借金が500万円と2,000万円、破綻するのはどっち?元メガバンク支店長直伝「一生お金に困らない方法」

  • 2022年01月24日更新

こんにちは、ヨムーノ編集部です。

誰もが「一生お金に困らない生活を送りたい……」と、多くの人は願ったことがあるのではないでしょうか。また同時に「現実的に一生お金に困らない生活なんて、あり得ない」と諦めることも。

ここでは、「何が起きるかわからない今を生き抜くためのお金ドリル」として、元メガバンク支店長 菅井敏之さん著書『一生お金に困らない!新お金が貯まるのは、どっち!?』(出版社:アスコム)の中から一部を抜粋・編集してご紹介します。

お金に困らないために:借金が「2000万円」と「500万円」破綻しやすいのは、どっち?

いま、あなたの借金はいくらありますか?
住宅ローンは残りいくら?
車のローンは?
少額でもスマホのローンが残ったりしていませんか?

多かれ少なかれ、たいていの人が借金を抱えているでしょう。
でも、うまく借金して幸せな人生を送る人もいれば、借金によって人生を破綻させてしまう人もいます。私は銀行員時代、借金を返済できずに自己破産してしまった人を数多く見てきました。じつは、破綻してしまう原因は、借り入れの総額ではなく、借り入れの本数にあります。

住宅ローンで2000万円を借りていても、35年ローンならば、毎月の支払い負担は5万5000円ほどですみます。これなら、返済に困るほどではありません。

しかし、30万円、50万円、100万円のカードローンなど、複数を借りている場合は、高金利によって、月々の返済額がすぐ15万円くらいになってしまいます。

全体の借金は500万円ほどでも、借り入れ本数が多いため、毎月のキャッシュ負担が大きくなってしまう。こうして結局、払いきれずに破綻してしまうケースがとても多いのです。

こういったカードローンの借り入れは、生活資金にあてる場合が多いでしょう。たとえば、高額の教材を買ったり、車を買ったりしたときのローンです。ところが、あるカードローンの返済をするために、別のカードローンを借りたときから、最悪のループが始まってしまいます。

カードローンの問題は「借り入れ期限」

住宅ローンの期限が30年や35年なのに対して、カードローンの期限はほとんどが1~5年。金利も高いので、毎月の支払いは非常に高額となってしまいます。

銀行員時代、「これほどの収入がある人が、この程度の借金で破綻してしまったのか!」と驚くケースを、私は何度も目の当たりにしました。

住宅や車のローンに縛られながら、子どもの学費も、保険の支払いもある。すると毎月15万~20万円くらい、簡単に出ていってしまいます。給料が入っても、すぐカードローンの返済で取られていくので、毎月ギリギリの状態。

借金の本数を増やしちゃいけない!

根本的な支出をコントロールしなければいけないのに、穴埋めをする借り入れのことばかり考えて、借金を繰り返すハメになるのです。そもそも傷ができる原因を取り除かなければならないのに、それをせず、次から次へとあちこち生じる傷口に必死で絆創膏を貼りまくっている──そんな状態です。

生活水準がいったん高くなってしまうと、なかなか下げることができません。
しかし、自分や家族のことを考えて、生活水準を下げる勇気が必要です。

そうしないと、落ちるところまで落ちる結果になってしまいます。夜逃げ同然で実家に帰らなければならなくなったら、こんな惨めなことはありません。

生活費を補うために、借金の本数を増やすことだけは、絶対にしないでください。借金でしのぐのではなくて、支出を削る努力をするのです。

落ちるところまで落ちる人のタイプは?

