時代に新風を吹き込む建築家たち

2012.06.15

設計に施主と建築家の「想い」を込める

髙田博行(有限会社髙陽建築設計室)

「住宅」はそこで暮らす人がいてはじめて「家」になる。そこで個人や家族が、生活のハリや安らぎ、楽しさを感じられることが、いい家の条件だろう。では、設計をする建築家は、そんな住み手の「想い」をどう受け止めているのか。

インタビュー、構成:建築家O-uccino編集部

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──打ち合わせでは、どんなことに気をつけていますか。

一番大事なことは、コミュニケーションをしっかり取ることですね。デザインや設備の希望だけではなく、他愛ないようなことであっても、どんどん密に話して、とにかくコミュニケーションを重ねることです。コミュニケーションなくして「想い」を設計に込めることはできません。

──そんな中で、どういう家を作りたいと考えていますか。

まずは大前提として、自然の恵みを活かした家であることです。私のオフィスの「高陽」という名前も、これから建物を作っていく上で「光」をモットーにしたいという気持ちから決めました。住む人に、はるか上から降り注ぐ太陽の光を感じて欲しいという思いを込めています。自然エネルギーの中心にあるのが太陽ですから、人間の暮らしにも太陽が必要だと思っています。

──その上で、要望を聞いていくわけですね。

要望は、難しく考えずに、何でも言っていただきたいです。というのも、極言してしまうと、結局、住む人に「家が欲しい」「理想の暮らしがしたい」という純粋な気持ちがあればOKだと考えているからです。その「想い」さえあれば、ほかはどうでもいい、と言ってもいいくらいです。

要望として具体的な言葉にならなかったり、まとまっていないとしても、形にすることが建築家の仕事です。だから、施主さんには「新しい家でこんな暮らしをしたい」という素直な気持ちを持っていてほしいですね。

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──建築家の「想い」もありますか。

打ち合わせなどで、施主の気持ちを充分に受け止めることで、こちらも設計に「想い」を描くことができるようになります。施主に強い「想い」があれば、こちらが作る設計にも必ず反映されるし、家づくりは上手くいくわけです。

結局は、施主と建築家の両者が、「作りたい」という「想い」を持っていることが何より重要です。そうやって、両者の想いが詰まった設計をし、施主も建築家もベストを尽くし、「自分たちにしか作れない家をつくった」という形に持っていく。

いい家は感情で作られるのです。

髙田博行(有限会社髙陽建築設計室)

photo 1976年 東京都生まれ
1999年 (有)髙陽 設立
2008年 (有)髙陽建築設計室 設立

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