中古住宅を購入して、リフォームをしてから入居するスタイルが増えています。 特に買い上手ほど「中古購入+リフォーム」を選ぶ傾向に。さて、そのコツとは?
「中古購入+リフォーム」のダンドリのコツ
中古住宅を購入して、リフォームして住む際に、最も大変なのがダンドリです。なぜなら、中古住宅を購入するダンドリだけでも大変なのに、そのうえリフォームのダンドリもしなければならないからです。それを上手く乗り切るためのポイントを説明していきましょう。
購入とリフォームの手順を知ろう
中古住宅の購入を優先させて、決まってからリフォームを考えるのでは、無駄や無理が生じてしまいます。最も多いパターンが、住宅ローンを利用して住宅を購入した後で、リフォームの検討を始めたので、住宅ローンの返済が始まってもまだ入居できず、賃料とダブルの支出が2、3ヶ月発生してしまうというもの。また、リフォームでもローンを利用するなら、新たにローンの審査も必要となるので、希望額が借りられないというリスクも考えられます。こうした無駄や無理をなくすには、あらかじめ双方の流れを理解したうえで、並行して効率よく進めていくことがポイントになります。
中古住宅購入の手順
マンションの購入をするには、最初に希望条件を整理することから始めます。住みたいエリアや交通アクセス、間取りや広さ、周辺環境などの条件はもちろんですが、予算も大きなポイントです。「中古購入+リフォーム」の場合、どの程度の額を住宅購入に充てて、いくらでリフォームするかという戦略を立てておく必要があります。
(1)築年にはこだわらず、安い中古住宅を全面的にリフォームする。
(2)築年が新しい中古住宅を一定レベルだけリフォームする。
いずれかの戦略を採るかによって、中古住宅の購入予算が変わってきます。戦略を適切に立てるためには、相場観を養う必要があります。不動産会社からアドバイスをもらうのも一つの方法ですが、予算の幅を広めにとっておき、できるだけ物件情報を集め、見学してみるというのも相場を体感できる方法です。希望するエリアでは、築年の古い住宅が多いのか、新しい住宅が多いのかなどを見極めながら、戦略の練り直しをしていくとよいでしょう。
一般的に中古住宅の購入手順は、右のようなSTEPを踏むことになります。手順の中でもSTEP1~4は、行ったり来たりする場合もあります。また、新築の分譲住宅では物件選びが中心になりますが、中古住宅の場合は、物件を探しながら不動産会社選びをして、最終的に選んだ不動産会社に物件を探してもらうという手順がお勧めです。また、STEP6の資金計画では、自己資金と借入額をいくらにするのか、リフォーム費用は自己資金で払うのかローンを借りるのか、ローンはどこからどういったものを借りるのかなど、詳しく決めておく必要があります。
一般的な中古住宅の購入手順
- STEP1 マイホームの希望条件を整理する
- STEP2 不動産(仲介)会社を選ぶ
- STEP3 物件を探す
- STEP4 物件(現地)見学に行く
- STEP5 物件を決める
- STEP6 資金計画を決める
- STEP7 売買契約を結ぶ
- STEP8 住宅ローンを申し込む
- STEP9 住宅ローン契約を結ぶ
- STEP10 中古住宅が引き渡される
リフォームの手順
リフォームは一般的に、右のようなSTEPを踏むことになります。まずは、どういったリフォームをするのかを決めます。内装を変えるだけの簡易なリフォームをするのか、既存の内装をすべてはずして新しい間仕切りや設備を入れるなどのフルリフォームをするのか、デザイン性の高いリフォームをしたいのか、特定の設備機器にこだわってリフォームしたいのかなど、リフォームの内容に応じて、それに適したリフォームの依頼先を見つける必要があるからです。次に、希望のリフォームができるリフォーム事業者を複数選びます。その中から最終的に依頼する事業者を決めるわけですが、各社にリフォームの具体的なプランと見積もりの提出を依頼し、それらを参考に絞り込んでいきます。一般的に、これを「相見積もり」と言います。選んだ事業者とさらに詳しい実施設計や見積もりの確認を進めていき、それで良しとなったらその内容で契約を結び、着工して引き渡し、晴れて入居となります。
リフォーム事業者によっては、依頼すると決まった時点で、設計契約を結び、詳細が詰まってから工事の請負契約を結ぶといった2段階になる場合もあります。また、STEP6の工事請負契約の時点では、リフォーム費用の資金計画を立てておく必要があります。さらにマンションの場合であれば、STEP7の着工前に管理組合への申請や届けが必要になります。
一般的なリフォーム手順
- STEP1 どういったリフォームをするか検討する
(予算も合わせて) - STEP2 リフォームの依頼先を探す
- STEP3 リフォームの見積りを依頼する
(現地調査をしてもらう) - STEP4 リフォームプランと依頼先を決める
- STEP5 リフォームのための詳細な図面(実施設計)や見積もりを詰める
- STEP6 リフォーム工事の請負契約を結ぶ
- STEP7 リフォーム工事に着手(着工)する
- STEP8 リフォーム工事が完了し、引き渡される
- STEP9 入居する
ポイントは中古住宅の引き渡し後、すぐにリフォーム工事ができること
さて、「中古購入+リフォーム」を効率よく進めるためには、上記の2つの手順をクロスさせる必要があります。その際ポイントになるのは、購入のSTEP10とリフォームのSTEP7です。お金を払って住宅を自分のものにしないと、勝手にリフォーム工事を行うことはできません。つまり、購入の「引き渡し」以降でなければ、リフォームの「着工」はできないということです。効率よく進めるためには、物件が引き渡されてからすぐに、リフォーム工事に着手できる状態にしておくことです。
そのための次のポイントが、リフォームのSTEP3「現地調査」です。中古住宅の現地調査をしてもらって、プランや見積もりを出してもらうためには、原則として物件の引き渡しを受けてからということになります。しかしそれでは着工までに時間がかかってしまいますから、購入のSTEP7「売買契約」が終われば、リフォーム事業者に現地を見てもらうことを元の持ち主が認めることが多いようです。したがって、売買契約を交わす時点で、リフォームの依頼先を絞り込んでおき、相見積もりを依頼というタイミングがベストです。さらに奥の手は、依頼するリフォーム事業者をもっと早く決めてしまい、購入のSTEP4「現地見学」の際に同行してもらい、希望しているリフォームができるかどうか、注意点は何かなど、助言をもらうことです。ただし、リフォーム事業者の方針や工事規模などによっては、こうした依頼ができないことも多いので、必ず使える奥の手ではないことに留意してください。上記の手順を頭に入れておけば、「中古購入+リフォーム」もスムーズに運ぶと思います。
上記の記事は、2013年1月9日現在のものです。掲載情報の著作権は株式会社オウチーノ(以下:弊社)に帰属します。情報内容は保証されるものではありませんので、万一この情報に基づいて被ったいかなる損害についても、弊社および情報提供元は一切の責任を負いません。予めご了承ください。
連載第3回 「中古購入+リフォーム」のダンドリのコツ
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