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隔離されていたキッチンも対面式になり、ご主人様と会話を楽しまれながらお料理していただけるようになりました。 築40年ということで耐震補強や配管類もしっかりやり替え、安心して生活できるようになりました。

入母屋造りの全体のプロポーションを損なわないよう、活かしながら増築計画しました。新旧の融合が絶妙で、特に増築部は落ち着いた中にモダンなテイストを感じさせることに成功したと思います。

近い将来の建替えも視野に入れ、必要最小限のリフォーム工事で、かつ既存の佇まいを大切にプランしました。その風合いに愛着を覚えられ当初は関心のなかった庭木の手入れまでされているのは嬉しかったです。

数字上の温度、湿度より体感温度が向上するのではないかという期待から、無垢材や火山灰を多用しました。

将来的にはカーポートを取り付けたいというご要望がありましたので、建物と一体化させた車庫のパースを描き提案しました。駐車スペースをタイルで囲い建物と一体化させたことで、全体に重厚感が出て大きく見え、使い勝手も良くなりました。

ご夫婦お二人だけでの暮らしという将来のライフスタイルを考えて、ほとんど一階で生活できるような動線に配慮しました。増築により、食事・入浴・排泄・就寝などもすべて連続させ、安全で快適な空間を確保しました。広く明るくなったキッチンで心地よい時間を過ごすことができるようになったと奥様に喜んで頂けました。

外壁に何を持ってきても同じ仕上がりにすることはできませんし、規格型ＲＣ住宅のため普通に増築するととても野暮ったくなりそうでした。ＲＣ造とは異質の唐松貼を採用し、自然な質感を備えながらモダンなファサードをイメージしました。完成するまでイメージの掴めなかった外観ですが、ご主人をはじめお家族の皆様に、喜んでいただけました。

打合せではいつも奥様の手作りのお菓子をいただきました。そんな信頼関係を築けたことも喜びの一つです。新しく生まれ変わる住まいに期待をもっていただき、工事自体を大変楽しんでいただけた様子でした。

狭い変形敷地への増築プランだったので空間を有効に使えることを重点にプランニングしました。コスト削減のため、ご家族の皆様で塗装をされたことで、より手作り感ある家として愛着を感じておられるようです。

よくよく調べてみると、雨戸の鏡板にスレートの波板が使われていたり、屋根の一文字葺きの通常は銅板で葺かれるところをカラー鉄板の錣葺きにされていたり、新築当時の大工の小粋さが伝わってくるようでした。この家はただ単に新しくすればよいというものではなく当時の大工の遊び心を伝承したいと考えました。イメージの伝わりにくいところや、提案のポイントになる部分をイメージパースで確認してもらいました。