血糖値を下げる食べ物とは?糖尿病にならないために今スグ心がけたいこと

  • 2022年03月25日更新

こんにちは、ヨムーノ編集部です。

健康診断で「血糖値が高い」と診断された場合、多くの人は「血糖値を下げなければ」と思うことでしょう。
でも実は、最も重要なのは、「血糖値の上昇を緩やかにする」ことなのです。

【監修者紹介】 渡辺尚彦[ワタナベヨシヒコ]

医学博士。東京女子医科大学東医療センター元教授、愛知医科大学客員教授、早稲田大学客員教授、日本歯科大学臨床教授、聖光ヶ丘病院内科医師。高血圧を中心とした循環器疾患が専門。1987年から連続携帯型血圧計を装着開始。以来24時間365日、血圧を測定し続けている。『血圧を下げる最強の方法(アスコム)』など著書多数。
渡辺尚彦

上昇した血糖値を下げる食べ物とは?

空腹状態からいきなり、糖質主体の食べ物をたくさん食べてしまうと、血糖値が一気に上昇します。すると、糖分を脂肪に変えることで血糖値を下げる働きをするインスリンが必要以上に分泌され、脂肪の蓄積が促進され、太りやすくなってしまいます。

しかも、急上昇した血糖値は急降下する傾向があるため、食欲が爆発的に増し、さらに太りやすくなってしまうのです。でも、血糖値の上昇が緩やかならば、通常、インスリンは過剰に分泌されることはありません。

肥満は、さまざまな生活習慣病の温床。血糖値の上昇を緩やかにする食品を積極的に摂って、糖尿病などの生活習慣病を予防しましょう。今回は、血糖値の上昇を緩やかにするといわれている、代表的な食べ物をご紹介します。

お酢

お酢の主成分である酢酸の働きで、脂肪の合成を抑制し、脂肪の分解を促進することができます。

お酢の、血糖値への働きをさらにアップしてくれるのが、食物繊維が豊富な野菜。毎日の食事で酢の物やピクルスなどを必ず添えるようにすると、血糖値の上昇を抑えることができます。特にピクルスは作り置きもできるので、毎食の調理時間の短縮にもつながります。

またお酢には、空腹時に脂肪を燃焼させてエネルギーに変える「合成」と「燃焼」の、両方に作用するといわれています。

お酢の主成分「酢酸」が体内で代謝されるときに、体内のエネルギーを維持するためにはたらく酵素AMPK(AMP活性化プロテインキナーゼ)が作られます。このAMPKは、私たちの運動時に活性化する酵素でもあり、お酢を摂るだけで、運動をするのと同じような現象が体内で起こります(※2)。

[関連] ダイエットに最適な食材「もやし」を使ったレシピ7選(酢もやし)

※2…榊原 章二・岸 幹也・加賀 孝之(2007). 酢酸のAMPキナーゼ活性化による糖・脂質代謝改善. バイオサイエンスとインダストリー, 357~359

玉ねぎ

玉ねぎに含まれるイソアリアインという成分には、血糖値をコントロールするインスリンの働きを助ける作用があります。ただし玉ねぎにも糖分が含まれているため、食べ過ぎは禁物。目安は1日に4分の1個~半分程度です。その効果は生でも加熱しても効果は変わりませんが、栄養分が溶け出すのを防ぐため、水にさらさないほうが良いでしょう。

タマネギには血管が詰まるのを防ぐ血栓予防作用や肝機能の向上、老化抑止などの効果もあるといわれています。時間がある時にまとめて刻んでおいて冷凍すると、手軽に使えますよ。

マイタケ

最近マイタケは注目されている食材のひとつです。食物繊維には、腸内で糖の吸収を遅らせ、血糖値の急上昇を抑える働きがあります。その食物繊維を特に豊富に含むのが、キノコ。

マイタケに含まれる食物繊維の量は、しいたけ、エノキタケ、ブナシメジに次いで第4位ですが、熱で壊れにくいため、加熱調理後はしいたけを抜いて含有量がトップになります。

また炭水化物を糖に変化させるのは、唾液や小腸にある消化酵素の働きですが、マイタケにはその酵素の働きを抑える効果も。つまりマイタケを摂ることで血糖値の急上昇が抑えられると同時に、炭水化物が糖に変化するのを抑えることも期待できます。

アボカド

アボカドは「森のバター」と呼ばれるほど脂肪分が多いフルーツですが、その脂肪分のほとんどは不飽和脂肪酸。不飽和脂肪酸は、糖の血管への流れを遅くする働きがあるため、血糖値の急上昇を防ぐ働きがあるといわれています。

またアボカドには、食物繊維も豊富。特に水溶性食物繊維は、食事からの糖の吸収スピードを遅くする働きが期待できます。

納豆

納豆の原料である大豆には、食後血糖値の上昇抑制効果があるペクチンなどの食物繊維が含まれています。その働きがさらにパワーアップしているのが、納豆。納豆は大豆の約1.5倍量の水溶性食物繊維を含んでいるのです。

また、グルコマンナンやグアーガムなどの粘性物質は、その粘度が高いほど食後血糖値の上昇抑制効果が高いといわれています。つまり納豆は、豊富な食物繊維とネバネバ成分のダブルの働きで、血糖値の上昇を抑えてくれるのです。

青魚

約5万人以上の日本人を対象にした最近の調査で、男性は魚介類摂取が多いほど糖尿病発症のリスクが低下し、摂取量が最も多い群は最も少ない群と比べ、糖尿病のリスクが約3割低下することが明らかになりました(※)。

糖尿病リスクの低下と関連が深い魚を調べたところ、アジ、イワシ、サンマ、サバなどの青魚であり、特に脂の豊富な魚で糖尿病のリスクが低下することもわかりました。これは、青魚に含まれるオメガ3系脂肪酸やビタミンDが、インスリン分泌を改善する働きがあるためと考えられています。

