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住宅ジャーナリストが教える「中古物件購入+リフォーム」連載第1回:中古購入+リフォームを勧める理由【O-uccino(オウチーノ)】

買い上手こそ!中古購入+リフォーム

中古住宅を購入して、リフォームをしてから入居するスタイルが増えています。
特に買い上手ほど「中古購入+リフォーム」を選ぶ傾向に。さて、そのコツとは?

住宅ジャーナリスト/山本久美子

住宅ジャーナリスト
山本久美子

リクルートにて「週刊住宅情報」等の副編集長を歴任。独立後は、住宅関連記事の編集・執筆や講演等を行う。宅地建物取引主任者、マンション管理士、ファイナンシャルプランナー。著書に「中古マンション購入&リフォーム 得する選び方・改装術」(小学館)等。

「中古購入+リフォーム」を勧める理由

日本人は新築志向が強いといわれます。まずは新築住宅を探し、次に中古住宅にも目を向けるというのが、従来の住まいの探し方でした。近年その探し方に変化が生じています。若い世代ほど、新築へのこだわりが少なく、自分らしい住まいを好む傾向が強いからでしょうか、「中古購入+リフォーム」という買い方で、満足度の高いマイホームを手に入れる人が増えているのです。なぜ満足度が高くなるのでしょうか。その理由を考えてみましょう。

「中古購入+リフォーム」で満足度の高いマイホームを手に入れる

年数が経った中古住宅は、前の居住者の生活感が残る、見栄えが悪いなどの理由で、選択肢からはずしてしまう人がいます。見た目だけにとらわれていると、中古の良さに気づくことができません。
まず、中古住宅のメリットを考えてみましょう。

中古住宅には見逃せないメリットも多い

中古住宅のメリット

  • 同条件の新築住宅より価格が安い
  • 立地にこだわった住まい探しがしやすい
  • 実物を見て選べる
  • 管理や居住者の様子が分かりやすい
  • 消費税増税の影響を受けにくい

価格については説明不要でしょうが、中古住宅は常時まんべんなく広いエリアで売り出しがありますから、「通学事情にこだわって探せる」、「予算内で通勤に便利な場所で探せる」という探し方ができます。また、実物を見て選べるので、日当たりや空間の広がりなど図面だけでは分かりにくい点も、五感で確認できます。
今なら、中古住宅は短期間で入居できることから「消費税増税前に購入できる」、売り主が個人なら「中古住宅(建物価格)に消費税がかからない」といったメリットも挙げられるでしょう。
こうしたメリットを活かすことで、希望条件に合う住まいにたどり着くことができるでしょう。

リフォームをプラスすることで安心感と愛着心が増す

中古住宅の最大のデメリットは、建築時期が古い分だけ劣化が進んでいたり、間取りや設備が旧式なために今の暮らしに合わない場合があるという点です。そのデメリットを解消するのが、リフォームです。劣化状況を点検したうえで、間取りや設備を自分の暮らしに合わせてリフォームすることで、自分らしい空間に作りかえることができます。
今の中古住宅市場は、築年が古くて安いものから、築浅でそれほど値下がりしていないものの新築と遜色のないものまでバリエーションが豊富に流通しています。その中から、希望条件に合うものを見つけて、自分らしい空間を演出できるリフォームをすれば、満足度の高いマイホームを手に入れることができるというわけです。

中古住宅の価格の安さだけを評価して、リフォームをせずに住もうという人もいますが、それはあまりお勧めしません。築5年以内でリフォームする必要がない場合でも、壁紙を張り替えればイメージが一新され、画一的な住まいが自分らしいものになります。壁紙の貼り替えだけなら、それほど費用はかかりません。一方築年が古い場合は、間取りや給排水管、電気やネット環境など、今の生活に合わせたフルリフォームをして、居住機能を上げる必要があります。軽微であれ大掛かりであれ、リフォームを通じて、住まいの状況を把握し、自分で選んだものに囲まれることで、住まいへの安心感や愛着心も増すというものです。

国も中古住宅流通とリフォームを後押ししている

政府は、新築住宅の供給から十分にストックのある中古住宅の活用へと舵を切っています。平成22年の新成長戦略では、10年後までに中古住宅流通市場・リフォーム市場の倍増を目指すと明示しました。そのために「中古住宅・リフォームトータルプラン検討会」や「不動産流通市場活性化フォーラム」といった有識者による検討会で、具体的に何をすべきかについての検討を重ねてきました。その結果、中古住宅の流通促進策やリフォームの促進策を次々と打ち出しています。

中古物件イメージ
中古住宅・リフォームの促進策がめじろ押し

中古住宅・リフォームの主な促進策

  • 中古住宅に関する情報提供の充実
  • リフォームに関する情報提供やトラブル解決に向けた環境整備
  • インスペクションのガイドラインの策定
  • 瑕疵(かし)保険の普及促進
  • リフォームローンの充実
  • リフォームによる性能向上を担保価値として評価する仕組みの検討

いくつか具体的な促進策を見ていきましょう。

右に挙げたほかにも、宅地建物取引業者のコンサルティング機能の向上やライフサイクルに応じた住み替えの促進なども挙がっています。
中古住宅の情報提供については、既に、実際に成約した価格やリフォームなどの履歴情報を消費者が分かるように整備していく仕組みを検討する検討会を立ち上げています。中古住宅の性能や品質を検査するインスペクションの検査項目や検査員の資質に関するガイドラインを策定すること、住宅の基本性能の重大な不具合を担保する保険(瑕疵保険)の普及促進なども着手されています。また、今年の7月から住宅金融支援機構が支援する「フラット35」に中古住宅購入費用とリフォーム工事費用を一体化して借りられる「リフォームパック」の提供が始まっています。

このように、促進策を具体化する動きが始まっているとともに、国土交通省では、来年度の概算要求に「中古住宅・リフォームの推進」を盛り込んで、こうした対応策への予算確保を図っています。耐震や省エネなどのリフォームに対する税制優遇なども継続される見通しですし、中古住宅+リフォームがしやすい環境が整いつつあるのです。

上記の記事は、2012年11月26日現在のものです。掲載情報の著作権は株式会社オウチーノ(以下:弊社)に帰属します。情報内容は保証されるものではありませんので、万一この情報に基づいて被ったいかなる損害についても、弊社および情報提供元は一切の責任を負いません。予めご了承ください。

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