住宅設備保証とは、中古物件購入後にお部屋の住宅設備が故障した場合の修理費用を保証するサービスです。
中古住宅最大の不安要素はアフターサービス
中古住宅は新築と異なり、維持管理や経年劣化の状況によって、物件ごとに差があります。そのような特性があるにも関わらず、購入後に不備があった場合に対応する保証やアフターサービスの制度が整備されていないというのが不安要素として挙げられます。
一方で新築住宅については、売主の事業者に対して10年間の瑕疵担保責任が義務付けられています。これは対象となる部位に隠れた欠陥(瑕疵)が見つかった際、引渡し後10年間は売主の事業者が無償で修理しなければならないというものです。
これに対して中古住宅は、売主が宅地建物取引業者である不動産会社の場合、瑕疵担保責任の期間が最低2年間に設定されています。しかし、売主が個人の場合は、仲介を手がける不動産会社ではなく、売主個人が瑕疵担保責任を負います。さらにその期間を短くする契約が多く見受けられ、住宅設備については7日間と短いのが一般的です。この期間に発見された不具合の補修費用は売主個人の負担になってしまう為、トラブルになることもあるようです。このように、不明確なアフターサービスや短い保証期間が中古物件取引きの大きな不安要素になってしまったと考えられます。
中古住宅売却後の売主の責任
- | 売主が個人の場合 |
---|---|
瑕疵担保* | 3ヵ月以内 |
主要設備の修復 | 7日以内 |
*瑕疵担保責任の対象範囲は雨漏り、シロアリ被害、建物主要部分の腐食、給排水管の故障などが含まれます。
*期間は、不動産流通経営協会(FRK)の標準売買契約書の規定に基づく一般的なものとして表示しています。
近年、国は住宅政策をこれまでの新築重視から、優良な中古住宅重視へとシフトしています。その政策の1つとして「既存住宅売買瑕疵保険(中古住宅売買瑕疵保険)」が始まりました。これは中古住宅であっても第三者機関が検査して条件を満たしていることが認められれば、瑕疵担保責任期間を5年間、保険金の支払い限度額を1,000万円まで(または2年間、500万円まで)保証する制度です。
この制度は買主のリスクを軽減してくれる優れたものですが、任意加入であることと、費用が高額であることから、一般に認知されていないというのが現状です。
このような状況を踏まえ、中古住宅の仲介を取り扱う一部の企業が「住宅設備保証サービス」を開始しました。
住宅設備保証の基本的な仕組み
住宅設備・瑕疵保証の流れ(一例)
住宅設備保証は売主、買主双方にとって、より安心・安全な売買ができる仕組みです。売主は物件を売却する際に、仲介業者や仲介業者の指定する第三者検査機関による検査を受けた場合に加入することが可能です。保証期間は売主側に瑕疵担保責任、住宅設備の修復義務がある期間は売主に適用され、その期間後は買主に適用されます。
買主のメリットは通常の7日間~3カ月の保証期間に比べて保証期間が長くなり、安心して物件を購入できることです。(保証期間、内容については各社異なります。)また売主のメリットは引渡し後の負担やトラブルを回避できることです。
住宅設備保証は不動産会社によって細かい条件や内容が異なります。例えば、対象物件がマンションか一戸建てのいずれかという場合があります。対象範囲も雨漏りやシロアリ被害といった瑕疵か住宅設備か、もしくは両方を含むか、などそれぞれ異なります。
これらの条件を確認して自身の希望にあったサービス・プランを選ぶようにしましょう。下の表はその一例です。
不動産会社による保証の違い
項目 | 保証内容と保証条件等 |
---|---|
築年数 | A社・C社/1983(昭和58)以降の竣工(2013年1月時点で築30年以内) |
B社/築25年以内(2013年1月時点で1988年以降竣工) | |
媒介契約 | A社・B社/不動産会社と専属専任媒介または専任媒介契約を締結 |
C社/専任媒介、一般媒介を問わない | |
対象エリア | A社/首都圏、B社/首都圏と関西圏、C社/全国 |
対象設備 | A社/給湯器・水回り設備24時間換気・エアコン・床暖房 |
B社/給湯器・水回り設備24時間換気 | |
C社/給湯器・コンロ・換気扇・温水洗浄便座・浴室乾燥機・エアコン等 | |
保証期間 | A社・B社/引渡し後1年、C社/引渡し後6ヵ月 |
保証上限金額 | A社・B社/1作業当たり、10年以内の製品=10万円、10万円超=2~6万円 |
C社/1物件当たり500万円 | |
その他 | A社/検査後の無償補修サービスあり、B社・C社/無償補修サービスなし |
事前にしっかり検査を行い、万一の補修にかかる費用負担を保証(保証限度額内)。
売主も買主も安心できる住宅設備保証のうれしいメリットをまとめてみたよ。
- 売りたいマンションの設備を事前検査することで設備の状態を明確にし、買主も確認するので、売却後の不安を軽減できる。
- 売却後、万一設備の不具合が発生しても補修費は保証限度額内で支払われるので安心。
- 買主に安心感をアピールできるため、売却がスムーズに進みやすい。
- 事前に対象設備の検査結果を確認し、保証内容が明確なため、入居後も設備に関する不安が軽減され、安心して物件を購入できる。
- 引渡し後の設備のトラブルにも保証が適用される(保証限度額内)。
- 引渡し日から6ヶ月~1年間、長期の「設備保証」がつく。
住宅設備保証サービスを提供している不動産会社の例
- 大和ホームズオンラインが仲介をした物件
- TWGワランティーサービス Inc.
