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コロナ禍の今「見直すと節約効果が高い!」プロがおすすめ【備えて安心!保険BEST3】

  • 2021年05月03日公開

こんにちは。キッズ・マネー・ステーション認定講師でファイナンシャルプランナーの渡邉詩子です。

ウィズコロナ生活がスタートして1年以上が経ちましたが、新しい生活様式や価値観を受け入れる中で、収支のバランスに変化が生じ、家計の見直しを検討されたご家庭は少なくないのではないでしょうか。

そして「見直すと節約効果が高い!」とよく言われる項目の一つが『保険』。

ですが、節約に注視しすぎて安易に保険を解約してしまうことはおすすめできません。コロナ禍という未曽有な状況下だからこそ「弱り目に祟り目」にならない様に、何を『保険』で備えておくべきかについて今一度考えてみましょう。今回は保険が最も必要な「子育て世代」にフォーカスしてお伝えして参ります。

消費者と保険販売員が優先する保険種類にはズレがある!?

生命保険文化センターの令和元年度「生活保障に関する調査」によると約8割の人が生命保険に加入しており、30代~60代がその割合を占めております。当方のお客様も結婚や出産をきっかけに何かしら保険を検討する方が多いです。

しかしながら、消費者が優先する保険種類と保険販売員のそれとはしばしばズレがある様に感じます。

消費者の視点や価値観

消費者(ここでは、子育て世代)が優先する保険種類ベスト3を見てみましょう。

1位:医療保険
2位:収入保障保険・定期保険(一定期間の死亡保障)
3位:終身保険(学資保険としての活用も含む)

*生命保険協会 2020年版「生命保険の動向」の個人保険の新規契約件数より

1位が医療保険である大きな理由は、テレビCMなどメディアの影響によりそのニーズが顕在化されているからでしょう。また人生100年時代と言われる昨今において、いずれはそう言ったリスクが訪れるだろうとイメージがしやすいことやお身内または知人が病気やケガで給付金を受け取り「保険があって助かった!」という話を聞いた方は、その必要性を強く感じる傾向にあります。

2位と3位については、2019年は逆転しておりました。2020年がこのような結果になった理由は「保険料負担を軽減させたい」という意向と「外貨建て終身保険が主流になったことによる消費者の慎重な姿勢の表れ」と考えられます。終身保険は一生涯の死亡保障と貯蓄が同時にできる保険ですが、近年は、教育資金積立という目的で加入するケースが増えております。

全体を通して見ると、消費者が保険を選ぶ際に、最も基準にする尺度はやはり「保険料の安さ」であることが伺えます。 では、保険販売員はどういった保障を重視しているのでしょうか。  

保険販売員が持つ視点や価値観

保険販売員が「子育て世代」に推奨する保険種類ベスト3は以下の通りです。

1位:収入保障保険・定期保険(一定期間の死亡保障)
2位:就業不能保険
3位:がん保険・医療保険

*『NEW良い保険・悪い保険2021年版』(徳間書店)から著者一部編集

ポイントは「もしも…が起こった時の経済的損失が大きいことにこそ保険!」という考え方です。

子育て世代にとって一番困ることは、一家の大黒柱が突然亡くなったり、要介護状態等になり働けなくなると、収入がなくなってしまう(もしくは減少する)ことです。

亡くなった場合、子どもが18歳までは遺族基礎年金が、その後も遺族厚生年金などが受け取れますが、子どもの進路などを考慮するとそれだけで賄う事は難しいでしょう。子どもの人数や年齢にもよりますが、最低でも2000万円~3000万円は保険で備えておきたいものです。

また2位は病気やケガで所定の就業不能状態になり働けなくなった場合に、毎月年金のようにお金が受け取れる保険です。特に自営業の方には備えておいてほしい保険ですが、傷病手当がある会社員でも、住宅ローンがある人は継続して支払わなければなりませんし、子どもの進路により支出の増加も考えられます。いずれの保険も保障効果が高い(小さな掛け金で大きな保障が得られる)と言え、保険を検討する上で、ここが重要な点です。

一方、消費者には最も人気のある医療保険ですが、保険販売員の優先度は意外にも低く、むしろ適齢期が来たら「がん保険」を優先すべきと考えます。

がん保険は一見、がんの時だけしか対応しないことから軽視されがちですが、もし見つかったがんが長期治療になるとどうでしょうか。放射線治療や抗がん剤治療は健康保険が適用でき、経済的負担が小さく済んだとしても、緩和ケアのためのサプリメントやウィッグを購入する際にはお金がかかりますし、抗がん剤の影響で仕事を休む、退職を余儀なくされ収入が減ると生活費が苦しくなってきます。

再発のリスクも抱えていく中で、がん保険があれば経済的負担は非常に少なく済みます。がん保険は診断給付金や治療給付金と言ったまとまったお金が支払われますので、治療に専念でき、仮に貯金を取り崩したとしても最低限に抑えることができます。

また、死亡保障や就業不能保険と同様、保障効果が高い保険です。では、医療保険はどうなのでしょうか?

医療保険は必要?

医療保険は消費者にとって最も顕在化されているので、保険販売員もニード喚起しやすいことから加入を勧めますが、売る立場にあるにも関わらず加入していない販売員は意外に多くいます。それは、現在販売されている医療保険の多くは“費用対効果が悪い”と解っているからです。

月単位の様に“点”で見ると「少ない掛け金で大きな保障」を確保できてはいるのですが、線で見ると「支払い保険料累計>給付金」になりっており、この様な形になるのは医療保険だけです。

そのため、貯えがしっかりある世帯であれば医療保険に加入せず、自家保険(貯蓄で備える)という選択肢でも問題ないでしょう。ただ、貯蓄が少ない方と自営業の方は備えておきましょう!前者は入院した時の経済的損失が大きくなる可能性が高いため、後者は仕事ができなくなると減収に直結するので、医療保険の給付金=収入の補填になります。

中には費用対効果の良い備え方ができる商品や方法もあります。医療保険を掛け捨てで備えるのはもったいないというニーズをお持ちの方向けで、保険料はほぼ無駄になりませんが、(60歳など予め設定した年齢で、支払い保険料全額が返ってくるなど)掛け金は高めになります。

まとめ

コロナ禍で「貯金」の重要性を痛感した方も多いかと思いますが、時には貯金額をはるかに超える大きな損害額を背負うリスクも潜んでおり、その一助となるのが『保険』です。

『貯金は三角、保険は四角』という言葉をご存知でしょうか。貯蓄は積み立てていくと右肩上がりの三角形に、生命保険は加入直後から一定の保険金額が確保できるので四角形になります。これは貯金と保険に甲乙を付けたり優先順位を問うものではなく、人生におけるあらゆるリスクを乗り越える上で、組み合わせてバランスをとることが大切だということを表しています。

収入や職業形態、家族構成や描くライフプランにより保険選びや資産形成はそれぞれ異なるかと思いますが、皆様の周りの大切な人を守るための「転ばぬ先の杖」は必要不可欠と言えるのではないでしょうか。

執筆者:エージェントランド 渡邉詩子(わたなべ うたこ)
ファイナンシャルプランナー 生命保険・損害保険販売業
キッズ・マネー・ステーション認定講師、家計整理アドバイザー

この記事を書いた人
キッズ・マネー・ステーション

キッズ・マネー・ステーションとは、「見えないお金」が増えている現代社会の子どもたちに、物やお金の大切さを知り「自立する力」を持ってほしいという想いで設立。全国に約160名在籍する認定講師が自治体や学校などを中心に、お金教育・キャリア教育の授業や講演を行います。2018年までに1000件以上の講座実績を持っています。

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