勾配と重量が肝心!屋根材の選び方

屋根材には、建築基準法の規制があります。まず、屋根が防火対策の要になることから、不燃材料であること。そして、耐震性の面から、瓦など重い屋根材を使っている場合より、金属板など軽い屋根材を使っている場合のほうが、外壁材の量が少なくていいということになっています。屋根の勾配は住宅の外観を決める大きな要素ですが、屋根材の種類ごとに最低屋根勾配の規定もあります。

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瓦葺きならメンテナンスフリーも

屋根材の種類ごとに特徴をみますと、まず、日本の伝統的建築に用いられてきた瓦葺きがあります。粘土を焼いて板状にしたもので、ほかの屋根材に比べて重く、耐震設計面での制約があります。表面に釉薬が塗られている釉薬瓦(陶器瓦)は、表面がガラス質なので水が浸透せず、半永久的にメンテナンスの必要がありません。色も豊富にあり、和風住宅はもとより、現在では洋風住宅でも用いられています。釉薬を使わない無釉瓦のうち、「いぶし瓦」は、松材や松葉で黒色にいぶすことから、瓦全体が渋い銀色をした瓦です。釉薬瓦より耐久性は落ちますが日本建築のお城や寺社、和風住宅の屋根に多く使われています。「素焼き瓦」は、酸化炎焼成の赤色のため赤瓦とも言われ、洋風建築に使われています。
次に、金属葺きですが、加工しやすく施工も容易で、葺き方の種類が多いのが特徴です。銅は施工後しばらくして緑青(ろくしょう)が出ますが、それ以後は50年もつといわれていました。しかし、最近は酸性雨の影響で、耐久性が低下しているようです。最近増えてきているのは、鉄板を基材としてアルミニウム、亜鉛、シリコンからなるメッキ鋼板、「ガルバリウム鋼板」です。積雪寒冷地、海岸地域、 強風地域や、酸性雨などの公害地域でも使用できます。シリコンやフッ素樹脂の塗膜をして、長期間メンテナンスが必要ない商品もあることから、人気が高くなっています。
こうしたことから、屋根材は単純に色や形から選ぶのではなく、建物の構造やデザインに合わせて選びましょう。

人気が高い化粧スレート

また、スレート葺きもあります。セメントを高温高圧下で養生・成型・着色したものを「化粧スレート」といいます。薄く、風雨や日光などにも強く、軽くて、耐震性面でも有利なことから、屋根材として広く普及しています。以前は石綿(アスベスト)を使用していましたが、環境への悪影響をなくすため、今では使われていません。また、玄昌石という粘板岩を屋根に使っているものを、天然スレート葺きと言います。こちらはほぼメンテナンスフリーです。
最後に、セメントと砂から作った瓦、セメント瓦葺きがあります。セメントには防水性能がほとんどなく、アクリル系・水系・フッ素系の樹脂塗料で塗装しなければならず、メンテナンスが必要ですが、施工性には優れています。

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上記の記事は、2011年7月25日現在のものです。掲載情報の著作権は株式会社オウチーノ(以下:弊社)に帰属します。情報内容は保証されるものではありませんので、万一この情報に基づいて被ったいかなる損害についても、弊社および情報提供元は一切の責任を負いません。予めご了承ください。

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