2023/11/15よりくふうLIVE!はヨムーノに名称変更しました。

「塩分摂りすぎ」が怖〜い病気を引き起こす!ミスター血圧が教える「お酢活用で簡単!予防法」

  • 2023年06月27日更新

こんにちは、くふうLive!編集部です。

「塩分の摂りすぎ」って、なんとなく良くないことはわかっていても、そもそも1日の適正な摂取量を知っている方は少ないかもしれません。毎日の食事を通して、摂りすぎに気づくことも難しいですよね。

塩分の過剰摂取は、日々の積み重ねによって、大きな病気の引き金になることも......。塩分の摂りすぎが慢性化する前に、病気を防ぐ方法を知っておきたいものです。

今回は、医学博士の渡辺尚彦先生に、塩分の摂りすぎによって起こりやすい病気と、毎日の食生活で防ぐ方法について伺いました。

【監修者紹介】 渡辺尚彦[ワタナベヨシヒコ]

医学博士。東京女子医科大学東医療センター元教授、愛知医科大学客員教授、早稲田大学客員教授、日本歯科大学臨床教授、聖光ヶ丘病院内科医師。高血圧を中心とした循環器疾患が専門で、「ミスター血圧」として多数のメディアに登場。1987年から自身の腕に血圧計を装着開始して以来、24時間365日、血圧を測定し続ける。
渡辺尚彦

塩分を摂りすぎると、まず何が起こるの?

塩分を多量に摂取して血液中の塩分が増えると、体内の浸透圧を一定に保つため、血液に多量の水分が取り込まれます。その結果、血液量が増えて血管の壁を圧迫するために、血圧が上昇してしまいます。

「血圧のスペシャリスト」が解説!塩分摂りすぎ8つの対策

“塩分摂りすぎ”がずっと続くと、どうなる......?

塩分の摂りすぎが一時的なものなら、時間がたてば血圧も自然にもとに戻ります。でも、塩分の過剰摂取が習慣になると、高血圧の状態が長く続くことになり、血管壁の内側がずっとダメージを受け続けてしまいます。

その結果、血管壁がもろく壊れやすくなったり、攻撃され続けて柔軟さが失われ、硬くなったりします。この状態が「動脈硬化」。動脈硬化は、死に至る重大な病気の引き金にもなるのです。

今回は、こうした、「塩分の摂りすぎ」が慢性化して起こる可能性のある病気の、主なものをご紹介します。

塩分の摂りすぎによって起こりやすい病気と傾向

  • 血圧上昇・高血圧

塩分の摂りすぎで筆頭にあがる症状が、まずは高血圧。厚生労働省が3年ごとに発表する「患者調査の概況」の最新版(2017年)によると、「高血圧性疾患」の患者数は全国で993万7,000人にものぼっています。

  • 動脈硬化

塩分の摂り過ぎによる高血圧が続くと、動脈硬化が起こりやすくなります。動脈硬化とは、動脈の壁が厚くなったり、硬くなったりして血管のはたらきが悪くなっている状態を指します。これ自体は病気ではありません。

でも、そこに血圧の高い状態が続くと、血管の内側が傷つけられ、コレステロールが沈着したり、血の塊(血栓)ができることがあります。それが原因で血管がつまり、急性心筋梗塞などの発作を引き起こすこともあります。

※参考:国立循環器病研究センターHPより

  • 脳卒中

高血圧による血管トラブルが脳で起こると、脳卒中になる恐れも。脳卒中には、2つあります。一つは、脳の血管がつまり、ブドウ糖や酸素が行き渡らなくなり、脳の細胞が死んでしまう「脳梗塞」。そして、脳の血管が破れてしまう「頭蓋内出血」です。

どちらも非常に危険な病気で、重い障害が残ったり、死に至ったりすることも少なくありません。

※参考:国立循環器病研究センターHPより

  • 心不全

高血圧が原因で心臓への血行に負荷が加わり続けると、心臓の筋肉が次第に繊維に置き換わって厚みが増し、固くなります。すると、心臓から十分な血液を送り出せなくなるため、体に必要な酸素や栄養が不足します。その結果、息切れやむくみが症状として現れ、生命を縮めてしまうこともある病気です。

※参考:国立循環器病センターHPより

  • 腎臓病

腎臓は、体内の塩分や老廃物をろ過して尿を作り、塩分を排出している重要な器官。塩分を多く摂り続けると、常に多量の水分を欲するようになるため、腎臓に大きな負荷がかかり続けます。

その結果、腎臓のはたらきが低下する慢性腎臓病になり、塩分を排出する機能が衰えて体内に塩分がたまりやすくなるという悪循環に。悪化すると、一生にわたって人工透析が必要な腎不全になることもあります。

  • 骨粗しょう症

尿から排出される塩分(ナトリウム)の一部は、カルシウムに置き換わります。そのため、尿の量が増えると尿中のカルシウム量も増えることになり、骨の原料となるカルシウムが不足して、骨粗しょう症になりやすくなります。

