建築家だからここまでできた！
自宅でいつかはカフェをやりたい！美容師として独立して開業したい！など自宅にお店を持つことを夢としてがんばっている方がたくさんいます。実際一般的な住宅と比べて何が必要になるの？となると、わからないことも多々。今回は「店舗付き住宅」を建てるにあたりどんなことを注意しなければならないかをご紹介します。
「店舗併用住宅」は職住一体が大きなメリット
「店舗併用住宅」とは1階が店舗、2階部分が住居といったケースが多く見られ、飲食店や理髪店が代表的な建築物です。また、「店舗付住宅」とも言われます。一番のメリットとしては職住が同じ敷地内なので、お客様がいらっしゃればすぐに出ることが出来ますし、通勤時間がないので家族といられる時間が長くなります。
「店舗併用住宅」とは具体的に一体どのようなものなのかを解説いたします。
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「店舗併用住宅」は「特殊建築物」に該当
店舗併用住宅は一般住宅と異なり、建築基準法では「特殊建築物」に該当します。これには学校や病院、劇場、百貨店、旅館や共同住宅、倉庫などありますが、一戸建て住宅や事務所以外はほぼ全てこれに該当すると考えて良いと思います。そのため、一戸建て住宅にはない規制を受けることになります。特殊建築物は不特定多数の人が利用するとされているため、老朽化や設備面に不備があると大きな事故や災害に繋がる恐れがあり、例えば飲食店の用途部分が100㎡を超える場合は用途変更の確認申請が必要になったり、火を使う部分は耐火構造にする必要があったりします。また、地域によっては商業禁止にしていたり、店舗部分の床面積の制限がある事もあります。
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資金計画面でも十分な確認を
資金計画を立てるときに、住宅部分と店舗部分にかかる費用を別で考える必要があります。借入を考える場合、住宅部分には住宅ローンが使えますが、店舗部分には使うことが出来ません。また、住まい給付金などの適用にも制限があり、建物全体の床面積が50㎡以上であること、住居部分が全体の床面積の1/2以上を占めている必要があります。 また、店舗部分は事業設備資金融資として金融機関から借入できる場合がありますが、融資審査は事業内容や過去の事業実績などが判断材料となります。 新規で事業をする場合は、事業計画を立てて金融機関から融資を受ける必要があります。既に事業を営んでいる場合は、取引銀行へご相談されると良いでしょう。
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店舗の成功は必須
店舗併用住宅を建てる場合、店舗をビジネスとして成功させることが大前提です。 事業がうまくいかなければ、失敗どころか家ごと失いかねません。事業を成功させるためには、事業計画はもちろんのこと、建物を建てる立地や建物そのものが非常に重要になってきます。 ですから、事業を成功させる上で価値の高い立地であること、それからエリアのニーズに合った事業であることをよく検討した上で計画を立てなければなりません。 店舗付き住宅の相談をする場合、十分なスキルや知識を持っていることは当然のことながら、店舗の成功に貢献できるような設計やデザインをしてくれる建築家をじっくりと選んでいきましょう。
建築家による店舗付き住宅の事例
建築家がさまざまな工夫を凝らしデザインをした、店舗付き住宅の事例をラインナップしてお届けします。
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和雑貨ショップ＋手仕事ギャラリー
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深沢mh
- 総工費
- 4200万円
- 坪単価
- 83万円
こだわりポイント
1階は奥さまが経営される犬のトリミングショップ、2～3階はご家族4人で住まわれる、木造3階建ての都市型住宅です。 幅4ｍ奥行22ｍと細長い敷地です。前面のみ桜並木の緑道に面し、三方はぐるりと隣家に取り囲まれています。 建物の真ん中に設けた中庭から光と風を取り入れ、建て込んでいても周囲の視線を気にすることなく心地よい空間が得られるように計画しています。
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アイリ・アイタル
- 総工費
- 600万円
- 坪単価
- -万円
こだわりポイント
パトワ語でIrie(アイリ)は心地よい、楽しい、Ital(アイタル)は自然、無添加。 「irie ital(アイリアイタル)」の店名は、自然体でいられることの素晴らしさを表しています。 田園調布の閑静な住宅街に佇む静かでゆったりとした時間と空間を堪能出来る隠れ家的お店です。
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KKHwF
- 総工費
- 7000万円
- 坪単価
- 94万円
こだわりポイント
大きな住宅の多い住宅街であるが、魅力のある建物は多くない場所であった。店舗としての性格上、外へ向けての開放性、視認性など、建築主が先に声を掛けていた設計者の案を大幅に変更した。視認性を求めて竣工時は真っ白な外観であったが、現在はくすんだ色に塗り替えられた。
築35年の住宅とはいえ、バランスの良い形状でしたのでうまく改修できると感じました。エントランスを一坪増築し間取りを変更していますが、柱や梁・屋根などの既存の構造部材はそのままに基礎や壁面の耐震補強をしています。禅寺のもつ凛とした雰囲気を表現するためモノトーンを基調とし、ショップのコンセプトに従い建物の各所で職人のもつ手仕事の技を生かし、また素材感のある材料を用いました。