物件を購入して家賃収入というインカムゲインを得る不動産投資。本業で多忙なサラリーマンにとっては、細かく動向をチェックする必要がある株やＦＸに比べて、物件購入後は日頃の管理や運営などを管理会社に委託してしまえば、かなり手間が省ける。

不動産投資においてその成否を分けるのは、最初の不動産投資会社(および管理会社)の選び方にある。では、信頼できて、なおかつ長期的に安心して不動産投資をサポートしてくれるような業者は、どのように探せばよいのか。

まず、忘れてはならないのが、自らが何を目的に不動産に投資するのかを明確にしておくことだ。サラリーマンを続けながら副業的に、現実の給料にプラスアルファの収入を得たいのか。あるいは、専業として複数の不動産に投資していきたいのか。また、将来を見据えて、老後の年金だけでは生活が不安なので、その補完のためなのか。相続対策としてなのか---など、その目的によって物件や収支計画は変わる。

不動産投資会社を訪れる際は、投資目的について具体的に伝え、希望にかなう明確な答え（＝投資すべき物件のタイプや運用方法など）が聞き出せるかを確認する。もし、答えが不明確だったり、こちらの希望よりも、「売りたい物件」ばかりすすめてくるような業者だったら、要注意といえるだろう。

また、各業者とも得意分野がある。例えば、エリアを都心や特定地域に絞っていたり、全国展開している業者。扱う物件も新築、中古、１棟、区分なのかなど「強み」を明確にしている業者も多い。ホームページに掲載されている情報を見て業者を絞り込み、あとは実際に訪問したり、セミナーに参加してみる。初めて投資するなら特に、最初から１社に決めず、勉強の意味も含めて複数のセミナーに参加しよう。

物件の紹介はもとより、資金調達のための金融機関の紹介や金利について、あるいは購入後の管理や入居者募集、物件の売却についても確認したい。

どんなに想定利回りのよい物件でも、空室率が高かったり、滞納によって家賃が入らなければ、投資は失敗になる。さらに、売却には手間がかかり、すぐ換金できないことは、不動産のリスクともいえる。

仕事で忙しいサラリーマン大家さんにとって、良心的で相性も合う業者を選び、購入からその後の管理、売却などを広くサポートしてもらうことが重要といえる。