狭い敷地でもできる!アプローチ演出術

アプローチは門から玄関までの道のことですが、一番最初に目にする大切な場所です。千利休の茶室では、露地に飛び石が置かれ、石をたどって茶室に向かいますが、入口の1つ手前の石だけ脇にそれて置かれています。主人がそこで一歩ひいて、「どうぞ」と客人の足元を照らして茶室へ招き入れるためです。日本では昔から、門と玄関とをつなぐアプローチに心を配ってきたのです。

マスコットキャラクターアフタ・ビフォ・ピラミドス

玄関と門は正対させないのが基本

アプローチは、家の内から外へ、外から内へ、移動するためのものですが、パブリックな場所にいるのとプライベートな場所にいるのとでは、人間の意識も違います。意識を整える「間」をつくりだすために、アプローチは、なるべく長く歩くように設計することが大切です。歩いている途中に、緑や花、照明など視線を遊ばせる工夫をして、「間」を演出します。
敷地が狭くても、工夫の余地はあります。通路をジグザグにしたり、植栽や家の外壁をうまく利用して歩く方向を変えてみたり、玄関を中2階に設けて段差をつけたり、といった具合です。門から玄関が丸見えの状態では、事実上、アプローチという「間」がないも同然。敷地に余裕がなくても、門と玄関が正対しないようにデザインしましょう。
これは、玄関前で鍵を開ける動作を、門のほうから見えないようにする、という防犯上の効果もあります。アプローチのデザインを考えるうえで、防犯、プライバシー保護、それに安全性の3つを念頭に置くのがよいでしょう。植栽や建物の配置、夜間照明の具合によって、人間が潜むことのできる死角ができていないか、チェックしましょう。トイレや浴室の窓がのぞき込めるような配置になっていないかも重要です。

安全性の高い素材選びを

毎日使用する通路ですから、安全性の高い素材を採用するのは当然のことです。雨天であってもすべりにくい、転んだりした場合にケガをしにくいものにすること。レンガタイルや天然石などが、多く用いられます。色は、濃いめのものの方が汚れが目立ちにくく、手入れの手間が省けます。お子さんと並んで歩いたりすることも考えて、最低でも90cmくらい、できればその倍の幅があれば良いでしょう。
夜に使うことも多いのですから、照明選びも重要なポイントです。天井方向だけからでなく、壁付きタイプ、スタンドタイプ、床埋込タイプなど、様々な方向からのものを、必要に応じて取り付けます。通路を歩く時はフットライトが、玄関前で鍵を探して差し込む時はスタンドタイプが効果的です。スポットライトや間接照明などを取り入れれば、より華やかな演出ができます。照明機器は防水タイプで、壊れにくく腐食しにくいものを選びましょう。

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上記の記事は、2011年7月25日現在のものです。掲載情報の著作権は株式会社オウチーノ(以下:弊社)に帰属します。情報内容は保証されるものではありませんので、万一この情報に基づいて被ったいかなる損害についても、弊社および情報提供元は一切の責任を負いません。予めご了承ください。

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