東京湾岸エリアの現状

東京湾岸エリアでも地域ごとに特色があり、例えば経済・文化の中核を担う港区には資産価値の高いマンションが豊富です。お手頃感がある江東区は、豊洲や東雲といった新しい街が点在。中央区なら月島・勝どき・晴海など、下町風情と近代性を併せ持つ街並みが魅力でしょう。いずれも都心ならではのアクセスの良さと発展性を特徴とし、多くのタワーマンションが並んでいます。湾岸エリアということで心配される地盤についても、東日本大震災では大きな被害が出ず、むしろ免震構造や多彩な共用施設などのメリットが見直される結果となりました。

そんな東京湾岸エリアに新たな話題をもたらしたのが、東京オリンピックです。晴海に選手村が設けられるほか、江東区内に競技施設建設も予定され、東京湾岸エリアのマンション人気もうなぎ上り。新橋から築地・勝どき・晴海を経て豊洲の新市場へ至る区間が2016年に開通予定の環状2号線道路、豊洲から晴海・勝どきへの延伸が計画されているゆりかもめなど、交通インフラの整備にも期待が高まります。オリンピック効果は海外の投資家などの注目も集め、最近の人件費・資材価格の高騰と相まって物件価格は上昇傾向へ。今後の開発ラッシュや景気回復に伴い、新築マンションのさらなる価格上昇や供給不足も予想され、にわかに中古マンションが脚光を浴びつつあります。

なぜ“中古”を選ぶのか

首都圏のタワーマンションは、2003年に年間供給戸数が1万戸を超え、ピーク時の05年には1万5000戸に達しました。これらを牽引してきたのが東京湾岸エリアで、良質な物件が中古市場にあふれています。さらに、近年は地価上昇や人件費高騰など増大する建築コストを抑えるため、以前のように設備が充実した新築の大規模タワーマンションは出にくい状況。一方で需要は過熱傾向で付加価値が高まっています。豊洲など都心部に位置する築5年以内の物件をはじめ、一部で中古価格が新築分譲価格を上回る逆転現象も。売る側は手放しやすい状況にあり、買う側としても魅力が大きく、今後も安定した資産価値を見込めるのが東京湾岸エリアの中古タワーマンションというわけです。

これからの狙い目物件はコレだ！

東京湾岸エリアは中古タワーマンションの選択肢が幅広いだけに、物件選びはしっかりと吟味したいところ。ポイントのひとつが、オリンピック効果の恩恵が期待できる選手村や競技会場の近く。主に江東区の物件が当てはまります。もうひとつが、築10年程度の物件。これらは住宅性能表示制度がスタートした2000年頃に企画されており、床の厚みなど建物の基礎性能が高められているものが多いのが特徴。また、共用施設や住宅設備も充実しており、大規模なリフォームをせずとも、快適に住むことができます。これらの人気があるマンションは、中古市場に物件が出るのを待っている人も多く、指名買いも当たりまえ。市場に出ればすぐに売れてしまうので気が抜けません。そんな、人気が高い湾岸エリアの「狙い目中古タワーマンション」を見ていきましょう。