- 大和ホームズオンラインによる、現地確認日から1年間
- 消耗品、付属品、使用上の誤り、破損等、本保証の対象とならない部位、故障原因がございます。
- 社員による対象機器の動作確認の結果、保証サービス適用の可否について判定いたします。動作確認の結果、保証をお付けできない場合がございます。
対象項目 | 設備の内容・機能 | 保証限度額 |
---|---|---|
給湯用熱源 | ガス給湯器・エコキュート・電気温水器 | 15万円 (税別) |
システムキッチン | レンジフード、混合水栓、調理用熱源(ガスコンロ、IHクッキングヒーター含む)、ビルトイン浄水器・整水器、食器洗い乾燥機、ディスポーザー | 10万円 (税別/調理用熱源) |
洗面所 | 混合水栓、換気扇 | - |
トイレ内 | 多機能便座、換気扇 | 10万円 (税別/多機能便座) |
浴室内 | 浴室乾燥機(暖房機含む)、混合水栓、換気扇 | - |
玄関 | インターホン(テレビドアホン) | - |
*上記記載の保証対象設備機器が保証期間内に故障した場合には、原則的に何度でも修理対応いたします。但し、部品欠品、修理不能な場合には保証上限金額内にて交換修理をいたします。
- 築30年以内の居住用中古マンション(1985年以降の完成)で専任媒介または専属専任媒介契約 (3ヶ月)を新規で締結された物件
*賃借人に賃貸中及び賃貸を目的とした物件を除く。
*瑕疵担保免責物件を除く。
*業者売主物件を除く。
- 全国の大京穴吹不動産営業店営業エリア
*地域によりお取り扱いできない場合もあります。
- 物件の引渡後1年間
(売主へ7日間保証の後、買主へ保証を継続)
*他社仲介での購入契約については売主への7日間保証のみ。(専有部の給排水管は3ヶ月保証)
*24時間駆けつけサービスおよび購入者サポートサービスについては一律引渡し後1年間 になります。
-
- (1)指定業者以外で修理を行い別途修理代がかかる場合
- (2)メーカー保証期間内の機器
- (3)自然故障以外の適切な使用・管理が行われなかった場合
- (4)検査後6ヵ月以上の場合
- (5)火災や地震保険などの対象事故や雨漏り、シロアリ等による故障
- (6)電池、管球類など消耗品の交換等
- 社員による対象機器の動作確認の結果、保証サービス適用の可否について判定いたします。動作確認の結果、保証をお付けできない場合がございます。
対象項目 | 設備の内容・機能 | 1作業あたりの修理・交換限度額 | |
---|---|---|---|
製造年月から 10年未満 |
製造年月から 10年以上 |
||
ガス給湯器 | 給湯箇所(台所・浴室・洗面所) | 10万円 | 8万円 |
厨房設備 | 流し台の水栓(シャワー機能含む) | 4万円 | |
コンロ(電機・ガス)・グリル | 6万円 | ||
レンジフード(照明除く) | 4万円 | ||
浴室設備 | シャワー本体 | 4万円 | |
湯張り・追い焚き・足湯・保温 | 8万円 | ||
浴室内乾燥機 | 4万円 | ||
洗面設備 | 水栓(シャワー機能含む)・コンセント・くもり止め | 4万円 | |
トイレ設備 | トイレ本体・保温・洗浄・乾燥 | 4万円 | |
換気扇 | 換気扇本体(浴室・洗面・トイレ) | 4万円 | |
建具 | 網戸・雨戸・戸・扉・ふすま・障子等共有部分以外の建具 | 4万円 | |
専有部給排水管 | 専有部の給排水管* | 10万円 |
*給排水管の保証については1990年以降に建てられたマンションが対象です。
上記の記事は、2015年4月1日現在のものです。掲載情報の著作権は株式会社オウチーノ(以下:弊社)に帰属します。情報内容は保証されるものではありませんので、万一この情報に基づいて被ったいかなる損害についても、弊社および情報提供元は一切の責任を負いません。予めご了承ください。
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