  • 尿路結石

頻尿によって増えすぎた尿中のカルシウムが固まり、結石ができやすくなります。

  • 胃がん

国立がん研究センターが10年間、4地域にわたって約3万9,000人を対象に行った生活習慣の追跡調査「ニッポンデータ80」によると、食塩摂取量が多い地域は、胃がんの罹患者も多いという現象が明らかになりました。

その理由はまだ解明されていませんが、胃潰瘍や胃がんの原因になるピロリ菌という細菌が、塩分が多い環境で繁殖しやすいのではと推測されています。

胃がんの罹患背景には、ピロリ菌ももちろんですが、塩分の摂りすぎという後天的な生活習慣が大きく関係しているのです。渡辺先生によると、減塩をしたら胃が丈夫になった患者も多いと言います。塩分の摂取量は、胃の状態に密接に関連しているのです。

塩分の摂りすぎによる病気を防ぐために

塩分の摂りすぎが、重大な病気の温床であることがお分かりいただけたでしょう。しかし裏返すと、塩分摂取量をコントロールすることができれば、こうした病気のリスクを確実に減らすことができる、ということでもあります。

まずは塩分を減らすことが基本。同時に、塩分を排出するはたらきのある栄養素、たとえば「カリウム」を積極的に摂ることも大切です。カリウムは、血圧を抑える効果があるミネラルです。レタス、芋類などは食べやすく、暮らしに取り入れやすいでしょう。

また、「お酢を1日約15ml、毎日継続して摂ることで、高めの血圧を下げることができる」ということが実験で実証されています。これはお酢を飲むと、アデノシンという血管を広げる物質の分泌が促されるため。

ミツカンの調査では、3週間のあいだ、15mlのお酢を毎日飲み続けたところ、塩分を4g減らした時に匹敵する減塩効果があることが分かりました(※)。塩分を多く摂りがちな方は、毎日1杯のビネガードリンクを飲む習慣から取り入れてみてはいかがですか?

※:参考:ミツカン公式HPより

「ミスター血圧」が教える減塩メソッドとは?

“ミスター血圧”の「減塩チャレンジ」成功のポイント!

最後に、血圧のプロフェッショナルである渡辺尚彦先生が推奨する、減塩を成功させるための方法をご紹介します。

「(醤油の)かけごと禁止」で、味覚を変えよう!

渡辺先生がおすすめする減塩成功法のひとつに、「かけごと禁止」があります。「醤油のかけ方」を変えるだけでも、大きな減塩効果が得られます。

醤油は塩分のかたまりであり、大さじ1杯で2~3gの塩分を含みます(※醤油の種類にもよります)。
塩分の強い醤油だと、大さじ2杯で、高血圧学会が推奨する1日6gの塩分量に達してしまうのです。渡辺先生によれば、醤油で味付けされた汁を飲まないことはもちろん、「料理に直接、醤油をかけない」習慣をつけることが重要なのだそう。

醤油は必ず小皿に少量を取り、食材に「つけて」食べるクセをつけましょう。塩分量が減らせるだけでなく、ワンアクションが加わるため、ドカ食いも防ぐことができます。
さらに、より食材の味が分かるようになり、おいしく感じられます。つまり一石三鳥の効果があるのです。

まとめ

いかがでしたか?
塩分の摂りすぎによって、必ずしも全員の血圧が上昇するわけではありません。病気の原因には、その人の食品感受性(体質)や遺伝に加えて、塩分を摂りすぎた生活習慣が大きな割合(約9割)を占めています。

特に、私たちの「家庭の味」は、食文化の広がりによって多様化し、多くの調味料が使われています。大切な家族が、塩分の摂りすぎによる病気を防ぐことができるよう、料理にもいっそう気をつかいたいですね。

「ミスター血圧」が教える必勝メソッドとは?

「血圧のスペシャリスト」が解説!塩分摂りすぎ8つの対策

【参考文献】
『血圧を下げる最強の方法(アスコム)30年間×24時間 自分の血圧を測り続けている専門医だからわかった正しい降圧法』(渡辺尚彦著)
『高血圧をもっと下げる新常識(笠倉出版社)』(渡辺尚彦著)
『誰でもスグできる! 血圧をぐんぐん下げる 200%の基本ワザ(日東書院本社)』(渡辺尚彦著)

関連記事

「お酢」が無敵!血糖値を急上昇させる"危険な食べ物"と"NG行動”を医師がズバリ指摘

この先生が監修した記事をもっと読む

この記事を書いた人
くらしをもっと楽しく!かしこく!
ヨムーノ 編集部

「くらしをもっと楽しく!かしこく!」をコンセプトに、マニア発「今使えるトレンド情報」をお届け中!話題のショップからグルメ・家事・マネー・ファッション・エンタメまで、くらし全方位を網羅。 また「LINE公式アカウント」をお友達登録すると新着・季節トレンド情報をいち早くチェックすることができますよ♪

こちらもどうぞ

特集記事

連載記事

こちらもどうぞ