空き地に土管は何故あった?

  • 2021年03月22日更新

空き地といえば土管、日本人の原体験としてそのように思っている人も多いでしょう。藤子不二雄先生の漫画など、昭和を舞台にした作品には子どもたちが土管のある空き地で遊ぶ様子がよく描かれています。ではなぜ空き地と土管はセットだったのでしょうか。

高度成長期の置き土産

藤子不二雄作品などに空き地や土管が描かれたのは、主に昭和30年代から40年代。それはまさに日本の高度経済成長期と重なる時期です。日本では都心だけでなく各地で工場などの工業地域が作られ、またそれに伴い住宅地も広まっていきました。そういった工業地や住宅地を開発するにはインフラの発展も不可欠です。水道や下水を普及させるにはパイプの役割を果たす土管が不可欠でした。発展途中の町には空き地も数多くあり、そこに一時的に保管する資材として、土管がよく置かれていたのです。もちろん空き地となると子どもたちの格好の遊び場。現代よりも子供の数も多かったため、公園だけでは子供の遊び場は足りなかったのです。また現代より土地の管理などもしっかりしていなかっため、そのような場所に子どもが入り込み、土管を椅子代わり、隠れ場所代わりの秘密基地にして遊んでいたのです。

現代の空き地は?

しかし現代ではこのような光景を見ることはめっきり少なくなりました。都心部だけではなく、地方や郊外でも住宅地周りの開発は終わり、空き地そのものが少なくなったのです。また下水工事の数も減ったので、コンクリート製の土管の需要や生産も減少しました。現代では下水のパイプもプラスティック製の細いものが使われるケースが増えています。更には土管が崩れて子どもが下敷きになるような痛ましい事故が発生したり、浮浪者のすみかになるなど、空き地にある土管は危険なものとして問題にもなっていきました。空き地も不動産会社や建設会社に管理され、子どもが立ち入りにくくなっていきました。こういった要因により、空き地も土管も人々の記憶には残りつつも姿を見せなくなったのです。しかし現代では、相続破棄などによる空き家の発生が問題になっています。今後も空き家や空き地が住宅地で発生するケースはあるかもしれません。

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