ・マネー・ステーション

キッズ・マネー・ステーションとは、「見えないお金」が増えている現代社会の子どもたちに、物やお金の大切さを知り「自立する力」を持ってほしいという想いで設立。全国に約160名在籍する認定講師が自治体や学校などを中心に、お金教育・キャリア教育の授業や講演を行います。2018年までに1000件以上の講座実績を持っています。

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