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今すぐ使える「非常持ち出し袋」の正しい準備法【防災の専門家に聞く】避難準備のコツ&必需品

  • 2020年10月11日更新

こんにちは、ヨムーノ編集部です。
防災用の「非常持ち出し袋」と言うと、銀色の袋をイメージする方は多いのではないでしょうか。

やっぱりあの銀色の袋は必要なんでしょうか?また、非常袋にはいろいろな物を入れたくなってしまうけれど、結局何を入れて、どこに置いておくのが正解なんでしょう?

備え・防災アドバイザーの高荷智也先生に、「非常持ち出し袋」の正しい準備方法について、教えてもらいました。

「防災対策を長続きさせるポイントは、ガマンをしないこと」

監修:高荷智也
ソナエルワークス代表。備え・防災アドバイザー/BCP策定アドバイザー。“自分と家族が死なないための”家庭用防災の情報発信と、企業向けBCP策定をテーマとしたコンサルティング活動を行う。実践的でわかりやすく、楽しいアドバイスで人気。メディアにも多数出演実績あり。運営サイト:備える.jp
高荷智也

教えてくれたのは、備え・防災アドバイザー/BCP策定アドバイザー 高荷智也先生。

防災グッズも対策も、すべて自分で試しながら、固くなりがちな防災情報を楽しくわかりやすく発信。最近では踏み抜き防止インソール(クギやガラスを踏んでも踏み抜かず足のケガを防ぐ靴底)にクギを打つ実験動画を配信。

そんな先生も実践している「非常持ち出し袋」の考え方とは?

「非常持ち出し袋」とは、今すぐ避難しないと危険なときに持って逃げるもの

例えば大地震なら津波、火災、台風なら大雨、浸水、土砂災害、そのほか火山の近距離噴火など、物理的な破壊力があって、今すぐ避難しなければ死んでしまうような状況で、持ち運んで逃げるために必要な最低限のものを入れておくのが、非常持ち出し袋です。

非常持ち出し袋に入れるべきものは大きく分けて2種類

  • 1.体の一部となるもの

メガネ、補聴器、薬、お薬手帳など、それがないと生きていけないアイテム

  • 2.避難をサポートする道具

暗闇を照らすライト、雨具、ラジオ、救急セット、水・食料など

これらが入っていれば、銀色の袋のセットではなくても、自分が背負って逃げやすいリュックで大丈夫。
そして、①、②を準備した上で、いざという時に素早い行動ができるように工夫しておくことも重要です。

では、中身を詳しく確認していきましょう!

【非常持ち出し袋の中身①】体の一部となるもの

・メガネ
・補聴器
・薬
・お薬手帳(スマホで撮った写真でもOK)
・おむつ

……など、それがないと生活できない、生きていけないものは最優先しましょう。

【非常持ち出し袋の中身②】避難をサポートする道具

こちらは5つのカテゴリーに分けられます。

【①身の安全をサポートするもの】

・雨具
・LEDライト
・ヘルメットや帽子
・軍手
・マスク
・笛または防犯ブザー
・安全靴や踏み抜き防止インソール
・1回分の着替え(余裕があれば)
・衛生管理、防寒対策のグッズ(除菌シートや携帯トイレ、携帯カイロなど)

【感染防止対策】
・持ち運びできるサイズのアルコール消毒液
・アルコールウェットティッシュ

すばやく避難するため両手を開けられるような道具を準備するのがおすすめ。傘ではなくカッパ、懐中電灯よりヘッドライトがいいでしょう。

また感染防止対策は、新型コロナ以外でも常に必要ですので、アルコール消毒液やアルコールウェットティッシュなどを準備すると良いです。

Q.雨具は100均のレインコートでもいいですか?

A.例えば自分の住んでいるエリアが大雨の被害に遭いやすく、緊急避難になる可能性が高ければ、上下分かれたアウトドア用などグレードの高いレインウエアを準備する、といった基準で判断していくといいでしょう。

【②応急手当の道具】

出典:ソナエルワークス

・傷パッド
・三角巾
・包帯/テープ
・消毒液
・マルチツール(十徳ナイフなど)
・ビニール袋

「防災備蓄」の記事でご紹介したように、災害発生後3日間は人命救助が優先され、生き延びた人への支援は後回しになるので、応急手当の講習などを受講しておいてもいいでしょう。

▼くわしくはこちら
【防災備蓄】専門家に聞く"家庭で準備しておきたいもの”

【③情報収集の道具】

・スマホ
・モバイルバッテリー(電池式)
・乾電池(100均でも3~5年持つ)
・ラジオ(電池式)
・ペンとメモ帳
・ハザードマップ

電池式ラジオは停電しても情報を得ることができます。また電池式の道具の電池のサイズは同じにしておくと使いまわしができて便利です(単3がおすすめ)。

【④飲食物】

・水
・食料

グッズのなかで水と食料がいちばん重くなります。多く持っていきたいところですが、背負って走って逃げるための非常用持ち出し袋です。重いと避難が遅れるので気をつけましょう。水は500mlを2~3本、食料はそのまま食べられるものを2~3食分でOK。

【⑤貴重品】

・現金、貴重品
・保険証、免許証のコピー
・思い出の品

詳しくは次の章の「素早く家を飛び出すための準備」のところでお話ししますが、ふだんから非常持ち出し袋に入れておくのではなく、逃げる直前に放り込むのがポイント。

これらを入れるためのスペースは確保しておきましょう。

非常用持ち出し袋は「1人1袋」必要?

