緑が豊かで区画の広い都心の街
資産価値が高い住まいというと「都心へのアクセス」「商業施設の充実度」「教育環境」などを思い浮かべますが、街全体に魅力があり、資産価値に大きく影響している場合もあります。ひと言で言うと“みんなが住みたいと憧れる街”は、文句なく資産価値が高いと思って良いでしょう。
たとえば、都心にありながら緑が多く、区画が整然として道路も広い街。目黒区・文京区・世田谷区の第一種低層住居専用地域などは、まさにあこがれの街! 不動の資産価値を持つ土地と言えます。こうした場所は住民の美観保持に対する意識も高く、街をあげて建物制限の規制や植栽保存の規約などを設けています。成熟した街だけに分譲される物件も少なく、“希少性”という観点からも資産価値が高いと言えるでしょう。
このような都心以外でも、大規模に開発された郊外の土地で魅力的な街並みを持つエリアがあります。駅から自宅に向かうとき、緑に囲まれた遊歩道があったり、ほっとくつろげる公園があるなど。絵になる風景を周囲に持つ住宅は人気が高く、坪単価も高くなっています。
安全で陽当りのよい高台の住宅地
昔から高級住宅街は高台の土地に建てられ、住みやすい街の代名詞になっていました。地盤が固くて陽当りもよく、水害なども起こらず、将来に渡って安全を確保できるからです。地形的に鉄道の路線からはずれて開発されなかったため、昔ながらの住環境が確保できているのも魅力と言えるでしょう。東日本大震災以降、高台の立地はますます人気が高まる傾向にあります。
たとえば文京区の小日向、品川区の御殿山など。坂道をのぼるとそこかしこに風情のある景色があり、美しい景観が住む人を楽しませてくれます。こうした地域の物件には“駅から近いと資産価値が高い”という常識が成り立たず、時代を超えてゆるぎない資産価値を有しています。
歴史的背景のある落ち着いた街
街には歴史があり、その土地に根付いた文化があるもの。資産価値の高い街はその昔に武家屋敷だった場所が多く、その名残りを街並みのあちこちに残しています。また、氏族や華族、外国人、財閥、高級軍人といったかつての富裕層が住んでいたため、独特の雰囲気を醸し出しています。「○○が愛した街」など、文人や知識人が好んだ街はイメージも良く、それだけで資産価値も上がるでしょう。
たとえばお屋敷街で有名な渋谷区松濤は、江戸時代に紀州徳川家の下屋敷でした。鍋島松濤公園はかつての華族・鍋島侯爵が住んでいた場所。歴史の重さは、そのまま資産価値の重さに匹敵するようです。