【全ズボラさんに捧ぐ】「“片付けない”片付け」「間違いだらけの洗濯」プロ集団が教える真実
- 2022年02月28日公開

こんにちは、ヨムーノ編集部コラム担当です。
洗濯ものが乾きそうで、風が冷たい年度末。
ここでは、そのkayokoさん著書『暮らしが整う「片付けない」片付け』(アスコム出版)と横浜でクリーニング店「LIVRER YOKOHAMA(リブレ ヨコハマ)」を経営するかたわら、劇団四季、シルク・ドゥ・ソレイユ、クレイジーケンバンドなど国内外の有名アーティストの衣装クリーニングを行う洗濯プロ集団の洗濯ブラザーズ著書『日本一の洗濯屋が教える 間違いだらけの洗濯術』(出版社:アスコム)の中から一部抜粋・編集してご紹介しています。
洗濯物が乾いたら、ハンガーから外す手間が無駄に思える
kayokoさん著書『暮らしが整う「片付けない」片付け』
洗濯機は自動でも、そのあとにハンガー干しして、取り込んで、畳む。
これが面倒!洗濯物をハンガーから外して、畳んでしまってくれるロボットが普及しないかしら……。
家族4人いたら、洗濯機を回さないなんて日はありませんよね。
次から次に、干しては畳み、干しては畳み……。毎日、清潔で気持ちいい状態でいたいけれど、ハンガーで干した服を、ハンガーから外して、畳んでタンスに戻す。
この工程の多さに、以前の私はうんざりしていました。
面倒なので、リビングにハンガーに干した状態でついつい放置したままになることも。
そこで、干したハンガーのまま、クローゼットに入れてしまうことに決めました。
つまり、クローゼットの中を基本的に「吊るす」収納にするのです。
Tシャツだって、タンクトップだって、ニットだって、ルームウェアだって、ボトムスもなんでもかんでも、とにかく頻繁に着るものは吊るしておく。こうすると、干したあとに、ハンガーから外す→畳む→しまう、の手間がなくなって、ただ移動するだけなので効率的!
しかも、畳むとどうしてもシワがついてしまいますが、ハンガーのまま吊るしておけば、それもなくなります。
×正論:洗濯物は畳んで戻す
〇ズボラ:干したハンガーのまま入れる
子どもの服も、子どもが手の届く高さに突っ張り棒を設置して、ハンガー移動で済むように変えました。
おかげで、子どももお手伝いしたくなるみたいで、自分の服は自分の場所にしまってくれます。着るときも、自分の服をちゃんと準備できるようになりました。
おすすめハンガー
ハンガー干しをラクにするのが、ハンガーの種類。
クリーニング店で無料で付くるハンガーは、干すときに服がハンガーの型にうまくおさまらず、ハンガーの跡もくっきりつくし、干しにくいと感じていました。
そこでマワハンガーに統一!
ハンガーの種類ひとつでこんなにも干すのが苦痛じゃなくなるとは思いませんでした。
乾いたあとの服もズレにくく、落ちることもないので、もう手放せません。洗濯ばさみを使わなくなりました。
×正論:ハンガーにかけるとズレる、落ちる
〇ズボラ:ハンガーを変えればズレない、落ちない
しかも見た目もシンプル。
すべてのハンガーを同じメーカーの形と色に揃えておくと、クローゼットの中がスッキリときれいに見えるのもうれしいです。
ピンチハンガーから、いちいち洗濯物を外すのが面倒
こまごました衣類を干すピンチハンガー。
プチプチ、プチプチ、一つひとつ外して取り込むと思うとやりたくない……。
外に干した洗濯物は夕方に取り込むパターンが多いと思います。
この時間帯は、次から次に家事が生まれるので、ピンチハンガーを見るだけで目をそらしたくなりますよね。
正直、半信半疑で買った「引っ張ったらすぐに外れるピンチハンガー」が、いい意味で予想を裏切り、心を軽やかにしてくれました!