まじめで、何事にもねばり強く挑む人がいます。多少のピンチになってもあきらめずに最後までやりとげる。
一方、すぐにあきらめてしまう「いい加減な人」もいます。どちらが仕事ができるかというと、当然、前者のまじめな人でしょう。

ただし、注意が必要です。
まじめで、ねばり強い人が、じつは案外、破綻してしまいがちなのです。

大切なのは「損切り」できるかどうか

私がやっている「アパート経営」を例にとりましょう。
ある人が中古アパートを購入して人に貸し出しました。購入当時の利回りは12%で、毎月50万円が手元に残る好物件。銀行融資もすんなり受けることができました。

ところが、物件が古くて、借り手が退室するたびに60万円ほどかけて手直しが必要でした。水回りの手直しで200万円かかったこともありました。リフォームするたびこんなコストがかかるのでは、利益を出すどころか赤字がふくらみかねません。

危ないと深刻に考えてすぐ売ればいいのですが、気づかずに3室、4室とリフォームし経費がかさんでいきました。ここで、まじめで、ねばり強い人は考えます。

「もう4室もリフォームしたんだから、投資した分を取り返さなければ。いままでの人生でも何度もピンチがあった。そのたびに切り抜けてきたじゃないか。自分なら、できる!」

こうして、タイミングを失い、「損切り」ができなくなります。

結局、全11室のリフォームに700万円近くかかってしまった。
キャッシュフローがずるずる悪化していく。預金が底をつき、毎月の収入からの補填も限界を迎え、とうとうカードローンに手を出す。何本もカードローンを借りると、資金繰りがますます難しくなって、やがて何も考えられなくなってしまいます。

まじめでねばり強い彼は頑張り屋さんなので、自分で経費を削減したり、リフォームをしたり、ようするに、ピントはずれのムダな努力してしまうのです。

プライドが高いと破綻しやすい

プライドが高くて人に相談できないことも、破綻しやすい要因でした。
その結果、状況がきわめて悪いのに、損切りして撤退する決断ができず、なお借金を重ねて火だるまになってしまう。

少々いい加減で、「これくらいの損なら、まあしょうがない」と考えられるくらいで、ちょうどいい。ねばりすぎると、知らず知らずのうちに、地獄行きの切符を手にしてしまうのです。

お金に困らないための答え

2000万円の借金であっても、住宅ローン中心の「いい借金」ならば破綻しない。
問題なのは借り入れの本数。これが多いと、300万円や500万円くらいの借金で自己破産することも。「まじめで、ねばり強い人」が損切りできず破綻しやすい。

お金に困らないために:災害多発時代、必要なのは「生命保険」と「火災保険」、どっち?

災害による被害は通常は想定していない出費

年をとればとるほど健康への不安が大きくなっていきます。
昔の仲間と会っても「こんな薬を飲んでいる」「去年手術をしたよ」と、健康の話題が多くなります。

健康保険に加入している人が手術や長期入院で高額の費用がかかったら、「高額療養費制度」が利用できます。月単位で医療費を計算し、自己負担額、所得、年齢などで決まっている上限額を超えると、その分があとから払い戻される制度です。

ただし、差額ベッド代、食事代、交通費などは高額療養費制度の適用対象外です。
病気やけがをすると、医療費以外にもなにかと出費がかさみますし、サラリーマンではない人は、仕事ができないことで収入が減るかもしれません。
収入や貯金に不安がある人は、万一の備えとして医療保険に入るメリットがあるでしょう。

子どもが社会人として自立すれば、親に万一のことがあっても、子どもに多額のお金をわたす必要がなくなります。その時点で、生命保険は見直して当然です。

そのとき万一の備えとして、多くの人がもっと意識を向けるべきは「火災保険」。「50歳を境に生命保険から火災保険」と考えて、未加入ならば加入すべきです。

日本の国土面積は、世界の陸地面積のたった0.28%にすぎません。
ところが、世界の活火山の7%以上が日本にあります。世界で起こるマグニチュード6以上の地震の2割前後が日本で起こります。

地震による日本の被害額が世界に占める割合は、もちろん年によって違いますが、だいたい20%くらいです。

地震だけではありません。「異常気象」がごくふつうのことになってきたようで、台風・豪雨・突風・河川の氾濫・土砂災害などによる被害額が甚大です。
2019年には台風15号と19号が猛威をふるいました。洪水や浸水、土砂崩れをはじめ、屋根が飛ばされた、窓ガラスが割れたという被害が相次ぎました。

ご自分のライフプランや資金計画のなかで、自宅や車が浸水する、屋根が飛ばされるといった事態を想定していた方は、何人いらっしゃるでしょうか。これらを自分で全額負担するとなると、かなりの金額になります。

