家の傾きは健康被害をもたらす

  • 2021年03月22日更新

東日本大震災では液状化現象が発生し、家全体が傾いてしまった方も少なくありません。住宅が傾いていると、建物が傷むだけでなく、その中で生活する人に健康被害が出るといわれています。ここでは傾斜住宅が引き起こす健康被害の例と、住宅の傾きを防ぐための方法をご紹介します。

傾斜住宅のもたらす健康被害とは

毎日の生活の場である住宅に傾きがあると、建具の建てつけが悪くなり、開け閉めが難しくなったりすき間風が入ってきたり、勝手に開いたりといった事態が起こることがあります。傾斜が大きくなると、床に置いた丸いものが勝手に転がっていくこともあるようです。もちろんそれらも問題ではありますが、傾斜住宅がもたらすもっとも恐ろしい影響は、健康被害です。私たちの感覚は床が並行であることを前提としているので、常に傾いた空間にいると平衡感覚が狂ってしまいます。日本建築学会住まいづくり支援建築会議 情報事業部会による「液状化被害の基礎知識」をみると、傾斜住宅のもたらす健康被害で多いのは、めまいやふらつき、浮動感、頭痛などであることがわかります。もちろんこれらの健康被害には個人差があるので、一概に「傾斜住宅に住んだら健康を害する」ということはできません。傾斜の角度によっても影響はかわってきます。傾斜角度が2度を超えるような傾きがあると、吐き気や食欲不振といった重い症状があらわれることもあります。傾斜が傾いていることに気づかないようなわずかな傾きでも影響を受ける恐れがあるので、住宅が傾いていることがわかったら、早めの対策を練りましょう。地震による液状化が原因であれば、地震保険に加入している場合、補修工事の工事費に対して保険金の支払いが受けられる可能性があります。お手もとの保険証券を確認し、加入している保険会社に問い合わせてみましょう。

家の傾きを防ぐために

家が傾く原因としては、地震による液状化や地盤の不同沈下、手抜き工事による欠陥住宅などが考えられます。一度傾いてしまった家を直すには、一般的に700万円から1000万円程度がかかるといわれているので、できれば家を建てる前に傾きを防ぐ対策をしておきましょう。注文住宅の場合、事前に地盤の強度を調査してもらい、強度が足りない場合は地盤補強工事を行うことが大切です。地盤改良工事では、家を支えられるだけの硬い地盤がある深さまで杭などを何本も打ち込んで(基礎の面積などに対応した本数)、基礎を支えることになります。この工事には数十万円から百数十万円程度の費用がかかりますが、実際に家が傾いてしまったあとで直すとそれどころではないコストがかかるので、費用を惜しまない方がいいでしょう。中古住宅を購入する際は、このような事前の対策ができません。傾きの補修は他のリフォームに比べて大きな費用がかかるので、中古住宅を選ぶ際は、何よりも先に家の傾きをチェックすることをおすすめします。物件の下見では、水平器を用意しておきましょう。床だけが簡易修復されているケースもあるので、万全を期すためには壁もチェックするとよいでしょう。賃貸住宅を借りるときにも、水平器でチェックしておくと安心です。せっかく購入した家のせいで健康被害を受けないために、できるだけ対策を練っておきましょう。

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