啓蟄(けいちつ)の意味や食べ物・風物詩とは?【2021年の啓蟄は3月5日】

  • 2021年03月29日更新

厳しい寒さを耐え忍のび、そろそろ暖かい季節が恋しくなる頃にやってくる「啓蟄(けいちつ)」という言葉はみなさんご存知ですか?啓蟄は中国伝来の暦二十四節気の1つであり、春を感じられる物事が多く起こるとされる時期を表します。

暦上では啓蟄の2つ前の節気「立春」が春の始まりですが、虫が動きはじめるという意味をもつ啓蟄は私達が肌で感じられる春の始まりかもしれません。

この記事では、春の訪れを感じられる啓蟄の意味や食べ物、風物詩について見ていきましょう。

啓蟄とは

啓蟄とは二十四節気の1つで、春の3番目にあたる節気です。また、寒さが緩み虫たちが土の中から出てくる季節ということを表します。 啓には「開く」や「開放する」という意味、蟄には「寒い時期に虫が土の中に籠もる、隠れる」という意味をもっています。

啓蟄の言葉の意味と同様に啓蟄の時期になると雪解けが進んで、太陽が当たり土の中も暖かく虫たちも春を感じ動き出しはじめるのです。一歩ずつ春に近づいているということの現れですね。

2021年の啓蟄はいつ?

啓蟄の日付は3月5日~6日となることがほとんどです。2021年の啓蟄は3月5日、期間は3月5日~3月19日となります。期間は二十四節気に基づき、次の節気である春分(3月20日~21日)までの15日間と定められています。

二十四節気は季節の移り変わりを知る暦

啓蟄の日付は3月5日~6日とどうして定められていないのかというと、二十四節気は太陽の運行に基づいているから。太陽は毎年同じ日、同じ時間に同じ位置にあるとは限りません。そのため啓蟄に限らず、毎年二十四節気の日付は変動します。

そもそも二十四節気とは、古代中国で農業の種まきや収穫などの目安を分かりやすくするために作られたもので、1年を24等分にしてそれぞれの季節に名前を付けた暦のことです。その後、平安時代に日本に渡り、現代でも節気の時期がくるとニュースなどで紹介されています。

正直「啓蟄」と聞いてピンとこない方も居るかもしれませんが、二十四節気は普段から馴染み深いものも多く意味はわからないけど聞いたことならあるというものが多いかもしれません。たとえば、四季の始まりを示す「立春」「立夏」「立秋」「立冬」は節気の中でも重要とされているため、よくニュースなどでも紹介されています。

  • 春… 立春・雨水・啓蟄・春分・清明・穀雨
  • 夏… 立夏・小満・芒種・夏至・小暑・大暑
  • 秋… 立秋・処暑・白露・秋分・寒露・霜降
  • 冬… 立冬・小雪・大雪・冬至・小寒・大寒

ほかにもよく耳にするのが「春分」「夏至」「秋分」「冬至」です。この4つの節気は四季の中心と定めている節気で、春分と秋分は昼と夜の長さが同じ日、夏至は1年の中で最も昼の時間が長い日、冬至は1年の中で最も昼の時間が短い日のことをいいます。昼間の時間とは太陽が出ている時間のことを指すので、二十四節気の太陽の動きに基づいて定められているということが証明されていますね。

中国では「驚蟄」と呼ばれている?

実は二十四節気が作られた中国では、「啓蟄」ではなく「驚蟄」と言われているのです。元々は中国では「啓蟄」と言われていたのですが、「諱(いみな)」という習慣が大きく関わっています。

「諱(いみな)」とは貴人や死者などの名を呼ぶことを避けるという慣わしで、王や皇帝の場合はその王朝が続く限り、生きている限りはその文字を避けることです。

中国の皇帝に啓蟄の「啓」が使われていた時代があり、その当時は似ている感じとして「驚」が用いられていていました。その後、一旦は「啓蟄」に戻り、この時に日本に伝わります。しかし、慣れ親しんだ「驚蟄」の方がよいということで、中国では再び「驚蟄」に節気が戻されたのです。

中国では今でも「驚蟄」の節気で親しまれており、このことが中国と日本での節気名が異なる要因として知られています。

啓蟄の時期に食べるものは?

冬至の日には「寒さに耐え元気に頑張ろう」という願いを込めてカボチャを食べる風習が根付いていますが、啓蟄の時期に食べるものはあるのでしょうか。

季節の食材を食卓に並べたいという方は、次の食材が啓蟄の時期に旬を迎える食材です。

山菜(蕨や薇など)

啓蟄の時期になると雪解けも進み、山菜が旬を迎える頃です。「薇(ぜんまい)」や「蕨(わらび)」など春を感じるような山菜を食卓に並べてみてはいかがでしょう。

たけのこ

また、山菜と同様にたけのこも旬を迎える時期。啓蟄の頃にはすでにしっかり成長したたけのこを見かけるようになります。歯ごたえもしっかりした旬のたけのこは天ぷらやたけのこご飯などにして食べたら美味しいですよ。

サヨリ

魚介類で言えば「サヨリ」が旬の季節です。ほっそりとした姿が印象的なサヨリはほとんど食卓に登ることがありませんが、時期になるとスーパーなどでも見かけるようになります。

お刺身や天ぷらなどが美味しく食べられるので、季節の食べ物として取り入れてみてはいかがでしょう。子どもたちの食育にもなりますね。

啓蟄の風物詩は?

啓蟄は春の訪れを感じられる季節となり、冬じまいをする時期でもあります。この頃になると見られる風物詩について見ていきましょう。

菰はずし

菰はずしとは、木に付く害虫から守ることを目的として付けられた「菰」を外す作業のこと。11月頃になると松の木の地上から2メートルの高さの位置に菰を巻着付けることを「菰巻き」といいます。

菰巻きは江戸時代から伝わる伝統的な害虫駆除の方法でしたが、近年の研究結果では菰を巻くことで害虫駆除の効果はないことが判明。

菰に虫などが集まることが分かり、逆効果となっているケースも多く見られたため、菰巻きを辞めたところも多くあるようです。現在でも続けているところでは江戸時代から伝わる冬の風物詩として大切に伝わっています。

虫出しの雷

虫出しの雷(むしだしのかみなり)は、二十四節気の春を示す最初の節気「立春」を過ぎてから初めての雷のことをいいます。俳句の季語でもあり啓蟄の近くに良く鳴るため、啓蟄の風物詩として知られています。

虫出しの雷が鳴ることで、土の中で眠っている虫たちが驚き目覚め、地上に出てくることからその名が付けられました。

立春を過ぎると大気は不安定となり、雷がなることが多く雨の日が続くこともあります。しかしそれは、虫たちの目覚まし時計となり一雨降るごとに暖かさがましていき春の訪れを表している証拠。

天気が悪いと気分もブルーになりがちですが、春に鳴る雷や雨は冬眠している虫や動物たちが動き始め、温かい季節に一歩ずつ近づいているんだと季節の移り変わりを楽しむのも人生の醍醐味です。

まとめ

今までに啓蟄という言葉を聞いたことがなかった方も、季節を感じられる節気について興味が湧いてきたのではないでしょうか。

啓蟄という言葉だけを聞くと難しく考えてしまいがちですが、「虫が出てくる季節なんだな」と内容を理解するだけでとても身近なものに感じますよね。

寒い冬も終盤に差し掛かり、温かい陽気が待ち遠しくなる3月。散歩をしながら虫出しの雷で目覚めた虫や山菜を探してみてはいかがでしょう。

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