PR

住宅ジャーナリストが教える「中古物件購入+リフォーム」連載第6回:インスペクションと住宅の瑕疵(かし)保険について【O-uccino(オウチーノ)】

買い上手こそ!中古購入+リフォーム

中古住宅を購入して、リフォームをしてから入居するスタイルが増えています。特に買い上手ほど「中古購入+リフォーム」を選ぶ傾向に。さて、そのコツとは?

住宅ジャーナリスト/山本久美子

住宅ジャーナリスト
山本久美子

リクルートにて「週刊住宅情報」等の副編集長を歴任。独立後は、住宅関連記事の編集・執筆や講演等を行う。宅地建物取引主任者、マンション管理士、ファイナンシャルプランナー。著書に「中古マンション購入&リフォーム 得する選び方・改装術」(小学館)等。

知っておきたいキーワード「インスペクション」と「住宅の瑕疵(かし)保険」

「中古購入+リフォーム」が増加するにともなって、新たなサービスに注目が集まっています。今回は、ぜひ知っておいてほしい「インスペクション」と「住宅の瑕疵(かし)保険」について、説明しましょう。

中古住宅購入の際の判断材料となるインスペクション

「インスペクション」とは、住宅診断や建物検査のことです。直訳すると綿密な調査や検査のことを指すので、住宅に限定する意味で「ホームインスペクション」と呼ぶ場合もあります。

近年急速に増えているのが、中古住宅を購入する前に、買い主がインスペクションを依頼し、購入するかどうかの判断材料とする動きです。住宅の設計・施工に詳しい建築士などの専門家(インスペクター)が、住宅の劣化状況について調査を行い、欠陥の有無や補修すべき箇所、その時期などを客観的に診断します。したがって、住宅のコンディションが分かるだけでなく、購入以降の補修費用などの目安も分かるので、予算も含めて購入するかどうかの決断がしやすくなります。

インスペクションの費用は、目視による標準的な診断で、5万~8万円が一般的な金額のようです。さらに詳しい調査を依頼したり、耐震診断を追加する場合は、別途費用がかかります。

インスペクターとしては、検査専門会社や建築士(設計事務所)、不動産会社の系列会社などが挙げられます。現状では、インスペクターに公的な資格はありませんが、2008年にはNPO法人日本ホームインスペクターズ協会が設立され、公認ホームインスペクターの資格試験や研修を行っています。

ホームインスペクションのチェック項目例

【屋外】 住宅の基礎、外壁、屋根、雨漏りの有無、雨どい、軒裏、バルコニーの防水層や支持部分、サッシ・面格子、雨戸・網戸、腐食の有無
【室内】 壁・柱・梁の屋内に面する部分、壁、床、階段、建具(室内ドア)、腐食の有無
【床下】 住宅の基礎、土台・床組など構造上重要な部材や接合部、防湿処理、災害や漏水等の跡の有無、蟻害等の跡
【小屋裏・天井裏】 梁桁・小屋組等の構造上重要な部材や接合部、金物の不足や緩み、換気ダクト、漏水等の痕跡の有無、腐食の有無
【設備】 給排水全般・換気設備、漏水の有無、給湯器、火災報知器

住宅の瑕疵(かし)を保証する保険が「瑕疵保険」

住宅の「瑕疵」とは、購入したり建築したりする際に、引き渡し時には知りえなかった雨漏りのような重大な欠陥があることをいいます。

新築住宅の場合は、法律によって2000年4月以降、住宅の構造上重要な部分については、引き渡しから10年間は売り主である不動産会社などが責任をもって、その補修などに当たることになっています。しかし、中古住宅の購入やリフォームの場合には、こうした法的措置がありません。その代わりに登場したのが、任意の「瑕疵保険」です。中古住宅を購入するときは、売り主が不動産会社の場合は2年以上、瑕疵について責任を負うことになっていますが、売り主が個人の場合には、責任を負わない、あるいは数カ月に限定するという場合がほとんどです。そこで、「既存住宅売買瑕疵保険」が用意されるようになりました。保険期間は、引き渡しから5年間、保険対象は、構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分などです。(保険法人によっては、給排水管などの部分も保険対象としている場合があります)。

この保険には、(1)宅建業者販売タイプと(2)個人間売買タイプの2種類があります。(1)は、宅建業者が中古住宅を買い取って、保険を付けて販売するような場合に用いられます。一般の購入者が利用する場合は、(2)になるでしょう。右の図表のように、まず個人の売り主が検査機関に対して、費用を負担して検査と保証を依頼します。検査によって保証ができる住宅であれば、検査機関が保険に加入し、買い主に対して保証を行います。ただし、買い主が費用を負担して、検査と保証を依頼することもできます。

とはいえ、すべての中古住宅に瑕疵保険がかけられるわけではありません。住宅の基本的な性能について、保険対象となる検査基準に適合することが必要です。

また、リフォーム事業者が加入する、リフォーム工事の瑕疵に対する「リフォーム瑕疵保険」も用意されています。こちらの保険を利用したい場合は、保険法人に登録しているリフォーム事業者を選ぶ必要があります。

※詳しくは「住宅瑕疵担保責任保険協会のサイト」を参照

既存住宅売買瑕疵保険

利用する際の注意点は?

インスペクションも瑕疵保険も、中古住宅の流通を促進しようとする政府が後押しをしています。インスペクションについては、国土交通省がガイドラインを作成するなどの環境整備に乗り出しているところです。また、瑕疵保険に加入している中古住宅については、住宅減税の対象となる耐震基準を満たすものとする税制改正が行われる予定です。

こうしたサービスを利用する際の注意点が2つあります。

第一に、インスペクションや瑕疵保険は、万能ではないということです。インスペクションは、目視による診断が基本ですが、目視では分からない不具合もあり得ます。瑕疵保険についても、すべての瑕疵を保証してくれるわけではありません。例えば、シロアリ被害などは保険対象に含まれていません。したがって、どの部分について検査が行われるのか、どの部分を保証するのかなど、きちんと理解したうえで利用する必要があるでしょう。

第二に、依頼先によって違いがあることです。インスペクションであれば、インスペクターそれぞれの診断メニューや費用を事前に確認する必要があります。耐震診断や各種の適合証明書も必要とする場合は、それらに対応できるインスペクターにまとめて依頼するほうが効率的です。そのうえで、診断してほしい住宅の構造について診断実績が豊富なインスペクターなどを選ぶようにするとよいでしょう。

瑕疵保険も保険法人によって、一部のメニューや費用に違いがあります。また、中古住宅の仲介をする不動産会社の助力も必要です。検査会社の紹介や検査によって保証ができる住宅と認められなかった場合の改修工事の対応など、瑕疵保険に力を入れている不動産会社もあります。 こうしたパートナー選びにも注意をする必要があるでしょう。

上記の記事は、2013年3月29日現在のものです。掲載情報の著作権は株式会社オウチーノ(以下:弊社)に帰属します。情報内容は保証されるものではありませんので、万一この情報に基づいて被ったいかなる損害についても、弊社および情報提供元は一切の責任を負いません。予めご了承ください。

おウチのことなら、オウチーノ

中古一戸建て・中古住宅の検索・購入なら「O-uccino」。ご希望の沿線・駅、エリアはもちろん、土地面積や駐車場の台数といった一戸建てユーザーならではのこだわりを反映した検索条件でお気に入りのマイホームが見つかります。中古一戸建ての購入にかかる諸費用や注意点などをまとめたノウハウ記事も豊富に掲載しています。

人気キーワード
ページトップへ