建築図面の種類とチェックポイント

希望どおりの住まいづくりには、設計者とのコミュニケーションが重要です。住宅のイメージは最初に漠然としていても、それを施工業者に伝えることで、具体的にできあがっていくものです。設計図面の内容をすべて理解する必要はありませんが、自分の希望がどのくらい反映されているかを確認するために、1枚1枚の図面に何が表現されているかを知っておきましょう。

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基本設計図面から読めること

施主と設計者との間で、繰り返し話し合いがされた後、最終的にどのような家を建てるのか、この段階で作成された設計図面を基本設計図面と言います。一般的に「配置図」「平面図」「立面図」「断面図」が作成されます。
配置図では、道路と建物、敷地と建物の位置関係が示されています。道路から玄関、勝手口、カーポートまでのアプローチなどを検討して下さい。平面図では、玄関から各部屋への動線をシミュレーションして下さい。使い勝手に問題はないか、動線の流れはスムーズか、収納は足りているかを検討して下さい。各部屋に目安となる家具を書き入れてもらうと、広さの感覚がつかめます。
立面図では、屋根の形状、窓の大きさや形状、配列、玄関ドアやバルコニー手摺のデザインなど、外からその家がどう見えるのかが表現されています。好みの様式や近隣環境とのバランス、平面構成や空間構成との関係など、さまざまな角度から検討して下さい。断面図からは、家の各部位の高さ関係が読み取れます。地盤面から1階の床面までの高さや、各部屋の天井高、サッシやドアの高さ、建物自体の高さなどが表現されています。とくに天井高は、空間づくりを左右する大事な要素ですので、慎重な検討が必要です。
基本設計では、家全体のボリュームをしっかりおさえておき、その中に自分たちの希望がどのくらい実現されているかを把握しておきましょう。基本設計を基に、実施設計、工事と続いていきますので、この段階で家の大枠が決定されることになります。

実施設計の図面

実施設計の段階では、より詳細な内容の図面が作成され、それを基に見積もり作成や現場での施工が行われます。オーダーメイドの家づくりには数多くの詳細図が必要になり、図面の枚数も5枚程度から100枚以上までさまざまです。
仕様書には設備機器などの品番やメーカー名などが記載されています。仕上表には、内外部の床・壁・天井などの仕上げを表にしてまとめてあります。ホルムアルデヒド発散等級に関して記載されている場合もあります。住宅の細かい部分の寸法や形状を詳細に表したものが平面詳細図です。壁厚や造作家具の寸法、設備機器の具体的な取り付け位置、窓幅や取り付け位置などが細かく表現されています。矩計図には、基礎形状、床下、壁の内部、天井裏の構成部材の材質や寸法などが書かれています。構造部材を把握するとともに、基礎の高さ、天井の高さ、建具の高さなどの高さ関係を確認することができます。
基礎伏図・床伏図・小屋伏図では、床下や天井裏など目に見えない部分の構成や構造部材を表現したものです。屋根伏図は屋根を上から見た状態を平面的に表現したもので、屋根の形状や寸法、仕上げ材などが確認できます。天井伏図は、天井を見上げた状態を表したもので、照明器具やトップライト、天井埋め込みのエアコンなど、天井に取り付けられる機器の位置関係が確認できます。また、折り上げ天井にしたり、天井に板を貼ったり、天井に表情を付けたい場合もこの図面で検討します。
建具表は、室内外の建具(ドアやサッシなど)を一覧表にしたものです。建具の姿図や寸法、材質、付随する建具金物、取り付ける場所などが書かれています。室内展開図は、部屋の真ん中に立って四方の壁を見た状態です。各壁面の窓やドア、幅木や回縁、造作家具や設備機器などが表されています。天井の高さや窓の取り付け位置、棚の高さなども記入されています。空調換気設備図は、エアコンの室内機や室外機、換気扇の設置位置、系統を表したものです。
給排水設備図はトイレや洗面所、浴室などの給湯、給水、排水の位置や系統を表したものです。ガス設備図は、給湯器やガス調理機器、ガス栓などの位置や系統を表したものです。外構図は、敷地の建物を除く部分がどのように整備されるかを表したものです。門扉、塀、カーポート、植栽、玄関ポーチやテラスなどの位置や形状、材質や高さ関係などが書かれています。

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上記の記事は、2011年7月25日現在のものです。掲載情報の著作権は株式会社オウチーノ(以下:弊社)に帰属します。情報内容は保証されるものではありませんので、万一この情報に基づいて被ったいかなる損害についても、弊社および情報提供元は一切の責任を負いません。予めご了承ください。

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