「引っ張って取っていい!」こんなちょっとしたことが、これほどラクに感じるなんて想像以上でした。
×正論:引っ張って取ると服が傷む
〇ズボラ:思う存分、引っ張って取る
さらに、あとがラクになるよう、干し方をちょっと工夫しています。
それは、靴下のペアを隣同士にして迷子を防止する、って、これだけのことですが。
「靴下あるある」の、片方どこ行った〜?とならないためには干すときが肝心。
これで「靴下神経衰弱」をしなくて済みます。また、洗濯物を畳んだあとも工夫しています。
幼稚園で必要なモノ=そのままキンダーバッグにひとまとめに入れておく。
給食グッズのエプロンなど=持って行く給食用の袋に入れてしまう。
その先に続く行動を考えてちょっとだけプラスでやっておくと、全体的な負担が軽くなります。
日本の洗濯機は節水モード。水の量は多めに設定しよう
洗濯ブラザーズ著書『日本一の洗濯屋が教える 間違いだらけの洗濯術』
水の量が少ないと、汚れが繊維にもどってしまう
クリーニング業に携わっている人たちの間で、よくこんな言葉が交わされます。
「家庭では、キレイなすすぎはできないからね」
すすぎに対する本気度が、プロと家庭とでは大きく違います。
何が違うのかというと水です。水の質と、水の量。
近ごろ、「オゾン水」という特別な水で洗うクリーニング屋も増えてきました。オゾン水は、それ自体に殺菌・漂白効果があり、洗浄力の高さと、繊維へのやさしさを兼ね備えている理想的な水です。
ただし、家庭でこれを真似るのは、とても難しいです。高額な設備が必要です。
でも、水の量なら変えられます。
ほとんどの人が、全自動洗濯機を使っていると思います。
全自動洗濯機は洗濯槽にセンサーがついていて、洗濯物の重さと体積を測って、自動で水の量を計算し、スタートボタンを押すと水がジャーッと流れてきます。
とても便利ですが、「汚れをしっかり落とす」という観点では、この便利さが仇になっていると言わざるを得ません。
なぜなら、日本の洗濯機は自動的に節水モードになっているからです。ボクらプロから見ると、圧倒的に水の量が足りないのです。
節水はとても大切なことですが、洗いの段階で水が少ないと、汚れがしっかり浮き上がってくれません。
さらに、肝心なすすぎのときに水が不足していると、せっかく離れた汚れが、また繊維に戻って(!)しまいます。
部屋干しのイヤな臭いや、黄ばみ、黒ずみは、このせいで起こります。
だからプロは、水量の設定をすごく大事にしています。ここが本洗いのいちばんのポイントです。
家庭用の洗濯機なら、基本設定より水量を一段階上げるか、いっそ満水にしてもいいくらいです(洗濯物が少ない日も、です)。
そうすると洗濯槽の中で服がよく動くので、汚れがしっかり落ちてくれます。
またドラム式洗濯機はすすぎのとき水が少ないので、すすぎの設定を「注水」にするのがおすすめです。ふつうは洗濯槽にたまった水ですすぐのですが、注水は、新しい水をどんどん注ぎ入れながらすすいでくれるので、そのぶん使用する水が多めになります。
時短コースはオススメできません
ボクたちは以前、洗濯機の各メーカーさんに電話して、水量設定の根拠をヒアリングしたことがあります。ところが、どのメーカーさんも明確な根拠がありませんでした。「節水」を追求するあまり、理想の洗いやすすぎについての研究は二の次なのかな、という印象を持ちました。
言うまでもありませんが、洗濯機は「洗濯」のためのものです。
汚れや臭いが落ちない、黄ばみや黒ずみになりやすいなど、洗濯に少しでも不満があるなら、これからはちょっとめんどうでも、自分で水量を多めに設定してほしいと思います。
洗濯機の時短コースは、ふつうの設定よりさらに水量を少なくしていることがあるので、とくに気をつけてください。
すすぎの回数自体は増やす必要はありません。ほとんどの洗濯機がすすぎ2回の設定になっていると思います。使っている洗剤に「すすぎ1回」と書いてあったとしても、すすぎは2回にするのが理想的です。
次に買い替えるとき、タテ型とドラム式、どっちを選ぶのがいい?
日本と海外では事情が異なります
日本の洗濯機はずっとタテ型が主流でした。最近は、欧米型のドラム式が増えていますが、シェアでいえばまだ8割以上がタテ型です。
これには理由があります。
日本の水道水は、軟水です。水そのものに高い洗浄力があるのです。
一方、海外は硬水のために汚れが落ちにくく、ドラム式で叩いて汚れを落とす必要があります。だから海外ではドラム式が使われてきました。
ということは、日本ではわざわざ高価なドラム式を使う理由はあまりないのです。
水流で洗う方式のタテ型で充分なのです。
むしろ、ドラム式は水量が少ないので、洗浄力という点で不利になります。
何度も述べたように、いい洗濯のポイントは水量です。タテ型は満水にすれば大丈夫ですが、ドラム式は最大量にしてもまだ足りません。
でも、乾燥に関しては、やはりドラム式が優れています。タテ型で乾燥できるタイプもありますが、機能的にやはり弱いです。共働きのご家庭など、ライフスタイルによっては、ドラム式も便利であることはうなずけます。
結論として、せっかく買うならタテ型の洗濯機がおすすめ。洗浄力に優れており、自分で設定を変えやすいことが大きな理由です。より洗濯を楽しみたい方や、服を大切にしたい方には、こちらが合っています。
乾燥機能も欲しいなら、乾燥専用の機械を別に買うのがいいでしょう。乾燥機も今はすごく発達していて、ホームセンターで売っている1万円台の小型サイズのものでも充分乾きます。
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