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『熟年期障害』になりやすい人、症状が重くなりやすい人の8つの特長

  • 2023年06月27日更新

こんにちは、くふうLive!編集部です。

まだ早い、と思っていませんか?「老人性うつ」「認知症」「骨粗鬆症」「脳梗塞」。これらを引き起こす「新国民病」と言われているのが、「熟年期障害」です。気づきにくく、重症化しやすいからこそ、早期発見がカギになります。

ここでは、健康寿命に深くかかわる「テストステロン」の研究者として、「熟年期障害」の治療、高齢者の健康を守る取り組みを数多く実践している平澤精一さん著者『熟年期障害』(出版社:アスコム)の中から一部を抜粋・編集してご紹介します。

神経質で生真面目な人ほど、熟年期障害になりやすい

熟年期障害には、症状が軽い人と重い人がいる

ところで、熟年期障害には、なる人とならない人、症状が軽い人と重い人がいます。

私はこれまで、熟年期障害の患者さんをたくさん見てきましたが、熟年期障害になりやすい人、症状が重くなりやすい人には、以下のような特徴があります。

  • 職場や家庭の人間関係に問題がある

  • 通勤時間が長い

  • 仕事が忙しい

  • 神経質で生真面目

  • くよくよ考え込む

  • せっかちで几帳面

  • 生きがいや趣味がない

  • 体を動かすことが嫌い

では、なぜ、こうした人は熟年期障害になりやすいのでしょうか?

「加齢」はテストステロン不足や亜鉛不足の最大の原因ですが、ほかにも、体内のテストステロンや亜鉛の量に影響を及ぼすものはたくさんあります。

そもそもテストステロンの分泌量に個人差がありますし、食生活などによっても分泌量は左右されます。 亜鉛の摂取量も、やはり食生活によって大きく変わります。

しかし、「加齢」と並び、特にテストステロンの分泌や亜鉛の摂取・吸収を大きく妨げるものがあります。

それは「ストレス」です。

過度のストレスは、二重三重に、体内のテストステロンや亜鉛の量を低下させる

テストステロンは、男性では95%が睾丸(精巣)、5%が副腎から分泌され、女性では卵巣や副腎から分泌されます。

また最近の研究で、筋肉や脂肪でも生成されることがわかっています。テストステロンの分泌をコントロールしているのは、脳の「下垂体」と呼ばれる部位(脳下垂体)です。

まず、脳下垂体の視床下部が性腺刺激ホルモン放出ホルモンを分泌し、それを受け取った下垂体前葉が性腺刺激ホルモン(黄体形成ホルモン)を分泌して、精巣や卵巣などにテストステロンをつくるよう命令するのです。

ところが、脳が過度のストレスを受けると、性腺刺激ホルモン放出ホルモンの分泌が減り、黄体形成ホルモンの分泌も減ります。
テストステロンは黄体ホルモンからつくられるため、黄体形成ホルモンが減ることによって、テストステロンの生成も妨げられてしまうのです。

また、ストレスは、脳下垂体からの副腎皮質刺激ホルモンの分泌を促します。
それを受けて副腎は、抗ストレスホルモンと呼ばれる「コルチゾール」を生成し、ストレスに対抗するのですが、テストステロンもコルチゾールも、原料は同じコレステロールであるため、コルチゾールが生成されれば、その分テストステロンの生成量が減ってしまいます。

しかも、ストレスが続くと、副腎は休みなくコルチゾールを生成しなければならなくなります。

その結果、副腎は疲れ果ててしまい、コルチゾールやテストステロンなどをつくることができなくなります。

さらに、ストレスは亜鉛の吸収をも妨げます。亜鉛は十二指腸から吸収されますが、ストレスは十二指腸にダメージを与えてしまうからです。

このように、過度のストレスは、二重三重に、体内のテストステロンや亜鉛の量を低下させます。

冒頭に挙げたような特徴を持つ人は、ストレスをためやすい、もしくはストレスを発散しにくい傾向があります。
そのため、熟年期障害の症状が重くなってしまいがちなのです。

熟年期障害がもたらす、ストレスの悪循環

60歳までの人にとっては、仕事や育児、自分や子どもの進学、家族以外の人間関係、お金に関することなどが悩みやストレスの原因となりますが、熟年期を迎えた人にとっては、自分や家族の病気、家族との人間関係、「生きがい」を見失ったことなどが大きなストレスとなる傾向があります。

しかも、人は年を取ると、ストレスに対する抵抗力が弱くなるといわれています。
若いころに比べて、体がいうことをきかなくなり、できることが少なくなった。 家族が病気になり、看護や介護に疲れきってしまった。
定年を迎えて、家族と過ごす時間が一気に増え、衝突することが増えた。
仕事や育児が一段落し、次に何をしたらいいかわからず、焦燥感に襲われている。

こうした悩みを抱えている人は少なくないでしょう。

生きている限り、悩みやストレスは必ずついてまわります。
私たちがストレスから完全に逃れるのは難しく、「くよくよ考え込みやすい」「神経質で生真面目」といった生まれ持った性格を変えるのも難しいかもしれませんが、熟年期障害を遠ざけるためにも、「自分なりの気分転換の方法を見つける」「何か一つ、打ち込めるものを見つける」など、みなさんにはぜひ、ストレスをうまくかわしていただきたいと思います。

ただ、ストレスによってテストステロンや亜鉛が不足し、熟年期障害になると、さらにイライラや不安に襲われやすくなり、意欲が低下してストレス発散もしにくくなる……という悪循環に陥るおそれがあります。

そのような場合には、まず検査によってご自分のテストステロンや亜鉛の値を確認したうえで、適切な治療を受けられることをおすすめします。

この記事を書いた人
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ヨムーノ 編集部

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