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ついに消費税10%!増税でも「今知っておくと得する」軽減税率・ポイント還元をわかりやすく解説

  • 2023年06月27日更新

こんにちは、くふうLive!編集部です。

2019年10月1日から消費増税が実施され、消費税率がこれまでの8%から10%に引き上げられます。
前回2014年4月の増税時には、税率引き上げ前の駆け込み需要の反動で個人消費が落ち込み、結果として景気不振を招くこととなりました。

そうした状況を回避するため、今回の増税では、2兆円規模の経済支援策を政府が用意しています。

ここでは、増税そのものの概要を紹介するとともに、軽減税率や5%キャッシュレス還元策といった支援策の具体的な内容など、「今押さえておきたいポイント」を経済ジャーナリストの酒井富士子さんに解説いただきます。

監修・執筆者紹介

【経済ジャーナリスト】酒井富士子[サカイフジコ]

金融メディア専門の編集プロダクション・株式会社回遊舎 代表取締役。日経ホーム出版社(現日経BP社)にて「日経ウーマン」「日経マネー」副編集長を歴任。 リクルートの「赤すぐ」副編集長を経て、2003年から現職。「お金のことを誰よりもわかりやすく発信」をモットーに、暮らしに役立つ最新情報を解説する。
酒井富士子

増税はいつから?

2019年10月1日から、消費税率が8%から10%に引き上げられます。
2014年4月1日に5%から8%に引き上げられて以来5年半ぶりの増税となりますが、今回の増税で一連の「5%→8%→10%」という消費増税施策は終了となります。

実際に消費税10%はいつから適用されるの?

実際に消費税10%が適用されるのは、いつからなのでしょうか?

店頭

店頭の場合、9月30日23時59分までに会計をすれば消費税8%が、10月1日0時00分以降の会計では消費税10%が適用されます。

ネット

ネットショッピングの場合には出荷日が基準となります。そのため、注文日が増税前の9月30日以前であったとしても、商品の発送が10月1日以降となった場合には、消費税10%が適用されるのが一般的です。もしも現在購入予定の商品があるならば、今のうちに注文しておくことをおすすめします。

今知っておきたい!3大「経済支援策」

今回の増税では、消費不振を招いた過去の反省を活かし、政府がいくつもの経済支援策を用意しています。

食品等が消費税8%に据え置き。「軽減税率」を導入

今回の施策で私たちの生活ともっとも関わりの大きいのが「軽減税率」の導入です。

軽減税率は、増税による低所得者の金銭的負担を軽減することを目的に、特定商品の税率を8%に据え置く施策で、対象は飲食料品と新聞になります。
具体的には

  • 酒類と外食などを除く飲食料品
  • 定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞

の2つとなります。 飲食料品は、普段スーパーで購入する野菜や肉などの生鮮食料品、米、お菓子など、食品表示法に規定する食品(酒類除く)すべてが対象となります。

ただし「外食」の場合は軽減税率が適用されません。「外食」の定義については少々わかりにくいため、下表で確認していきましょう。

8% 10%
牛丼屋・ハンバーガー屋 テイクアウト 店内飲食
コンビニ 弁当・総菜の持ち帰り販売 イートインコーナーでの店内飲食
屋台・フードコート 屋台での飲食料品の持ち帰り販売 フードコートでの飲食
給食・ケータリングなど 有料老人ホームなどでの飲食料品の提供、学校給食など ケータリング、出張料理など
そば屋・ピザ屋 出前・宅配 店内飲食

※「テイクアウト」(8%)か「店内飲食」(10%)かは、販売事業者が、販売時点で、顧客に意思確認を行うことにより、判断することになる。
(出所)「政府広報オンライン」の資料を基に監修者作成

この表を見ればわかる通り、テイクアウトや持ち帰り販売の場合には「外食」とみなされず軽減税率が適用されます。逆に店内飲食やイートイン、フードコートなどでの食事は「外食」とみなされ消費税10%が適用されます。