学費などは、将来に備えて貯金をしますが、災害による被害は通常は想定していない出費ですから、なおのこと大変です。

予期せぬ災害に備えて、「保険料」でなく「補償内容」で選ぼう

「火災」保険という名前ではありますが、補償する範囲は出火による損害だけではありません。落雷、(ガス漏れによる)破裂や爆発、風災、水ぬれ(漏水)、水災、盗難、外部からの飛来物被害なども対象です。

ただし、火災保険に入れば全部の補償がついてくる、というわけではありません。

「水災」は多くの場合、火災保険の「オプション」になっています。19年の台風19号では、オプションをつけなかったため、多くの人が補償を受けられなかったと聞きました。

「火災」も対象となるのはふつうの火事だけで、地震による火災をカバーするには「地震保険」に入る必要があります。

また、対象が①建物だけ、②家財だけ、③建物と家財と3つに分かれており、持ち家の人とマンションを所有する人では、話が違います。
マンションの人にとっては壁も窓ガラスも自分の持ち物ではなく、その被害は管理組合がかける保険から補償することになっていたりするわけですね。

このように火災保険は意外と複雑です。
ハウスメーカー(工務店)、仲介業者(不動産会社)、金融機関などが保険の代理店になっていることが多く、家を買ったり借りたりする最初に「保険はこちらです」とパンフレットをわたされます。これを読まず、すすめられたものに加入する人が多いはず。保険料は購入費や家賃に比べてわずかですから、あまり気にも留めません。

でも、予期せぬ災害に巻き込まれた、やっかいな事故が起こった、保険の対象かどうか判断がつかないなど、契約後に相談が必要なときもあります。火災保険にくわしいプロの代理店と契約することも考えたほうがよいでしょう。

火災保険は、年3万〜5万円くらいという「保険料」ではなく、ここまでカバーするという「補償内容」で選ぶべきです。多数の事故例や適用範囲を知れば知るほど、補償を省くことが恐ろしくなるはずです。

忙しくて火災保険の継続手続きを怠り、切れたままになっていませんか?
しっかり確認してください。

「個人賠償責任保険」もおすすめです。

「洗濯機のホースが外れ、マンションの下の部屋が水浸しになった」「植木鉢が突風で飛び、隣家の窓ガラスが割れた」「自転車で歩行者と衝突し、ケガをさせてしまった」「高齢の親が自動車事故を起こした」など、家族に責任があるケースも含めて広く補償します。

火災保険の特約になっていることが多く、保険料も月100円くらいですから、ぜひ加入しましょう。別名「日常生活賠償責任保険」です。

答え

日本は災害多発地帯。50歳は、「生命保険」から「火災保険」にウエイトを移す時期。火災保険は万全か念入りにチェック。想定されるリスクとコストを洗い出し、ダメージがもっとも少なくてすむように、しっかり備えよう。

遺産は「面倒を見てくれた子」に手厚くするか、「全員均等」にするか、どっち?

高齢になってくると「遺産相続」を考える必要があります。
子どもがひとりなら問題ありませんが、何人かいると、どうやって分けるか思案のしどころです。

子どもたち兄弟姉妹が、自分の「取り分」をめぐって争う。親にとって、これほど情けないことはなく、そんな場面は絶対に見たくありません。

銀行員時代、相続人の兄弟姉妹が遺産をめぐって争う場面を何度も目にしました。ご両親のことを思い、毎回いたたまれない気持ちになったのを覚えています。

近くに住む「姉」と、遠くに離れて暮らす「弟」のケース

たとえば、父親の賃貸マンションの近くに住む「姉」(子どもなし)と、遠くに離れて暮らす「弟」(子ども3人)のケースを考えてみましょう。

母親はすでに他界しているとします。
父親は病気がちなので、近くに住む姉が週に3回、車で病院への送り迎えをしている。やがて介護が必要になり、姉はさらに長い時間、父親の世話をせざるをえなくなります。

離れて暮らす弟は、姉に父親の世話を任せっきり。正月休みだけは家族を連れて顔を出すものの、「姉さん、よろしく」といってすぐ帰ってしまう。そうこうするうち父親が亡くなります。父親が残した金融資産は3000万円ほどでした。

相続人は姉と弟の2人。
あなたが「姉」の立場なら、どう考えますか?