マスターバッグを作っておく方法も

家族全員が共通して使うものがあれば(例えばラジオなど)、マスターバッグのような全部入りの袋を用意して、家族の中でいちばん力のある人がそれを持ち、メガネや常備薬などは個々に持つというやり方もOKです。

赤ちゃんがいる場合はマザーズバッグを参考に

ふだんから持ち歩いているマザーズバッグに入れているものが、そのまま我が子に必要なものになります。いつものマザーズバッグの中身を参考にしたり、マザーズバッグをもう1セット作っておくという考え方でもいいでしょう。

非常持ち出し袋を持って、家を素早く飛び出すための準備

ポケットは1つ空にしておき、直前に貴重品を放り込む

逃げる直前に貴重品を放り込んでおくためのスペースです。パンパンだと中に入れるのに手間取るし、入らなければ手に持って逃げるハメに。

もしポケットがなくても、開けてすぐに入れられるスペースがあればOK。サッと入れて素早く移動開始できるようにしておきましょう。

ただし、1分1秒を争う場合は、貴重品も持たずにすぐに逃げましょう!

だからといってふだんから非常用持ち出し袋に入れておくのは防犯上NG。空き巣が大喜びします!

思い出はデジタル化しておけば、心も軽くなる

例えば避難するときに持っていきたくなる思い出のアルバム。何冊も抱えて行くわけにはいきません。
USBやSDカードなどデジタル化して小さくして、非常持ち出し袋に放り込めるようにしたり、クラウドにバックアップしておけば、万が一のときにも後悔しません。

非常持ち出し袋に物を詰め込むときのコツ

コツ1)目的別にパッキングする

薬、応急手当グッズ、情報収集グッズなど、カテゴリどとにジッパー付きビニール袋に入れておけば、水濡れも防げます。

さらに……。
内側にビニール袋を重ね、その中にパッキングすれば、中身全体の防水対策にもなります。

コツ2)すぐ使うものを手前にする

逃げるために使う雨具やライトなどの道具、逃げ切った後に飲みたくなる水など、すぐ使うものは取り出しやすい場所に入れましょう。

コツ3)背負って走れる重さにとどめる

逃げて生き延びるための非常持ち出し袋です。重くて背負うのがやっとだと、逃げるのが遅れます。背負って走れる重さにしましょう。

ちなみに市販の豪華何点セット入りの非常持ち出し袋はかなり重い場合もあるので、もしも購入を検討している場合は、自分が何キロまでなら背負って走れるか、確認してみるといいでしょう。

非常持ち出し袋を保管する場所は"避難経路上"

素早く持ち出せるように、避難経路上に置いておくのが鉄則です。

玄関がベストですが、玄関に置けない場合は玄関につながる廊下や、玄関に近い部屋やリビングなど、すぐに持って逃げられるような場所にしましょう。

非常持ち出し袋の選び方は?

好きなデザイン&使いやすいリュックがおすすめ

前述したとおり、非常持ち出し袋に入れておくべきアイテムがそろっていれば、銀色の袋や、市販の豪華何点セットの非常持ち出し袋でなくても大丈夫です(ただし両手が空くリュックにすること)。

すぐに持って逃げられるよう玄関など目につくところに置くことになるので、インテリアにこだわりがある人なら、インテリアになじむようなデザインを選んだり、カゴに入れて保管しておいたりしてもいいでしょう。

防災対策のポイントは「ガマンしないこと」です。
好みじゃないデザインのものを家の中に置いていると、部屋の隅や、最悪押し入れの中に追いやられ、いざというとき素早く逃げられなくなります。

また、背負って走りやすいデザインであるのも大切。胸のところにチェストベルトや、腰にベルトが付いているタイプのリュックは、走ったときに安定感があっておすすめです。

遠足や修学旅行のリュックと兼用してもOK

子どもが小学校高学年ぐらいになったら必要になる、修学旅行や遠足用の大きいリュック。
年に1~2回出番があるかないか?来年も使うのか?の、遠足や修学旅行用のリュックと兼用すると、コストがかからずおすすめです。

防災リュック(非常持ち出し袋)ができたら、実際に背負って散歩してみよう!

非常持ち出し袋が出来上がったら、災害時のシミュレーションをしてみましょう! 

実際に背負ってみて、避難場所までのルートを歩いてみます。ハザードマップを確認しながら、避難場所までの道のりを確認しましょう。
例えばここのブロック塀は簡単に崩れそうだな、とか、この看板が落ちてきたら危ないな、じゃあ他にルートはあるかな?など、危険な場所をチェックしながら歩き、避難場所がどんなところかも確認しておきましょう。

危険区域に住んでいなくても、非常持ち出し袋は必ず準備して

「前回の記事で在宅避難をすすめていたし、ハザードマップを見るとわが家は危険な区域じゃなさそう。在宅避難の準備を重点的に行えば、非常持ち出し袋は準備しなくてもいいかな?」と思っている人もいるかもしれません。ですが、災害とは突発的で、想定外なもの。

▼前回の記事はこちら
今日から始める「防災備蓄」と「在宅避難」最新情報

「ハザードマップで色がついていない=安全」ではないのです。
非常持ち出し袋の中身は100均で代用できるものもたくさんあります。ぜひ準備しておきましょう。

次回は持ち出し用防災グッズ(非常持ち出し袋の中身も含む)、在宅避難用の防災・備蓄グッズをリスト化して、詳しくご紹介いたします!

これまでのおさらい

防災の専門家に聞いた!今、絶対やっておきたい「地震対策の基本」
今日から始める「防災備蓄」と「在宅避難」最新情報

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田谷峰子
ライター

主婦向け生活情報媒体をメインに、ときどき旅記事なども執筆。
日々の生活を楽しく豊かにハッピーに送るためのヒントをお届けしていきます。

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