また「外食」について以外も、本みりんは酒類に分類されるため10%になる一方、みりん風調味料は酒類には分類されず8%となるなど、消費者側からすると判断に迷うケースもなかにはありますので、軽減税率の対象かはっきりしない商品を購入する際は、店員に直接確認するようにしましょう。

対象店でキャッシュレス購入する5%還元・「ポイント還元策」

国民全員がメリットを受けられる経済支援策として注目なのが「ポイント還元策」です。

ポイント還元策とは、対象の中小小売店でキャッシュレス決済した際に購入額の5%分がポイントとして還元されるというものです。

実施期間は2019年10月から2020年6月までの9か月間。クレジットカード、デビットカード、電子マネー、QRコード、モバイルなどの電子的決済手段はすべて対象となります。

このポイント還元策を活用すれば、「消費税8%のうちに!」と駆け込み購入する必要がなくなります。それどころか5%分が戻ってくるため、消費増税後に購入したほうがかえってお得になるのです。

対象店舗は中小小売店となっていますが、それ以外のコンビニエンスストアや外食などの大手系列のフランチャイズチェーン店もポイント還元の対象となります。

ただし、大手系列のフランチャイズチェーン店の場合、ポイント還元率は2%となる点は注意が必要です。

ポイント還元策はキャッシュレス決済の利用者であれば誰もが恩恵を受けることのできる施策です。これまでキャッシュレスを利用して来なかった方は、この機会にキャッシュレス生活をはじめてみても良いかもしれません。

還元額が大きい。「住宅ローン減税・すまい給付金」

高額な買い物では増税による影響が大きくなりますが、なかでも住宅購入はもっとも高額な買い物でしょう。

そこで政府は住宅購入に関する支援策をいくつか用意しました。
代表的なものとしては以下の2つです。

  • 住宅ローン減税の減税期間延長
    住宅ローンには控除期間があり、住宅購入後10年間は年末の借入残高の1%が所得税から控除されます。今回の支援策で控除期間が3年延長され、住宅購入後13年間にわたって所得控除を受けられるようになりました。

  • すまい給付金の拡充
    住宅ローンの控除は収入の高く、高額のローンを組んだ人ほど有利なため、収入が低い場合には大した効力を得られません。
    そこで前回の増税時に低収入層の負担軽減として導入されたのが「すまい給付金」です。 今回の増税では「すまい給付金」の金額が拡充され、給付対象者の年収目安の上限が510万円から775万円に、給付額の上限が30万円から50万円に引き上げられました。

※土地は非課税

ちなみに、高額な買い物の住宅購入ですが、消費税が課税されるのは建物のみ。実は土地は非課税となのです。そのため、土地については消費増税の影響はありません。

また中古住宅を購入する場合、事業者が売主の「買取再販」は課税対象となりますが、売主が事業者ではない個人間の売買は非課税です。

まだある!それ以外にも支援策がいっぱい

ここまで代表的な支援策について紹介してきましたが、この他にも政府は様々な支援策を実施しており、下記はその一例です。

  • プレミアム付商品券の発行・販売(対象:低所得者、子育て世代)
  • 自動車税の税率引き下げ(対象:税率引き上げ後の自動車購入者)
  • マイナンバーカードを活用したプレミアムポイント付与(対象:マイナンバーカード保有者)

まとめ

消費増税にあわせて実施される主な経済支援策について解説しました。
こうした支援策を上手に活用することで、増税による家計への悪影響を抑えることができるばかりか、逆に得することもありえます。

自分が対象になる支援制度をしっかり申告することで、お得に消費増税を乗り切りましょう。

※2019年10月1日現在の情報です。

この記事を書いた人
経済ジャーナリスト
酒井富士子

経済ジャーナリスト/
金融メディア専門の編集プロダクション・株式会社回遊舎 代表取締役。
日経ホーム出版社(現日経BP社)にて「日経ウーマン」「日経マネー」副編集長を歴任。
リクルートの「赤すぐ」副編集長を経て、2003年から現職。
「お金のことを誰よりもわかりやすく発信」をモットーに、暮らしに役立つ最新情報を解説する。

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