好きなことをとことん極められる子は何が違う?どの子にもある「好きの芽」を伸ばすために親ができること

  • 2022年05月16日更新

小さなころから好きだったことをとことん極めて、大人になってもその分野で活躍している、という人のエピソードを聞くことがありますよね。

虫、恐竜、乗り物、運動、工作、お絵描き、歌…

わが子にハマっていることがあれば、それを応援してあげたい、と思うパパやママも多いと思いますが、そんな子どもの"好き"はどう伸ばしてあげるのがよいのでしょうか。

園舎をもたず、自然保育を実践する「森のようちえん さんぽみち」の園長"のんたん"こと野澤俊索さんに教えていただきます。

"のんびりひらひら歩く"かけがえのない時間

私の園では毎朝、おはようの会が終わるとお散歩に出かけます。子どもたちはあっちへひらひら、こっちへひらひらと、葉っぱが散るように歩きます。

子どもたちの心の中に、これはなに?あれ何だろう?と興味を湧き起こす風があっちこっちから吹いてきて、そのひらひらは続きます。

そのうち、道にポトリと落ちたように、どこかに座り込み、何かをじっと見ていたり、手にとってみたりして、次の風が吹いてくるまで動かなくなったりします。

どんなことに心惹かれるかは、子どもそれぞれで違います。その子が一番面白いと思ったことが、その日の「好き」になります。そんなことが毎日続くと、だんだん「好き」の種類が決まってきます。

ある子は虫を見つけることが、ある子は草花で何かを作ることが、またある子はおしゃべりをしたり歌を歌ったりすることが好きなのだとわかってきます。

子どもたちは興味をもった物事に、没頭して遊びます。「好きこそものの上手なれ」という言葉の通り、没頭して遊びこめば遊びこむほど知識も技術も上がっていきます。

この子どもたちの「好き」は人から与えられたり、促されたりしても沸き起こりません。子どものこころの中に風が吹いたとき、内側から沸き起こるものだからです。

風に吹かれてのんびりひらひら歩く時間が、子どもたちの「好き」を呼び起こします。そしてその「好き」をとことん遊び没頭するゆったりした時間が、その子らしい気持ちをそのまま伸ばしていくのです。また誰かに、その好きに共感して寄り添ってもらった子は、それをもっともっと好きになるのではないでしょうか。

わが子の好きな気持ちを絶やさないために

1歳から2歳までの小さい頃に「もりのおさんぽ会」というイベントに毎月参加していた子がいました。幼稚園のときから空の不思議に心惹かれ、それからおうちの人と一緒に空を眺めるうちに空と雲の不思議にどんどんのめりこんでいったとのことです。

小学校2年生になる頃からおうちの人と一緒に記録を取り始め、大きくなって6年生の自由研究では文部科学大臣賞をいただいたそうです。この子の好きな気持ちがずっと絶えなかったのは、そばで一緒に、子どもと同じペースで見守っていてくれたおうちの人の存在が大きいのではないかと思います。

子どもたちの「好き」にはそれぞれ個性があります。どの子も同じではないし、どの子も必ず「好き」があります。それは自分で見つけるものです。

そんな自分の「好き」を見つけるためには、多様な体験をし、多様な人に触れあい、多様性に富んだ環境に身を置くことが大切です。その多様な経験の中から、心弾む自分に合った「好き」をみつけることができるのです。

そこにたどり着くまでの間、子どもたちはいろいろなことを試します。大人にとってはムダに思えるような遊びの時間も、子どもにとっては創造と試行錯誤の時間です。

そのうち「好き」が見つかると、とことんのめり込んでいくようになります。そんな遊びに、ゆっくり時間をかけてつきあい向き合っていくことが大切です。

いま、何が好きなことなのか?それとも好きを探しているところなのか?子どもたちをじっくりと観ることが大切です。そして、その好きなことは、必ず人生の糧となります。

"自ら行動できる環境"と"五感を使った共感"が好きを伸ばす

子どもたちの「好き」は、子どもたちの可能性です。その芽を生み出す土壌は、子どもたちの体験です。そして、それは与えられるものではなく、自ら探し当てるもの、まるでタカラモノのようなものです。

その好きの芽を伸ばしていくのは、共感と環境です。
"共感"とは、五感を使って行うもの。子どもたちは自分の好きなことに共感してもらうことが大好きです。

たとえば子どもが泥遊びをしていたら、「楽しそうだね」と声をかけるよりも、一緒に泥に手を突っ込んで「わー!」と言う方がよっぽど共感を生み、喜びが生まれるものです。

一緒に心動かし、一緒に五感を動かす。こんな風に時間を過ごしていくうちに、子どもたちの「好き」はどんどんふくらみます。

そして、大人が教えたり与えたりするよりも、子どもたち自身が自分で行動していけるような環境づくりをするとその芽はぐんぐん伸びるでしょう。

たとえば、不思議に思うことを図書館に調べにいったり、「してみたいこと」をできるだけ実現できるように工夫したり。

「好き」が持続していくと、いつかそれは力に変わります。子どもたちの可能性は、それぞれの個性に応じて、誰もが持っている「好き」の力なのです。

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