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住宅ジャーナリストが教える「中古物件購入+リフォーム」連載第2回:「中古購入+リフォーム」の物件選びのポイント【O-uccino(オウチーノ)】

買い上手こそ!中古購入+リフォーム

中古住宅を購入して、リフォームをしてから入居するスタイルが増えています。 特に買い上手ほど「中古購入+リフォーム」を選ぶ傾向に。さて、そのコツとは?

住宅ジャーナリスト/山本久美子

住宅ジャーナリスト
山本久美子

リクルートにて「週刊住宅情報」等の副編集長を歴任。独立後は、住宅関連記事の編集・執筆や講演等を行う。宅地建物取引主任者、マンション管理士、ファイナンシャルプランナー。著書に「中古マンション購入&リフォーム 得する選び方・改装術」(小学館)等。

「中古購入+リフォーム」の物件選びのポイント

前回は、中古住宅を購入して、リフォームして住むメリットを紹介しました。しかし、そのためには良質な住宅を選ぶこと、さらにリフォームしやすい住宅を選ぶことが大切です。今回は、「中古購入+リフォーム」するうえでの物件の探し方について、説明していきましょう。

中古住宅には着工した年代によって特徴がある

新築住宅は、その時期の法律上の規制や様々な基準に適合するように建築します。加えて、その時期の消費者に人気の間取りや設備などが取り入れられます。そのため、同時期に建築された住宅には共通した点が多く見られます。 間取りや設備については、リフォームすれば好みのものに変更可能です。しかし、住宅の基本性能に関する部分は、専門知識がないとチェックしづらいうえ、リフォームで性能を上げようとすると、思った以上に工事費用がかかることも考えられます。
そこで、年代による特徴を知ることで、おおよその住宅の基本性能を把握することが大切です。マンションの詳しい特徴は、拙著「今こそ!中古マンション—「得」する買い方・選び方」(小学館)でまとめていますが、ここでは、マンション・一戸建てに共通する重要な分岐点について、紹介したいと思います。

ハウスイメージ

耐震性

耐震性について大きな分岐点となるのが、いわゆる「新耐震基準」です。1981年6月に建築基準法が改正されましたが、1995年の阪神淡路大震災では、新耐震基準の建物の被害が少なかったことが実証されました。したがって、耐震性については、まず新耐震基準かどうかが目安になるでしょう。 一方、1981年 6月より前に着工された住宅は「旧耐震基準」といわれ、耐震診断の結果に応じたリフォームが必要といわれています。一戸建てであれば、リフォームの際に耐震改修を同時に行うことができますが、マンションの場合、構造は共用部分に該当するため、耐震改修は管理組合で行うことになります。旧耐震のマンションの場合は、耐震診断を受けているか、耐震改修を行っているかを確認しておく必要があるでしょう。

さらに建築基準法は、大地震などが起きるごとに見直しを繰り返していますが、2000年の改正が比較的大きなものでした。特に、木造一戸建てなどでは、地盤調査が事実上義務化されたことに加え、耐震補強部分を固定する金物が特定され、壁の配置にバランス計算をすることなど、耐震性が強化されるようになりました。

住宅の主要構造などの品質確保

2000年4月に「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)が施行されました。新築住宅の「構造耐力上主要な部分」と「雨水の侵入を防止する部分」の重大な欠陥(暇疵)について10年間の補修を義務づけるものです。同時に任意の「住宅性能表示制度」も始まり、この法律の施行後は、新築住宅の基本性能が底上げされたと言われています。
2000年というのは、先の建築基準法の改正が6月から本格的に施行されたこともあって、大きなターニングポイントになっています。

シックハウス対策

2003年 7月に施行された建築基準法の改正により、シックハウスの原因となる化学物質を使用しないことや 24時間換気設備の義務づけがなされました。中古住宅の場合は、新築時から年数が経つにつれ、住宅建材からの化学物質の放散量が徐々に減少していきますが、気になる場合は目安にするとよいでしょう。

注意点としては、法規制は施行以降に建築確認が承認されて着工するものが対象となることです。対象の住宅が竣工するまでに一定の時間がかかるなど、タイムラグがあるので、その期間を見ておく必要があります。

リフォームを想定した物件のチェックポイント

リフォームで重要になるのは、希望するリフォームが経済的に実施できることです。かなり築年の古いマンションで、排水管が床のコンクリートに埋め込まれているような場合は、新たな排水管を配して床を上げるなどの大掛かりな工事に発展します。
そのため、プロが重視するのは、右の表のような生活基盤を支える住宅のライフラインの状況です。住宅の床下や天井裏に設置されているなど、外から見えにくいことに加え、すべての居室に影響が生じる場合もあるからです。

プロが重視する中古住宅のチェックポイント

  • 給排水管
  • 電気容量や分電方法、配線
  • 給湯器の容量
  • 換気設備
  • エアコンのスリーブや室外機置場の有無

原則としては、水まわりで大量に水や湯を流したり、換気したりして、水の色や臭い、排水、複数使用時の給湯温度、換気に不具合がないかなどを調べるとよいでしょう。居室ごとに、使用する可能性のあるエアコンやテレビ、パソコンを想定して、使用できる環境が整っているかも確認しましょう。 また、住宅の耐震性や劣化状況、メンテナンスの状態も重要な点です。一戸建てであれば、外観を色々な角度から見て、マンションであれば、外観はもちろん住戸に行くまでのエントランスや廊下などを細かく見て、おかしな点がないか確認しましょう。傾きや大きなひび割れ、赤や緑の色染み、雨染みなどがあれば要注意です。売り主からリフォームの記録を入手することも重要です。いつどの場所を、どのようにリフォームしたのかを確認するとともに、マンションであれば管理組合から大規模修繕工事の有無や積立金の情報を入手する必要もあります。

マンションならではの注意点も

主な共用部分(一般的な場合)

  • マンションで共同使用する出入り口、廊下・階段、ゴミ置き場など
  • メーターボックスや室内のパイプスペース(PS)
  • バルコニーやポーチ
  • 構造上のコンクリートの床や壁
  • 玄関ドアやサッシ、窓ガラス

マンションでは、自分の責任でリフォームできる「専有部分」と管理組合でマンション全体を管理する「共用部分」があります。基本的に、共用部分は自分の都合でリフォームをすることはできません。さらに、マンションの「管理規約」で、音の問題から床のフローリング工事に制約を設けている場合などもあります。検討しているマンションに、どういったリフォーム上の制約があるかを知っておくことが、とても重要です。
マンションの場合は、エアコンがほしいからと、勝手に壁にスリーブ用の穴を開けることはできません。構造によっては、キッチンや浴室の位置に制約を受ける場合もあります。専門的な知識がないと、判断が難しいところもありますので、プロの助言を得ることも検討しておくとよいでしょう。

上記の記事は、2012年12月17日現在のものです。掲載情報の著作権は株式会社オウチーノ(以下:弊社)に帰属します。情報内容は保証されるものではありませんので、万一この情報に基づいて被ったいかなる損害についても、弊社および情報提供元は一切の責任を負いません。予めご了承ください。

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