※参考:国立研究開発法人 国立がん研究センター 社会と健康研究センター 魚介類摂取と糖尿病との関連について

ブロッコリースプラウト(ブロッコリーの新芽)

ブロッコリーの新芽(ブロッコリースプラウト)に多く含まれる「スルフォラファン」には、血糖値のコントロールに役立つ働きがあることが、最近の研究でわかっています。

スルフォラファンは、カリフラワー、キャベツ、芽キャベツ、ケール、白菜、菜の花などに含まれますが、特に含有量が多いのがブロッコリーのスプラウト(新芽)です。

さらに、ブロッコリーも、食後血糖値の上昇を示す指標のGI値が低いため、食べても血糖値は急上昇しにくい代表的な食品です。

オクラ

オクラのネバネバ成分は、納豆に含まれるペクチンと同じ食物繊維の一種。そのため納豆と同じように、糖質を包み込んで腸からの吸収を抑え、食後の血糖値の上昇を緩やかにする働きがあります。

またオクラは、インスリンの働きを良くするマグネシウムや亜鉛などのミネラルも豊富です。

大麦

とろろにつきものの麦ご飯や、グラノーラ、オートミールなどに使用されている「大麦」の胚乳部分には、食後血糖値の急上昇を抑える水溶性食物繊維であるβグルカンが多く含まれています。水溶性食物繊維は、胃や腸の中でゲル状になり食べ物の移動を遅くするため、糖質の吸収を緩やかにするのです。

βグルカンは、オーツ麦や小麦にも含まれていますが、穀物の中でもっとも多くβグルカンを含んでいるのが大麦。また不溶性食物繊維も多いので、胃や腸の中で水分を吸って膨らむため、満腹感が得られる効果もあり、間接的に血糖値の急上昇を防いでくれるのです。

血糖値を下げる飲み物は?

毎日、習慣として摂ることができるものとして、飲み物もそのひとつです。実は身近な飲み物にも、血糖値を下げる働きを持つものがたくさんあるのです。その一例をご紹介します。

牛乳

朝食で牛乳を飲んだ時と、水を飲んだときとを比較する試験を行った結果、牛乳は食後の血糖値の上昇を抑える効果があることがわかっています。

これは牛乳に含まれるホエイ(乳清)プロテインというタンパク質が、インスリン分泌を刺激するホルモンの産生を高める効果があるためと考えられています。

また朝食でタンパク質を摂取することで、昼食以降の食欲も抑えられる「セカンドミール効果」を得られることもわかっています。大麦と同じように、食べ過ぎを防ぐことで間接的に、血糖値の緩やかな上昇をバックアップしてくれているんですね。

番茶

お茶は一般的に、5月頃の新芽を摘んだものが上等な「新茶」とされ、9月までに摘まれたお茶が「二番茶」「三番茶」と呼ばれます。番茶は、葉が固く味も薄い一方で、さっぱりとして苦味が少なく、刺激が少ないため、小さな子どもや体調を崩している時にも飲みやすいお茶です。

この番茶には、ポリサッカライドという食物繊維が豊富。ポリサッカライドは血糖中でインスリンと似たような働きをしてくれるため、血糖値の上昇を抑える働きがあります。 ポリサッカライドは熱に弱い成分で、水に茶葉を入れて一晩放置した「水出し」で淹れるのがポイントです。

まだある!血糖値の急上昇を防ぐ方法

食べる順を変えよう

同じメニューでも食べる順番を変えるだけで、血糖値の急上昇を防ぐことができます。

空腹状態からいきなりお菓子やご飯、パンなど糖質主体の食べ物をたくさん食べるのはNGです。血糖値が急上昇し、インスリンが必要以上に分泌されて、糖分を脂肪として蓄積する働きに拍車をかけてしまうのです。

さらに、急上昇した血糖値が今度は急降下するため、低血糖による食欲の爆発が起こることも......。

それを防ぐには、血糖値を上昇させにくいタンパク質や野菜などから食べ、糖質のパンやご飯を最後に食べること。ある程度、満腹感が得られてから食べるので、糖質の摂り過ぎも防げます。

食物繊維が豊富な野菜や果物から食べるのもいいのですが、最近の研究では、食事の開始時にタンパク質を摂ることで、血糖値を下げるインクレチンの分泌を刺激できると考えられています。

有酸素運動+筋トレをセットで行う

こうした食事の摂り方による効果をさらに高めてくれるのが、適度な運動。運動をすることで筋肉への血流が増えるとインスリンの効果が高まり、ブドウ糖がどんどん細胞の中に取り込まれ、血糖値が低下します。

最近の研究では、中等度の強度(ややきついと感じるくらい)の有酸素運動と、筋力トレーニングの組み合わせが、インスリンの効果を特に高めて血糖値を下げることがわかっています。

一方、激しい運動は血糖値を上げるホルモンの分泌を増やすため、一時的に血糖値が高くなることがありますので注意してください。強度の筋力トレーニングを急に始めると、心臓や腎臓に負担を与えてしまうだけでなく、怪我をしてしまう恐れも......。

運動の前にはストレッチや準備体操を十分に行うこと、そして最初は軽い運動から始めることを心がけてくださいね。

【参考文献】
『血圧を下げる最強の方法(アスコム)30年間×24時間 自分の血圧を測り続けている専門医だからわかった正しい降圧法』(渡辺尚彦著)
『高血圧をもっと下げる新常識(笠倉出版社)』(渡辺尚彦著)
『誰でもスグできる! 血圧をぐんぐん下げる 200%の基本ワザ(日東書院本社)』(渡辺尚彦著)

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