「ずっと父の面倒を見てきたのは私なんだから、弟よりたくさんもらうのがあたりまえ」。

そんな気持ちになって当然ですよね。
「弟」は、姉の気持ちを察しながらも、「でも、うちには子どもが3人いて、すごく金がかかるんだよ」と思っているかもしれません。

法律上は弟も「2分の1」を受け取る権利があります。
「法律的には、取り分は2分の1ずつだね。それでいこう」「なにいってんの。誰が父さんの下の世話までやったと思ってんのよ!!」

こうして、姉弟で血みどろの相続争いが勃発します。
感情的には姉に味方したくなりますが、法律的には弟の言い分どおりですから、なかなか難しい状況です。

「子ども」同士の相続争いは「親」の責任である

では、どうすれば、姉と弟は争わずにすむでしょうか?
親(このケースでは父親)は、将来子どもたちの争いが起こらないように、生きているうちから「対策」をとっておくべきです。

父親は「面倒を見てくれている娘にちゃんとお礼したい」と思う一方、「子どもが3人いる息子も助けてやりたい」という気持ちもあるでしょう。

そこで、娘が自分の面倒を見てくれた分は「そのつど」支払うようにするのです。

たとえば、病院の送り迎えをしてくれたら「ガソリン代として5000円」、または「医療費+付き添い代として1万円」。介護については「介護用品代として月に2万円」。

もちろんこれらは、実際にかかる経費より多い金額です。
すなわち、こうしたお金を「遺産の前払い」として払うのです。

ただし、法律的には「特別受益」といって、姉が相続するとき、この分を減額されてしまいます。これでは、姉は納得できないでしょう。

そこで親は、遺言書で「相続の際、特別受益を考慮してはならない」と意思表示をしておくのです。こうすれば、「姉への前払い分を除いた額」の2分の1ずつという相続が認められる可能性が高まります(くわしくは、かならず弁護士に確認してください)。

さらに重要なのは、これらをすべて「記録」し、弟にも開示すること。
たとえばある正月、父親が娘と息子に「こんな方針でいく」「娘のしてくれる何にいくら、そのつど払うつもりだ」と話し、納得させます。

娘は「父さんは自分のことを考えてくれている」と思い、息子も「姉さんが面倒見ているんだから当然だ」と思うはずです。

記録ノートは見えるところにおき、正月に来る息子も読めるようにします。
父親は、お金の支払いはじめ、血圧や体温、来客のこと、テレビを見た感想、買ってきてほしいもののメモなど、なんでもかんでもノートに書けばいい。姉は来訪のたびにチェックし、赤ペンで「○○さん来てくれてよかったね」「お風呂の電気、消し忘れご注意!」などと書き込む。たまっている領収証も貼り付けるわけですね。

こうしておいて、自分の遺産は、姉と弟で「2分の1ずつ」と決めます。
父親の金融資産3000万円が、娘の付き添い代や介護用品代で300万円減り、2700万円になったなら、「1350万円ずつ」相続させるのです。

こうすれば、子どもたちは納得し、もめごとは起こらないでしょう。
ポイントは、医療や介護記録をきちんとつけ、面倒見てくれた姉に、そのつど「遺産の前払い」としてこづかいをわたすことと、弟にもオープンにすることです。

私が受けるお金の相談で、とても数が多いのは、こうした相続問題、兄弟姉妹の問題です。相続が始まってしまった段階では、たいてい手遅れ。弁護士が入ってなんとか解決しても、以後子どもたちは行き来もしない、という結果になりがちです。

やはり、親が元気なうちから、子どもたち同士のしっかりとした信頼関係をつくっておかなければ、うまくいきません。

答え

自分の面倒を見てくれる子どもには「そのつど」支払いをする。
ほかの兄弟姉妹にもそのことを開示。いざ相続のときは残りを「均等」に分ける。記録ノートがとても重要。

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