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「正義感の強い子ども」はトラブルになりやすい!?ルールを守れない子を注意してケンカ…にならないための親の対処法とは?

  • 2021年10月19日公開

図書館では静かにする、植え込みに入ってはならない、道路で遊ばないなどなど…世の中にはさまざまなルールやマナーがありますよね。
幼児期からルールや決まりをきちんと守ることができることは素晴らしいこと。
それらの決まり事を教えるのは大人の仕事ですが、ときに幼児期になるとそのルールを他人にも強く押し付ける場合があります。

わが子が「●●●しちゃいけないんだよ!」と、ルールを守れていない子に声をかけているのをみていると成長したなと思える反面、それが年上の子やあまり親しくない子の場合、逆に無視されたり反発されたりとトラブルになる可能性もゼロではありません。

大人になれば相手によって角が立たないように注意のしかたを変えたり、自分が注意することでトラブルになることを察知して他の手段を使うことができますが、幼児期のうちはなかなか難しいもの。
正しいことを否定はしたくないけれど、協調性も身に付けてほしい…そんな親の悩みに「ちいさなたね保育園」の安江文子園長がお答えします。

強すぎる正義感が心配すぎる

正義感が強く、さまざまなルールを守れることは親にとっても誇らしいことですね。
そんな子どもがルールから外れたことをしている子に注意をしたりするのは、子どもたちの社会のなかではよく見られる光景です。
たとえば…

  • クラスの中でふざけている子に「やめなよ」と注意する
  • 泣いている子がいたら、泣かせた子に「謝りなよ」と詰め寄る
  • 公園などでマナーを守れない子に対して、初対面であろうが年上であろうが注意する

などの場面があります。

道徳的な感情が育っていて、それを口に出して言えるのはよいことですが、「注意した相手を泣かせてしまう」「〇〇には関係ないと言われてしまう」「無視される」などうまくコミュニケーションができていないと感じる場面もよくあります。

さらには注意したことで逆に叩かれたり手を出されてしまうなどトラブルになるということもあります。

まずは子どもの主張を受け止めてあげる

まず「そういうことを言うものじゃない」など子どもの正義感を否定するような言葉はNG。
普段大人からルールを守ろうといわれているのなら、なおさら「自分は守っているのになぜ他の人はいいの」「正しいことを言っているのになぜ自分が非難されるの」と思うことでしょう。

大人から見れば世の中にはグレーなことも多々ありますが、幼児期の子どもには理解は難しいです。
まずは正しいことを言えたことを認めて受け入れてあげましょう。

そして「ルールを守れるあなたはとても素晴らしい」ということを前提に、それを周囲にも求める前に一旦立ち止まって考えてみることが必要だと教えてあげてください。

相手の気持ちになって考えてみることを教える

他人に注意をするときに気をつけなければいけないこと、それは子どもも大人も「相手はどう思ってそれをやっているか?」ということですよね。

ルールからはみ出している場合、本人に悪気があった、悪気はなかったという2つのパターンが考えられます。
前者に対して共感することは難しいですが、実際はそれぞれに事情があって、悪気がなくてもやってしまう人もいますよね。

幼児期のこどもにその背景をイメージするのは難しいのですが、年中くらいになってくると「なぜそんなことをしたのか、相手にも理由がある」ということを少しずつ想像できるようになってきます。 そんなときは

  • わざとじゃないかもしれない(迷って、立入り禁止の場所に入ってしまった)
  • 別の目的があるかもしれない(猫を助けたくて、高くて危険なところに登った)
  • 疲れていたのかもしれない(疲れていたから、お片付けしたくなかった)
  • 事情があるのかもしれない(急いでいたから、廊下を走ってしまった)

など「相手の立場に立ったらどうか?」「もしかしたらこんな理由かも」とイメージさせてあげましょう。
正しいかどうかではなく、相手はどう思ってそれをやっているか?に焦点を当てると相手を何でもかんでも注意したり、強く非難したりするという行動は減ってくるでしょう。

直接注意する以外に様々な選択肢があることを伝える。

いっぽう、正義感の強い子の黙っていられないという気持ちも理解できますよね。そこでルールを守れていない人を見つけたとき、自分で注意する以外に「大人に相談してみる」という方法があることを伝えてあげてください。 その子の親、自分の親、先生、その場にいる第三者など、大人から注意してもらうことで子ども同士のトラブルに発展する可能性はグンと下がります。

とくに川や海のそばや、交通事故に遭いそうな場所で命に関わったり大けがをしたりするような危ないことをしていたら、すぐに大人を呼んで注意してもらうことが必要です。

また、大人が注意するときには、相手の子どもに対して共感しながら話かけてみてください。
「疲れてるからおもちゃ片づけるのいやになっちゃうよね、でも遊びたい人がいるから片づけよう」や、「たまたま振り向いたら手がぶつかっちゃったんだよね、でも痛かったのは本当だからごめんねしようね」など気持ちを代弁するようにしながらルールを守れるように促しましょう。

もし子どもが自分で解決できそうな場面では、言い方がキツくならないように伝えるのがポイント。

子どもは語彙も少なく、ヒートアップしがち。たとえば高いところに登る子どもがいたとして

「いけないんだよ!」「やめなよ!」

と強い注意をくり返しがちです。 それよりは

「危ないから降りようよ」「ケガするよ」

というように「ルールを守れないからいけない」ではなく「ルールを守らないと大変な思いをすること」を考えてあげられるようになると、受け取る側も素直に受け入れやすくなります。

「大人に相談=すぐ言いつける子」に見られない?

未就学児や小学校低学年であればいわゆる「チクる」という概念がないので、「言いつけた」ということでいじめられたり、仲間外れにされる心配はほとんどありません。

小学校中学年〜あたりからはそういう傾向はありますが、いろんな経験を積んでいくなかでは、何でもかんでもすぐに言いつけるのではなく「これは先生に相談すべき」「これは自分でも解決できること」と判断ができるようになっていくでしょう。

親や周囲に頼りつつ、幼児期から相手の気持ちを考えることを何度も繰り返していくことで生まれるのが思いやりの心。正義感を持ちつつも、相手に対して思いやりの気持ちで接することができるようになればいいですね。

***

ルールを守りたいという気持ち、正義感はとても大切な気持ち。
そんな子どもたちが「自分の正しいと思う気持ちを言ってはいけない」と思わないように親も共感したうえで、トラブルにならないような対応策を教えてあげたいですね。

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