時代に新風を吹き込む建築家たち

2011.10.07

「空間の力」を感じてもらいたい

石憲明(seki.design)

なぜ、人は建築に惹かれるのか。そんな問いを立ててみたとき、答のひとつになるのが「感動」だろう。建築や空間は単なる入れ物ではなく、人の心を動かす力を持っている。それは住宅であっても変わらないと語るのは、建築家の石氏だ。

インタビュー、構成:建築家O-uccino編集部

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──建築家を目指したきっかけについて教えて下さい。

安藤忠雄さんの「光の教会」を見たことが、私の原点です。特に装飾的に凝った建物ではないのに、胸に迫るものがあり、「空間とは、ここまで人に感動を与えることができるのか」とショックを受けました。それから、建築の道に進みたいと思うようになったのです。

──住宅でも「感動」は大事なのでしょうか?

私は、住宅とはいわば「日常を体験する装置」だと思っています。何気ない、普通の日常であっても、そこに何か心が動くような工夫があればもっと心の豊かな暮らしができるのではないか、と。お客さんを招いたとき、客間まで案内する通路に物語性があるとか……、そんなちょっとしたことでもいいわけです。

──たとえば、どんな家を作りたいと思っていますか?

ひとことで言うと、クライアントの「歴史」を感じる家がいいですね。自分の好きな家を作るといっても、そこには必ず、土地や環境などの制約、それに住み手個人の住宅体験などの「歴史」が関わってきます。自分では気がつかないかもしれませんが、普通の建て売り住宅でなく、建築家に依頼をしようとする人は、必ず何かしら特別な住宅体験をしているものです。そういう気持ちに答えられる家を作っていきたいです。

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──住宅への興味は強いほうがいいということでしょうか。

建築に対する知識だけではなく、やはり最初に述べた私の体験のように「空間の力」をわかってくれる人がいいですね。建築に刺激を受けたことがある人と一緒に家づくりができると嬉しいです。

一方、あまり自分なりの建築観を持っていないというクライアントさんには、ハウスメーカーのショールームから歴史に残る名建築まで案内し、実際に体験してもらうことで「空間の力」「建物の力」を理解してもらうようにしています。

──これまで印象に残っている仕事はありますか?

兵庫県の須磨に、蔵書を地域の子供に無料開放するための「文庫」を作りたいというクライアントさんがいました。建築に理解のある方で、私も地域貢献の考え方に共鳴したので、建築の魅力を子供たちにも伝えることを目指して、船型の建物にしました。

この建物のように、新築でもリノベーションでも、固定観念にとらわれず、「なんのために作るのか」「なぜここを残すのか」といった根本的な考え方を尊重していきたいと思っています。

石憲明(seki.design)

photo 1976年 兵庫県生まれ 1995年 甲南高校卒業 1999年 大阪大学工学部環境工学科 鳴海邦碩研究室卒業 2000年 一級建築士事務所@HAUS ARCHITECTSに参画 2001年 大阪大学大学院工学研究環境工学専攻鳴海邦碩研究室卒業 2003年 GoNs建築設計事務所共同設立 2005年 一級建築士事務所 seki.design設立

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