【2020年の年末調整】「面倒さ」が10倍違う!攻略ガイド【プロ監修】

  • 2020年11月25日公開

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こんにちは、ヨムーノ編集部です。

今年も終わりに近づき、そろそろ年末調整が始まる時期になりました。自宅に生命保険料の控除証明書が続々と届いているのではないでしょうか。今年も例年同様、年末調整をすれば問題ないだろう、と考えている人が大半かもしれません。

しかし、令和2年度に税制に関して大きな変更があったため、今回の年末調整書類の書き方は大きく変更になりました。これは、年末調整が必要な会社員世帯全員にあてはまります。書類をもらってとまどわないように、変更ポイントと書き方を緊急レポートします!

とくに今年の年末調整は、昨年とは用紙が変わっているので注意!未婚のシングルマザーは年末調整で税金が戻ります。今年は知っている人と知らない人で「面倒さ」が10倍違う、2020年「年末調整」攻略ガイド・前編を紹介します!

【2020年】年末調整は何のために行うの?

年末調整とは、1月から12月の1年間を通して、会社が社員に支払った給与や賞与から源泉徴収した所得税などについて、12月の最終支払日に再計算を行い、過不足を調整する作業のこと。毎月の給与や賞与の源泉徴収税額はあくまでもその時点においての暫定的な金額で、実際に納税する金額とは異なるため、この調整を行っています。

令和2年度の税制改正の影響を受け、今年の年末調整では注意しなくてはならない源泉所得税に関わる変更点があります。おもな変更ポイントを見ていきましょう。

【2020年「年末調整」攻略ガイド1】変更点①基礎控除額が一律でなくなった

まず、そもそも「控除」とは、収入から差し引ける金額のことです。差し引いて収入が少なくなることで税負担が軽くなるので、控除の額が大きいほど手取りの額が増えることになり、取られて過ぎていた税金が戻ってくることになります。

「基礎控除」はすべての納税者に対して適用されるもので、これまで収入の高低に関わらず一律38万円と決められていました。

しかし、今回の改正により、下図のように基礎控除に適用要件が設定され、基礎控除の額が最大48万円と、10万円の引き上げとなりました。ただし、下図でも明らかなように、48万円の基礎控除が適用されるのは合計所得金額が2400万円(額面年収では2595万円)以下の場合のみ。合計所得金額が2400万円を超えた場合、基礎控除額は段階的に引き下げられ2500万円(額面年収では2695万円)を超えると基礎控除対象外となります。

【2020年「年末調整」攻略ガイド2】変更点②給与所得控除は引き下げに

次に給与所得控除にも変更がありました。給与所得控除は、給与所得者の給与から一定額差し引ける控除額のことで、個人事業主の「必要経費」にあたるものです。収入金額から必要経費にあたる「給与所得控除額」を差し引いた金額が「所得(給与所得)」となります(たとえば年収500万円の人の所得は356万円です<下図参照>)。

基礎控除が10万円引き上げられる一方、給与所得控除は10万円の引き下げとなります。所得から差し引かれる金額が同じだけ増えて減る(10万円)ため、多くの人は納税額に変更はありません。ただし、給与所得控除には上限があり、これまでは年収1000万円を超えると控除額は220万円の上限に達していましたが、今回からは年収850万円超で上限の195万円に達してしまいます。つまり、年収850万円を超える会社員は実質増税となります。

ただし、「年収850万円超の場合でも介護・子育て世帯は増税にならないように配慮しましょう」ということで、本人や扶養親族が特別障害者である場合や、23歳未満の扶養親族がいる場合は年収850万円超であっても最大15万円の「所得金額調整控除」を受けることができます。対象となる人は、年末調整でこの控除を申請すれば、増税が緩和されることになります。

【2020年「年末調整」攻略ガイド3】変更点③未婚のひとり親も控除が受けられる

令和2年度の税制に関する改正により、婚姻歴や性別に関わらず、生計を同じとする子(総所得金額などが48万円以下)を持つ単身者について「ひとり親控除」(控除額35万円)が適用されることになりました。未婚のシングルマザーなどに該当すれば対象になります。

ひとり親に対する控除についてはこれまで、離婚・死別であれば寡婦(または寡夫)控除という所得控除が受けられていたのに対し、同じひとり親であっても未婚の場合は適用されず、婚姻歴の有無によって扱いが異なっていました。また、男性のひとり親と女性のひとり親で寡婦(寡夫)控除の額が違うなど、男女間でも違いがありました。

この「ひとり親控除」対象以外の離婚や死別による寡婦については、引き続き寡婦控除として控除額27万円が適用されます。ただし、今まで女性には、控除を受けられる条件として所得制限はありませんでしたが、今年から男性と同様に所得500万円以下という所得制限が設けられることになりました。

このように、ひとり親控除の創設により、所得税納税者である多くのシングルマザーやシングルファザーの所得税が減額されることになります。「ひとり親控除」は、令和2年分以後の所得税からの適用、つまり令和2年分の年末調整からの適用となります。令和2年分の申告書はすでに前回の年末調整の際に提出済みです。ひとり親控除を受けたい場合は提出済みの申告書の訂正が必要になりますので、注意しましょう(上図「改正後」の「年末調整時の申告」欄が「必要」となった人は、今回の年末調整の際にその異動内容について申告が必要になります)。

年末調整関係の申告書も大きく変わっている!

ご紹介してきた今回の税制改正にともない、今年の年末調整の申告書も大きく様変わりしています。

次回はこの改正によって年末調整の申告書はどう変わったか、複数ある申告書のうち、どの申告書の提出が必要か、書き方を含めて解説していきます。

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